「今の時代、おっさんはどんなクルマに乗るべきか?」
いやもちろん、どんなクルマに乗ったっていいのだが、アナタ(おっさん)が仮にクルマ好きなら、周囲のクルマ好きからどう見られるかを意識するはずだ。そして少なくとも、「シブイなぁ!」とか、「わかってるね~」と思われたい、と願うのではないだろうか? そういう選択を、ワタクシ清水草一が独断で展開いたします!
地上最高のATはスバル・パフォーマンス・トランスミッションだ!――2代目レヴォーグ&WRX S4 【おっさんはこれに乗れ!】
文/清水草一
写真/スバル
■MTに乗りたい気持ちをおさえて選ぶATは?
クルマ好きのおっさんなら、愛車のトランスミッションにはこだわっていることだろう。もちろんベストはMTだ。近年は、古いMTのスポーツカーが超高値を付けている。自然、新車のスポーツカーでも、MT人気が高まっている。
マツダのようにMTにこだわりまくり、幅広い車種にMTを設定しているメーカーもある。ロードスター990SはMTしかないが、売れ行き好調。そもそもロードスター自体、現在のND型になって以来、MTの販売比率が7割以上というから涙が出る。
が、そういった景気のいい(?)話はごく一部のスポーツモデルに限られ、日本国内におけるMT車の販売比率は、相変わらず1%前後にとどまっている。
つまり、我らクルマ好きのおっさんが、いかに「ミッションはMTに限る!」「AT限定免許を取る若者なんざフヌケだ!」とほざいたところで、実際の愛車は、ほとんどの場合ATではないだろうか。複数台所有ならMT車も欲しいけど、一家に1台だとATにならざるを得ないのが現実だ。
そもそも、おっさんも還暦に近づくと、MT車を転がす元気がなくなってくる。MTは「昔さんざん乗ったからもういいや」となってしまう。かく言う私もそのひとり。趣味のクルマとしてMT車を1台所有しているが、そっちにはめったに乗らず、普段はAT車を足にしている。
MT車を足にするなんて、もはや考えたくもない。申し訳ございません。おっさんは、MTに乗りたい気持ちを抱きつつも、現実にはAT車に乗るのである。
渋滞、坂道、同乗者との会話……、ドライブ中はATの方が助かるシチュエーションというのは意外と多い
では、ATの形式はどれがベストか? クルマ好きを対象にアンケートを取れば、数年前ならこんな結果になったのではないだろうか。
1位 DCT(ツインクラッチ)
2位 トルコンAT
3位 セミAT
そして続く最下位(4位)がCVTだ。なにせCVTは無段変速。段がないのだから、MTからは最も遠いミッション形式だ。そのフィーリングは「ラバーバンドフィール」という言葉が示す通り、ゴムのようにぶよぶよしていてダイレクト感がまったくない。ATに乗るのは仕方ないにせよ、CVTだけは勘弁だ! そう思っていたおっさんが多いのではないか?
■CVTの人気と課題
が、最近、この順位に大変動が起きている。現在はこんな感じだ。
1位 トルコンAT
2位 DCT(ツインクラッチ)
3位 CVT
4位 セミAT
ツインクラッチは、もともと低速域でややガクガク感があったが、その後信頼性の問題も浮上し、トルコンATに逆転を許している。現在のトルコンATはトルコンスリップもほとんどなく、変速速度やダイレクト感の面でもDCTに劣らない。ならばガクガクしたりブッ壊れたりする(かもしれない)DCTを選ぶ理由はない。
実際、私が乗っていたルノー トゥインゴは、DCTのクラッチモーターがブッ壊れ、偶数ギア(2、4、6速とリバース)にしか入らなくなった。クラッチモーター交換で直ったが、知人に譲ってまもなく今後は奇数ギアのみになり、リバースも入らなくなってレッカーのお世話になった。走行距離は約7万km。ちょっと古めのDCT(特に乾式クラッチ)の耐久性には注意が必要だ。
セミATはガクガク感が堪えられないし、セミATに乗るくらいならMTのほうがいい。そして問題はCVTだ。
私はかつて、「CVTに乗るくらいなら電車に乗る!」くらいのことを思っていた。あんなつかみどころのないミッションなど冗談じゃない! と言うわりには何台かCVT車を買っているのだが(フィアット プントやランチア イプシロン)、それらは走りではなくデザインに惚れて買ったセカンドカーたち。メインの足には選びたくないと思っていた。
スバル車のATは、2014年以降、CVTに統一された。つまりATはCVTしかない。スバルがいかにいいクルマを作ろうとも、ATがCVTである限り、欲しいと思うことは未来永劫ないはずだった。
2009年以降、スバルが採用してきた「リニアトロニック」もCVTだが、これには低速域でのトルクコントロールがしやすいというメリットがある
もちろんスバルも、CVTの課題は痛いほど認識しており、スポーツリニアトロニックでは、疑似的なステップ変速を可能にしたが、逆に私は「こんな気分だけのインチキ変速、一度使ったらもう使わないぜ!」くらいのことを思ったものだ。
■スバルが払拭したCVTの不満
が、その考えは、2代目レヴォーグおよびWRX S4で採用された「スバルパフォーマンストランスミッション(SPT)」を体験して、180度転換した。
現行型となる2代目レヴォーグは2020年に発売。装備、デザインとも一気にモダンになった
スポーツリニアトロニックからの改良点は、マニュアルモードが6速から8速になり、シフトチェンジが大幅に高速化したことだ。しかも、制動時に素早く反応し、ブリッピングしながら自動的にシフトダウンするところまで進化している!
個人的に一番シビレたのは、S#モードでのアクセル全開時の自動シフトアップ制御だった。それはもう、「これはF1マシンか!?」と思うほど、シフトチェンジのレスポンスが超高速で気持ちイイ! しかも、疑似的にシフトショックまで演出してくれている!
演技も真に迫れば真実になる。大根役者の演技は真っ平だが、名優の演技には誰もが陶酔する! CVTでこんなことができるんなら、もう耐久性が心配なDCTなど滅んでヨシ! 個人的には、かつて所有したフェラーリ458イタリアのDCTよりも、このCVTの疑似ステップ変速のほうが気持ちよかったほどである。
人間は現金なもので、こういう素晴らしいパフォーマンスを見せつけられると、Iモード(通常の無段変速)でタラタラ流している時も、まったく不満を感じなくなる。「やる時はやるヤツだ」と認めれば、評価は根底から一変するのである。
かつてのインプレッサWRXが、2014年以降は「WRX」となった。S4はSTIほどハイパフォーマンスではないものの、国内屈指のスポーツセダンだ
2代目レヴォーグ、およびWRX S4に搭載された2.4Lターボも、トルクが分厚くて実に気持ちイイ。最高出力は2.0Lターボよりダウンしているが、余裕で流すおっさんには、トルクフルな2.4のほうがしっくりくる。「トルクフル」というとおっさん臭いイメージがあるが。低い回転から感度ビンビンにパワフルというだけのこと。このエンジンとSPTの組み合わせは、なにもかもが最高だ!
というわけで、SPTに限っては、2位のDCTを完全に超え、1位のトルコンATにとって替わるところまで順位が上昇する。SPTこそ、現在地上最高のATかもしれない。クルマ好きのおっさんは、ミッション主体でクルマを選ぶなら、SPT搭載の2代目レヴォーグやWRX S4を狙え!
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若くても年寄りでも女でもいいだろうが