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ハンセン・ブラザーズが開幕から連続1-2達成。ケビン・アブリングも表彰台獲得/WorldRX第2戦

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ハンセン・ブラザーズが開幕から連続1-2達成。ケビン・アブリングも表彰台獲得/WorldRX第2戦

 2021年のWorldRX世界ラリークロス選手権第2戦が、8月20~22日にスウェーデンの“聖地”ホーリエスで開催され、ともに世界チャンピオンを経験する3冠王者ヨハン・クリストファーソン(アウディS1 RXクワトロ/KYB EKS JC)とティミー・ハンセン(プジョー208WRXスーパーカー/ハンセン・ワールドRXチーム)が初日から最速を分け合うガチンコ勝負を展開。

 しかしセミファイナルで“ダブルパンクチャー”に見舞われたクリストファーソンの不運もあり、ファイナルでの直接対決は幻に。代わって予選ヒートで苦戦を強いられたケビン・ハンセン(プジョー208WRXスーパーカー/ハンセン・ワールドRXチーム)が息を吹き返し、開幕戦に続き兄弟でのワン・ツー・フィニッシュを達成した。

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 さらに、アンコラプテッドから参戦のWRC世界ラリー選手権経験者ケビン・アブリング(ルノー・メガーヌR.S.RXスーパーカー)も、Q1のスピンから立ち直りQ3では最速タイムと週末を通じて活躍を演じ、決勝では3位表彰台を獲得している。

 今季も『プジョー208WRXスーパーカー』で参戦するティミー&ケビンのハンセン・ブラザーズだが、2019年王者の兄ティミーは意外なことに地元戦のここホーリエスで未勝利という「小さな引っ掛かり」を抱えてのラウンドとなっていた。

 その“聖地での初勝利”に向けた気合いは初日から現れ、ティミーはQ1とQ2ともに3冠王者と入れ替わりの最速タイムを叩き出し、日曜のセミファイナル、そしてファイナルに向け手応えを得る走りを見せた。

「僕にとって、ここはこれまで最高のサーキットではなかったかもしれないが、シーズン前の開発のほとんどをこのトラックでの改善に集中させてきんだ」と明かしたティミー。「その判断が本当に成果を上げているようだね。僕らはヨハン(・クリストファーソン)とできるだけ激しく戦ったし、そういう展開は最高に楽しい。日曜が楽しみだね」

 一方、Q1で最速としながら、Q2をティミーに譲ったクリストファーソンは、そのターン1で陥った窮地を振り返る。

「Q2最初のコーナーでは完全に間違った方向を向いてしまい、フルスロットルで逆方向のフルカウンター状態に陥ったんだ! その状況から抜け出すことができたのはラッキーだった」とクリストファーソン。「このレベルでの競争は非常に厳しく、ライバルがより良い仕事をしたことを尊重しなければならないこともある。明日は反撃しようと思っているよ」

■王者クリストファーソンがまさかの終戦

 明けた日曜のQ4でもふたたびクリストファーソン、ティミーのふたりが最上位を占拠し、ともにセミファイナルに向けたポールポジションを得ると、そのままセミファイナル1でトップチェッカーを受けたティミーに対し、セミファイナル2に挑んだクリストファーソンはヒート開始直後のパンクによりまさかの終戦に。

 このライバルの不幸により、予選ヒートで一度もトップ3に絡めないという苦戦を強いられていた開幕勝者ケビンにファイナル進出の扉が開くことになり、ハンセン兄弟が決勝フロントロウスタートを確保した。

 週末最後の6周勝負では、セミファイナル1を2位通過していたアブリングのルノーが、開始直後のジョーカーラップ消化戦略が裏目に出てクリスティアン・サボー(ヒュンダイi20RXスーパーカー/GRX-SET World RX Team)に終始抑えられる展開に。これでライバル不在となった兄ティミーがホーリエス初優勝を手にし、弟ケビンが2位に続いて世界戦での2戦連続兄弟ワン・ツーを達成する結果となった。

「僕は長い間、ここで勝つことを試みてきたし、何度も何度もその栄冠に『超接近』したことがあった。そして今、やっとその夢を実現したんだ! 魔法の瞬間のようで、本当に幸せだよ」と、悲願成就の喜びを語ったティミー。

「勝負が続くことを楽しみにしていたから、ヨハンがファイナル進出を逃したことは残念だった。でも僕らの側から見ればすべてがスムースに進んだし、ここまでのペースには満足している。冬の間のすべての努力が報われたね」

 そして最終的にサボーを攻略して自身初のWorldRX表彰台を獲得したアブリングも「まずティミーとケビンにおめでとうを言いたい」と、兄弟を祝福するコメントを残した。

「僕も兄と表彰台を共有したいんだけど、残念ながら兄がいない。妹はいるが、そんなに速くはないからね(笑)。冗談はさておき、今週は予選ヒートから一貫して速さがあり、愚かなミスを犯すこともなかった。決勝でもサボーに遅れを取らなければ、勝利に向けプッシュできたかもしれない。でも今は最初の表彰台獲得をうれしく思うよ」

 一方、このラウンドが開幕戦となった『Euro RX1』は、予選最速だった2017年王者アントン・マルクランド(フォルクスワーゲン・ポロRXスーパーカー)を逆転したトーマス・ブリンテソン(フォルクスワーゲン・ポロRXスーパーカー)が制覇。シリーズカムバックで話題となった人気ドライバー、アンドレアス・バッケルド(シュコダ・ファビアRXスーパーカー)は、予選ヒートのドライブシャフト破損から這い上がり、復帰戦を3位表彰台で飾っている。

 引き続き電動ワンメイク・クラスの『RX2e』ことFIA RX2eチャンピオンシップと『Euro RX1』『Euro RX3』が併載されるWorldRX第3戦は、フランス・ロエアックを舞台に約2週間後の9月3~5日に争われる。

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