ルノーがF1のエンジン供給から撤退するというニュースは、ビリー-シャティヨンにある同社のスタッフから強い反対を受けており、彼らは同社が誇りあるスポーツの歴史に背を向けたと非難している。
パリ郊外に位置するビリーのファクトリーは、1970年代よりルノーのF1エンジン誕生の地となっている。歴史あるこのファクトリーは、2025年に向け最後のF1エンジンを供給する予定だが、従業員たちは、同社の上層部がスポーツの伝統よりも財政的な慎重さを選んだと感じている。
ルノーがF1エンジンプログラム終了を正式に発表。アルピーヌは2026年からカスタマーチームに
ビリーの従業員と利害関係者の声を代表する同ファクトリーの社会経済委員会(CSE)は、ルノーをエンジンサプライヤーに引き留めようと懸命に戦い、CEOのルカ・デメオに「流れに逆らう」ものだと感じられる決定を再考するよう働きかけた。しかし、その努力は無駄に終わった。
CSEは、コストを削減し、貴重なスキルを維持しながらF1活動を維持するために、パートナーシップによる解決策を検討できたはずだと考えている。CSEは火曜日に発表した声明で次のように述べた。
「従業員と大多数の利害関係者の声を代表する全スタッフの代表は、2026年にF1エンジンから撤退するという決定を遺憾に思い、非難している」
「この選択は、F1を取り巻く財務リスクを軽減したいと考えているグループによって支持されているが、将来の売上やブランドの威信への影響を評価するための本格的な調査は行われていない」
「パートナーシップによる解決策は、F1活動の維持、開発および運用コストの削減、すべてのスキルの維持、すでに大部分が開発されている有望なRE26エンジンを2026年シーズンに投入する可能性など、いくつかの目標を達成することが可能であったにもかかわらず、グループによって拒否された」
CSEの懸念は、F1エンジンの生産が失われることによる短期的な影響だけにとどまらない。彼らは来年初めまでに従業員が500人から334人に削減され、さらに間接的な雇用が消失し、ビリー-シャティヨンから重要な専門知識が失われるのではないかと懸念している。
「ビリーの拠点の歴史は、しばしば矛盾した決定が下されてきたことを示している。また、レギュレーションや株主の財政状況によってF1への復帰がより魅力的になったときに備えておくために、将来に向けて高度な技能を維持することの重要性を示している」とCSEは警告した。
ルノーの決定による結果は雇用に影響を及ぼすだけでなく、ビリーの拠点に関連したより広範な社会的取り組みにも影響を及ぼすだろう。CSEは、ルノーのF1撤退によるもうひとつの犠牲として、モータースポーツにおける多様性と機会を促進する政府支援の実習プログラムである『Alpine Mechanical Excellence Competition』が終了する可能性を強調した。
落胆はあるものの、ビリーのチームは2026年に向けてパワーユニットの開発を進め、前進を続けている。しかし、彼らの仕事は使われることなく終わるだろう。CSEの声明は「過去2カ月間の混乱にもかかわらず、ビリーのチームはアルピーヌが放棄する2026年型エンジンのパワー開発を継続してきた」と述べている。
ビリー-シャティヨンの従業員たちは、この決定に団結して反対しており、ルノーのスポーツと技術のアイデンティティの礎となっているこの施設の長期的な持続可能性を守るために、現在公的機関の介入を求めている。
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