ラスベガス中心街のストリートコースを舞台に、熱いバトルが繰り広げられたF1ラスベガスGP。しかしレース直前に起こったとある“事件”について、ドライバーから不満の声があがっている。
それは決勝レース直前に行なわれる、毎戦恒例のドライバーズパレードで起こった。パレードではそれぞれのドライバーが車両の助手席に乗り、コースを周回するが、多くの場合車両はクラシックカーで、所有するオーナーが運転する。
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レーススタートの約90分前、マクラーレンのオスカー・ピアストリを乗せた車からオイル漏れが発生した。オイルはホームストレートのピットウォール寄りに落ち、マーシャルがセメントの粉をまくことでオイルを処理した。
ただこのオイルが、レースにも影響を与えたのではないかと主張するドライバーもいる。イン側の12番グリッドからスタートしたフェラーリのカルロス・サインツJr.は、スタート直後の1コーナーでルイス・ハミルトン(メルセデス)と接触してスピンしているが、これはイン側にあったオイルのせいではないかと語った。なお、イン側グリッドではなかったものの、フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)も1コーナーへの飛び込みでイン側から進入したところでスピンし、他のマシンを巻き込んでいる。
サインツJr.は走行初日のFP1で、ストレートを走行中に送水バルブの蓋がマシンの下面に直撃し、シャシーやパワーユニットに大きなダメージを与えるというアクシデントに見舞われた。しかもエナジーストアの交換により10グリッド交換ペナルティとなったため、予選2番手にもかかわらず中団からのスタートを余儀なくされた。もしスタートでコントロールを失ったのが本当にオイルのせいだったとしたら、サインツJr.にとっては週末を通して不可抗力に苦しめられ続けたということになる。
「ドライバーズパレードで使った車からかなりのオイルが出ているのを見た。これもFIAが調べるべきことだと思う」
サインツJr.はそう語った。
「オイルが全部イン側の方のラインに落ちていたのは不公平だ。1時間前にオイル漏れのあったコースにマシンを置くことになった。これは受け入れられないよ」
「おそらく、ターン1で起きたクラッシュもそのせいだろう」
同じくイン側の偶数グリッドである4番グリッドからスタートし、11位でフィニッシュしたピエール・ガスリー(アルピーヌ)も、オイル漏れによって特定のドライバーに対して不公平なシナリオを作り出してしまったのではないかと考えている。彼はこう語った。
「良いこととは言えない。特に僕は今年最高の位置(4番グリッド)に並んでいたからね」
「既にFIAとは話し合ったし、いくつかのことを変更することになるだろう。あるドライバーがオイルの乗ったところからスタートして、別のドライバーは綺麗なターマックの上からスタートできるというのは、全くフェアじゃないからだ。きっと修正されるさ」
またF1ドライバーの選手会組織、GPDAの理事でもあるジョージ・ラッセル(メルセデス)はこの件について次のように語った。
「クラシックカーからオイルが漏れるというのは、今回が初めてではない」
「かなりひどいことになっていたのはショッキングだった。でも彼らはレースに向けて綺麗にするために頑張ってくれた」
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