■リスクをおかしても「公道をテスト走行すること」が重要だった
ボディ全体にシマ模様のついたクルマを見かけることがあります。多くは発表前の新型車だといいます。
これらの「擬装車」は、街中や高速道路などで一体何をしているのでしょうか。
【画像】うっ…! これも「覆面車」! 意外な「覆面パトカー」を写真で見る(72枚)
近年、スクープ記事などでも見かけることがある擬装車のカモフラージュ柄は、車体の立体形状が判別しにくいよう工夫された模様にデザインされています。
こうした擬装車が街中や郊外路、高速道路などで走行しているのはもちろん、テスト走行のため。
ただ自動車メーカーはそれぞれ、フェンスで囲まれた広大な敷地のテストコースを持っていて、そこでは日々、発売前の新型車を念入りにテスト走行しています。
わざわざ、デザインやサイズ感などが外部に知られてしまうリスクもある公道を走らせることのメリットは、あまりないように思います。
そこで匿名を条件に、某自動車メーカーの開発者が擬装車の秘密について教えてくれました。
擬装車が街中でテスト走行する目的のひとつは「開発担当者たちの最終確認のため」だといいます。
各メーカーのテストコースには、世界の特徴的な路面が縮尺再現されています。
例えば欧州の石畳路面から、東京都心の首都高速などでみられるスパンの短い橋脚のつなぎ目段差に至るまで、パターンはさまざまです。
当然、そこでの走行評価は念入りに行われていますが、テストコースでセッティングをした足回りやパワートレインなどの出来映えは、最終的に公道で走らせ、狙い通りにできているかを確認しているのだそう。
特に世界中の市場で販売するクルマの場合は、販売国ごとに足周りのセッティングを変えており、それぞれの国の道路事情に合わせた仕様で、必要に応じて最終確認をしているとのこと。
灼熱の地から極寒の積雪路、都市部の渋滞路に至るまで、最終確認の場はさまざまだといいます。
これらは海外のメーカーも同様で、例えばドイツ車に代表される欧州メーカーも、発売前のモデルを日本へ持ち込んで、最終チェックを行っている姿がたびたび確認されています。
ドイツも日本も道路状況は同様にきれいに整備されていますが、日常的な速度域が大きく異なります。
日本仕様にチューニングしている、というよりも、ドイツで決めた足回りのセッティングが、日本の道でも通用するのかなどを確認しているようです。
■近年採用が広がる先進運転機能も公道での確認が欠かせない
そしてもうひとつ、前出の開発者によれば、周囲に車両が多く走る環境下でしかできない実験のためにも、公道を走行する必要があるそう。
近年はADAS(先進運転支援機能)もより多機能になっています。
例え同じシステムを搭載していても、車種が異なればセンサーやカメラの位置も当然変わることから、動作条件も異なってきます。
例えば「ACC(アダプティブクルーズコントロール)」や「LTA(レーントレーシングアシスト/アクティブレーンキープ)」などが、道路の線が消えかけたところでも線を認識し、狙い通りに動作するのかどうか。
クルマの直前・直後の危険をとらえる「BSM(ブラインドスポットモニター)」などが実際に正しく警告を発するのか。
道路沿いの草木が標識を隠していても「RSA(ロードサインアシスト:道路標識認識アシスト機能)」が最高速度の標識を認識できるのか、あるいは見逃すのか。
そして橋の下や明かりが少ない場所でも各種センサーが正確に反応し、「危険」を検知できるのか。
このように、公道での確認事項は非常に多岐にわたると開発者は話します。
わざわざ擬装までして、テストコースよりも厳しい環境の公道を走行し、スクープされるリスクを抱えてでも、問題が生じないことを確かめているという訳です。
※ ※ ※
擬装されたクルマがすぐ横を走っていると、ついつい写真を撮りたくなりますが、自ら運転をしているときは非常に危険ですので、絶対にやめましょう。
多くの場合、公道テストを実施しているのは、あと少しで新型車がデビューするという時期。自動車メーカーのエンジニアたちが、最後の総仕上げをしている段階です。
クルマ好きとしてはテストの妨げなどせず、そっと見守っていきたいものです。
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みんなのコメント
堂々と走ってるけどな。