積算1万1574km 細かな凹凸をしなやかに吸収
2週間ほど、アウディeトロン GTを同僚のジャック・ウォリックへ貸したのだが、彼は快適性に好印象を抱いたようだ。路面の細かな凹凸をしなやかに吸収しつつ、設置感がしっかりあることを高く評価していた。
【画像】好バランスなBEV アウディeトロンGT 技術を共有するタイカン Q8 eトロンも 全140枚
バッテリーEVへ懐疑的な祖父母のお迎えに使ったというが、ご夫妻も感銘を受けていたという。
積算1万2684km 揺るがいない快適性が生む魅力
前回に続いて、今回は同僚のウィル・リメルへ貸し出した。約480kmの行程で、充電は2回だけで済んだとのこと。2回目は、念のため追加充電したに過ぎないらしいが。
高速道路の巡航も、カーブが多い郊外の道も、自宅で過ごすかのようにリラックスして運転できたと話していた。市街地での取り回しの良さにも触れていた。揺るがない快適性が、大きな魅力を生むのだろう。
積算1万2863km 高性能なグランドツアラーになり得るか
この初夏、アウディeトロン GTの能力を確かめるべく、約2900kmのロングドライブへ挑んでみた。内燃エンジン・モデルの比較にならないほど、頻繁なエネルギー補給は必要だったが、意外なことにストレスはさほど感じなかった。自身でも驚いている。
現実的な航続距離は、390km程度。ウンザリするかと思っていたが、むしろ長旅を楽しめたように思う。
イタリア北部、ベローナを目指した旅の目的は、バッテリーEVのeトロン GTが高性能なグランドツアラーになり得るのか、しっかり確かめること。追って詳細なレポートを掲載予定だが、印象的だったことをいくつかご紹介させていただきたい。
アルプスのワインディングへ見事に対応
オーストリアのチロル州経由で英国からイタリアへ向かう場合は、ブレンナー峠ではなく、ビピテノの町まで一般道の508号線を走るのがオススメ。素晴らしい景色を眺めながら、アルプス山脈のチャレンジングなワインディングを堪能できる。
確かに、峠付近は少々は険しい。だが、牧草地の中を縫うように伸びる道を、気持ち良く運転できる。
かくして、eトロン GTはアルプスへ見事に対応。ヘアピンカーブを敏捷に旋回し、内燃エンジン・モデルなら1速から3速で攻め込む区間を、ミドシップ・スポーツカーのような落ち着きと正確性でこなしてみせた。
車重が2300kgあるにも関わらず、13%の急勾配を意に介さないパワフルさにも感心した。峠までの登りでは航続距離が一時的に短くなったものの、下りの25kmほどは重力を活用し下山。最終的な航続距離の変化は、限定的といえた。
もう1つ、eトロン GTの能力で感心したのが、グレートブリテン島へ戻る途中に通過したドイツ・バイエルン州のアウトバーン。バカンスのハイシーズンからずれた平日なら、まさにクルマ好きが心に描くような状況が待っている。
草原や森林の間を、緩やかに2車線の高速道路が伸びる。アスファルトは非常に滑らかで、視界も良好。超高速域では、サスペンションへ強めの負荷が掛かるカーブも点在している。しかも交通量は少ない。
BMW M5やポルシェ911 ターボのオーナーにとって、天国のような場所だ。
200km/h前後での走行時の安定性
ガソリンのように、駆動用バッテリーを数分で満たすことはできない。最高速度も300km/hへ迫ることはない。それでも、最高出力530psのeトロン GTは、ドイツ製スポーツサルーンに対する期待へ不満なく走りで応えてみせた。
240km/hを超えた辺りでリミッターが掛かるものの、そこへ到達する鋭さには舌を巻く。最高速度までの加速が、ここまで容赦ないものだとは想像していなかった。
さらに印象深かったのが、200km/h前後で疾走中の安定性。空力特性の優秀さが見事に表れており、安心感という点ではM5より911へ近いといっていい。タイカンと技術共有する事実を感じさせるうえ、パナメーラの印象とも重なる。
加えて、その速度域でもエネルギー効率の低下が想像より小さいことにも驚いた。一定の車重があり、メカニズムがスムーズなこともあって、慣性へ乗るようにスピードが保たれる。勾配の変化に応じて、僅かにアクセルペダルの角度を増すだけでいい。
とはいえ、急速充電器がある場所は把握しておいた方が良いだろう。空気の塊を切り裂くには、相応のエネルギーが必要になる。
高速で突っ走った後は、エフィシェンシー・モードを選ばれることをオススメしたい。車高が僅かに下がり、乗り心地は硬くなるものの、航続距離は10%ほど伸びる。速度域が安定した区間では、5.1km/kWhという優れた電費が得られる。
テストデータ
気に入っているトコロ
穏やかな佇まい:eトロン GTの容姿は控えめ。視覚的に、周囲へ刺激を与えることはないだろう。車高の落ちるエフィシェンシー・モードでは、見た目が一層引き締まる。
気に入らないトコロ
充電ポート:充電ポートは左右に用意されているが、フロントかリアに付いていた方が便理。充電器の場所によっては、接続が難しいことがある。
テスト車について
モデル名:アウディeトロンGT フォアシュプルング・クワトロ(英国仕様)
新車価格:11万2850ポンド(2042万円)
テスト車の価格:11万6315ポンド(約2105万円)
テストの記録
航続距離:440km
電費:4.8km/kWh
故障:なし
出費:なし
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みんなのコメント
記事でだけよく出てて、実際は売れてないんだから過大広告になってない?アウディさん。
実際、アウディは下等ブランドと一般ユーザーに染みついた様で、
やはりアウディ買うならポルシェ、という考え方が一般的になった。
アウディとワーゲンって似た様な作りだし所詮はワーゲングループのエントリーブランドなんだよね。