MotoGP第13戦アラゴンGPの決勝レースがスペインのモーターランド・アラゴンで行われ、MotoGPクラスで優勝したフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)、2位のマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)、3位のジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)が会見に出席。レースを振り返った。
■フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)/決勝:優勝
「(今日の優勝は)そう簡単じゃなかったよ。今日は少し暑くて、ペースがこれほど速くなるとは思っていなかった。ただ、スタートしたとき、バイクのフィーリングはすごくよかったんだ。そして、僕よりもちょっと速いペースで走っているのはマルク(・マルケス)だけだということもわかっていた。スタートしてからは攻めて3番手との差を広げ、それからも攻め続けた。すごくいいペースだったと思う」
「レース終盤に、マルクは僕にオーバーテイクを仕掛けようとしていた。マルクが僕を交わしたポイントで、僕はコーナー立ち上がりが強いのだとわかった。レース終盤ではリヤタイヤのグリップが落ちていたから、少しオーバーテイクしやすかったんだ。最後、12コーナーでまた彼が仕掛けてきたけれど、僕はかなりきつくブレーキングしていた。彼はきっとラインを外してはらむだろうと思ったよ。それから最後の4つのコーナーで、できるだけベストなラインを走った」
MotoGP第13戦アラゴンGP:バニャイアが最高峰クラスで初優勝。最終ラップまで続いたマルク・マルケスの猛攻を退ける
「(優勝は)すごくうれしいよ。このサーキットでこんなに強く走れるなんて、思っていなかった。昨年はすごく苦戦していたんだからね。フリー走行1回目から、僕は(バイクを)何も変えていない。すべてがうまくいっていたんだ。今日は本当に信じられない」
「どのライダーにも時間が必要だと思うよ。MotoGPクラスの1年目は、フィリップ・アイランド(オーストラリアGP)を除いて、僕はすごく苦戦していた。フィリップ・アイランドでは4位だったけれど、トップからは12~15秒くらい離れていた。2年目のシーズンはいいスタートが切れたけれど、速さは安定していなかった」
「今年は速さはあった。ただ、優勝の可能性がないこともあった。ポルティマオ(第3戦ポルトガルGP)では予選中のイエローフラッグによって決勝レースでの優勝争いのチャンスを失ってしまったし、ムジェロ(第6戦イタリアGP)では、僕自身のミスで転倒してしまった。いつも何かが欠けていた。でも今週は、完ぺきな週末だったんだ」
「(次戦の)ミサノでは、今回のようにまた速く走りたいと思う。好きなサーキットだから、また優勝争いがしたい。とにかく、2年間のMotoGPクラスを経て、優勝できた。そして今ファクトリーチームで走れていることは、とても感動的なことなんだ」
■マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)/決勝:2位
「今日の2位には満足しているよ。金曜日、土曜日と立て続けに転倒していたからね。僕は人間だから、レースに臨むこと、速く走ろうとすることは難しい。もちろん、もうミスはしたくない。週末のフィーリングはよかったんだけれど、今後もこういうことができるのかはわからない」
「今日のレースでは、序盤からペッコ(※フランセスコ・バニャイアの愛称)を追いかけようと尽力していたよ。彼の走りがすごくいいのは、終盤に攻める前にわかっていた。ペッコのブレーキングは深く、バイクをうまく止めていた。そして特に、加速がすごく速かった。また、最終ラップのバックストレートで僕が前にいても、彼は僕を交わすだろうと思っていた。でも、できることはやったんだ。ペッコはすごいレースをしたと思う。おめでとう。(今回のレースは)今年のように厳しいシーズンにおいて、一つのモチベーションになる。難しい状況にあっても、トップライダーたちと優勝争いを繰り広げることができた」
「まず、僕はどこでペッコが速く、弱点はどこなのかを分析したんだ。でも、弱点は見当たらなかったな(笑)。どこでも速かった。僕は何度も(アンドレア・)ドヴィツィオーゾと戦ってきたけれど、ペッコはドヴィツィオーゾみたいで、それでいてコーナリングスピードがある。『どこでオーバーテイクできるだろうか?』と思ったよ。そのすきが見当たらなかったんだ」
「ペッコは僕よりブレーキングが深く、バイクをよく止め、加速も勝っていた。数カ所の左コーナーで、僕がわずかに速いだけだった。右コーナーでは苦戦していたからね。頑張ったけれど、問題は力を尽くしたときに限界を感じたことなんだ。そして、ちょっとあきらめたときに、ペッコがすごくいいスピードでやってくる」
「ファンのみんなにはこのバトル、素晴らしいレースを楽しんでもらえたんじゃないかな。僕はバイクを走らせていてあまり楽しめなかったけれど……、楽しむよりも苦しんでいたから。でも、レースを見ながらピザでも食べれば、今夜はいい夜になるだろうね」
■ジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)/決勝:3位
「3位という結果にはあまり満足していないよ。この週末、いいペースがあったと思うし、たぶん優勝争いができるペースだったとも思う。このレースは序盤が最悪で、できるだけオーバーテイクしようとしていた。しばらくしてジャック(・ミラー)とアレイシ(・エスパルガロ)の後ろについたんだけど、彼らを交わしあぐねていたんだ。なんとか交わしたけれど、もう(トップ2の二人は)遠かった。僕のペースは彼らと同じくらいだったんだ。だけど、もう遅かったよ。自分のパフォーマンスには満足しているんだ。ただ、優勝争いができなかったから、うれしくはない。でも、表彰台は表彰台だ」
「(バイクの加速面の改善について)7番手からスタートするのに加速面が足りないっていうのはベストではないよね。ライダーをオーバーテイクするのが難しい。前を走るライダーのミスを待たないといけない。そうでもしないと、交わすのが大変なんだ」
「今日は、バイクを止めるのに少し苦戦していた。そして、長いストレートでの加速でもタイムをロスしていた。僕たちが取り組まなければならないところだ。(次戦の)ミサノに向けてこの問題を解決したい。難しいことかもしれないけれど、好調だった今週よりもう少し戦えるようにしたいんだ」
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