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【追記あり】オジエが早くも強烈ヒット。チリ大得意のタナク、トヨタ勢をごぼう抜きで開幕首位に/WRCデイ1

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【追記あり】オジエが早くも強烈ヒット。チリ大得意のタナク、トヨタ勢をごぼう抜きで開幕首位に/WRCデイ1

 9月27日(金)、2024年WRC世界ラリー選手権の第11戦『ラリー・チリ・ビオビオ』のデイ1はスペシャルステージ1から6の走行が行われ、ヒョンデ・シェル・モービスWRTのオット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヒョンデi20 Nラリー1)が総合首位に立っている。

 2024年WRCは、残る大会も3ラウンドとなった。迎えた今季最後のグラベル(未舗装)の舞台は、春の訪れを待つ南米チリだ。

エバンスがWRCチリの新ラリーリーダーに。競技長が中断されたSS1の想定タイムを再発行し僅差を逆転

 ステージの特徴は、流れるようなハイスピードセクションこそフィンランドに近いが、ミドルコーナーも点在しておりテクニカルだ。さらに昨年大会では、タイヤへの高い攻撃性も無視できないレベルにあったことも見逃せないポイントになるだろう。

■トヨタのエースがオーバースピード

 前日にシェイクダウンとセレモニアルスタートを終えた一行は、ビオビオ州・州都である『コンセプション』のサービスパークを起点に、現地時間8時35分から最初のステージに臨んだ。

 この日1本目となるスペシャルステージ(SS)1は、19.72kmの『プルペリア1』。見通しのいい草原を全開で抜け、中盤から林道に突入する構成で、気温9度の晴れ空のもと、選手権首位のティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)からコースインを開始した。

 しかし、ヌービルに続いて僚友のオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)、トヨタの主将セバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)らが順にタイムアップしつつ走行を終えていくなか、セッションは突如キャンセルが告知される。

 コースではエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)、アドリアン・フルモー(フォード・プーマ・ラリー1)が奏功していたが、コース前半で赤旗が振られ、2台はスローペースでステージクリア。原因は観客の安全確保であった様子だ。

 他の選手らも低速で通過しており、タイヤライフの点では少し助かった面もあるかもしれない。結果として各クルーには、第一走者のヌービルと同着となるノーショナル(想定)タイムが与えられている。

 続くSS2は13.34kmの『レレ1』。この日最短のステージだが路面がかまぼこ状で、コンパクトなコーナーや大きな起伏も多いために正確なドライビングが求められる区間となる。

 こちらはスムーズに走行が行われ、エバンスがトップタイムをマークし、2番手にカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が続く結果となった。総合首位でもオジエを先頭に、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)がトップ3を形成する。

 ほど近いエリアが舞台となるSS3『サン・ローゼンド1』(23.32km)は、この日最長のステージだ。ここもかなりスピードが乗る区域だが、ステージ序盤でラリーリーダーのオジエが勢い余ってアウト側に左リヤをヒットするアクシデントが発生した。


 このアクシデントでオジエとヴァンサン・ランデ(コドライバー)はタイヤ交換を強いられ、早くも約2分のタイムロスとなってしまう。さらに、期待の若手マルティン・セスク(フォード・プーマ・ラリー1)も「大きめの砂利に足を取られた」かたちでバンクにヒット。こちらは左リヤを含む2輪をパンクしてしまい、スペアタイヤが足りず左リヤはリム落ちした状態でフィニッシュラインを切り、セスク組はデイリタイアとなってしまった。


 午前最後のSS3ではロバンペラがステージウインをあげ、総合首位のエバンスに2.2秒差まで迫ってくる。3番手にはこちらも注目の若手サミ・パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー1)がつけ、僅差にグレゴワール・ミュンスター(フォード・プーマ・ラリー1)が続く開幕となった。

■本性現すスピードアップの午後。オジエは挽回を期す力走

 迎えた午後のループステージは、気温は14度まで上昇したもののまだまだ涼しいコンディション。各クルーはソフトタイヤを5~6本選択し、エサペッカ・ラッピ(ヒョンデi20 Nラリー1)のみが、この週末で8本まで使用可能なハードを2本投入した。

 午前中はキャンセルとなっていた区間の再走となる『プルペリア2』は、ふたたびオジエがステージベストをマーク。2番手には、こちらもペースアップのタナクが続き、総合順位でも2番手に浮上してきた。

 一方、ハードとソフトのクロスオーバーで臨んだラッピだが、ソフトを履いた右リヤにトレッド剥離のトラブルが発生。さらに、ロバンペラはスピンを喫して首位から15.8秒遅れとなるなど、フィンランド出身のふたりは苦しい午後のスタートとなってしまう。

 続くSS5『レレ2』では、アドリアン・フルモー(フォード・プーマ・ラリー1)にロードセクションでの整備が長引いたことからタイムコントロールに6分遅着。1分のタイムペナルティが課せられてしまった。整備内容はオルタネータートラブルへの対処のようだ。

 そして、ここでも最速となったのはオジエ。僅差でフルモー、タナクが続いて3メーカー三つ巴の状況となり、総合順位ではタナクがエバンスを抜いて暫定首位に躍り出る。

 この日を締めくくる『サン・ローゼンド2』は、こちらもリズムに乗り始めたフルモーがステージウイン。以降はオジエをはじめとするトヨタ4台が続いてフィニッシュした。

 112.76kmで争われたデイ1は、2019年にトヨタで、2023年にフォードでチリ大会を制しているタナクが暫定首位、0.4秒の僅差でエバンス、さらに6.7秒差でロバンペラがつけるトップ3となった。さらに若手パヤリが4番手に続き、今大会好調のグレゴワール・ミュンスター(フォード・プーマ・ラリー1)もトップ5に名を連ねている。

 WRC2クラスは、序盤はニコライ・グリアジン(シトロエンC3ラリー2)とガス・グリーンスミス(シュコダ・ファビアRSラリー2)がともに2度のステージウインをあげる攻防を披露。午後にはヨアン・ロッセル(シトロエンC3ラリー2)がペースアップ、さらに最長ステージではオリバー・ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2)も抜群のタイムを刻むなど4台が激戦を繰り広げた。デイ1のクラス首位にはグリアジンが立っており、ソルベルグ、ロッセル、グリーンスミスの順で追いかける展開だ。

 暫定ポイントが決まるデイ2は、SS7からSS12までの全7本を予定。ステージの総走行距離は139.38km、リエゾン(公道区間)も含めた総距離は427.82kmだ。

●追記
 デイ1終了後、観客保護のために中止となっていたSS1時のノーショナル(想定)タイムが更新され、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が僅差を逆転し、新たにラリーリーダーとなっている。

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