2年ぶりに開幕戦の地としてシリーズ復帰を果たした2021年スーパーGT開幕戦、岡山国際サーキットでのGT500クラス公式予選は、地元オープニングラウンドで“岡山マイスター”ぶりを発揮しQ1突破を果たした平川亮と、代役参戦ながら見事なアタックで最速を刻んだ阪口晴南の37号車KeePer TOM’S GR Supraがポールポジションを獲得。最終戦の最終コーナー立ち上がりで敗れた2020年ランキング2位の雪辱を期すべく、まずは幸先良く最前列を確保した。
3月から全国的に雨がらみの週末が続いた天候も一転。早朝の気温だけは一桁台と例年どおり肌寒いコンディションになったものの、4月10~11日の岡山はスーパーGT凱旋を祝うかのような晴天の空模様となった。
依然として日常生活に制限を強いる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により動員数自体は大きく制限された状態ながら、スタンドで見守るファンの前で午前9時45分から始まった2021年最初の公式練習では、8号車ARTA NSX-GT以下、16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT、1号車STANLEY NSX-GTとホンダ勢がトップ3を独占。現状、この岡山のみ適用となる特別BoP(燃料流量ダウンによる速度抑制措置)の影響を感じさせないバランスを披露した。
一方、2020年デビュー時には車体前傾角を付けたレイクアングル採用や、最高速の伸びで富士スピードウェイを席巻したトヨタのGR Supra勢は、装いも新たにTGR TEAM ENEOS ROOKIEとしてエントリーする14号車ENEOS X PRIME GR Supraが4番手、37号車KeePerが5番手に。その背後6番手の23号車MOTUL AUTECH GT-Rも首位からコンマ6秒差程度と、FR規定のイコールコンディション初年度だった昨年度よりもさらに熾烈なコンペティションとなることが予想された。
■Q1 練習走行で好調だった8号車ARTA NSX-GTがまさかの敗退
正午を回っても日差しが降り注ぐトラック上は、14時ちょうどのGT300クラス予選Q1A組開始時点で路面温度が32℃にまで上昇。気温は15℃ながら、ときおり吹く風が冷たい絶好のアタック日和となった。
14時33分のセッション開始でまずはダンロップタイヤ装着のNSX-GT、16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTの大湯都史樹と、64号車Modulo NSX-GT大津弘樹の若いふたりがコースへと飛び出していく。
対照的にGR Supra勢を挟んで隊列後方からコースインしたニッサン陣営は、ミシュランタイヤ装着の23号車MOTULと3号車CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rだけでなく、ブリヂストンを履く12号車カルソニック IMPUL GT-Rのルーキー、松下信治もゆっくりとした速度でピットロードを後にする。
各車コース上でクリアな場所を探りながらウォームアップを進めると、計測4周目で8号車ARTA野尻智紀がまずは1分19秒フラットでコントロールラインを通過。さらにその直後に36号車au TOM’S GR Supra、38号車ZENT CERUMO GR Supraが1分18秒を切ろうかというタイムで首位を奪っていく。
続く5周目には37号車KeePer平川が意地を見せ、ただひとり1分17秒台に飛び込む1分17秒966のタイムで、セッション終了を前にタイミングモニター最上位に躍り出る。
その後ろ姿を見ながらアタックに入っていた2019年チャンピオン、14号車ENEOS X PRIMEの山下健太も続いてコントロールラインを通過するも、1分18秒091とわずかに届かず。3番手の38号車ZENT石浦宏明、4番手36号車au TOM’S関口雄飛まで上位4台がTOYOTA GR Supraという午前とはまるで異なる上位オーダーに。
5番手に続いた16号車Red Bull、6番手の64号車Moduloと2台のNSX-GTを挟んで、19号車WedsSport ADVAN GR Supraが2台となった今季のGT500クラスのヨコハマタイヤ装着車のなかで7番手、そしてチェッカーラップで17号車Astemo NSX-GTを蹴落としたヘイキ・コバライネンの39号車DENSO KOBELCO SARD GR SupraまでがQ2へと進出。
その一方で、午前首位タイムを刻んでいたARTA野尻はトラブル発生か、最初のアタックラップを更新することなくセッション途中でピットへとマシンを戻し、同じくQ2進出を期したGT-R勢は10番手の3号車CRAFTSPORTSの千代勝正を最上位に、全車Q1敗退の厳しい結果となっている。
■Q2 代役参戦の阪口晴南が平川亮を上回る速さを見せる
GT300のQ2を挟んで西日の差し始めた15時11分。ピットレーンオープンとなったQ2は、16号車Red Bull MOTUL MUGENの笹原右京と19号車WedsSport宮田莉朋からコースイン。さらに渡航制限で入国のかなわなかったサッシャ・フェネストラズに代わり、37号車KeePerのステアリングを握る阪口晴南、そして昨季同様ポールポジション奪取を狙う64号車Moduloの伊沢拓也と続いていく。
すると先行組だった19号車宮田がホームストレートを通過することなくピットへと向かい、そのままガレージ内に押し戻されマシンを降りてしまう。
そんな波乱を横目に、セッション残り3分を切った段階で各車アタックラップへ入ると、歴代最多ポールポジション獲得記録更新を目指す38号車ZENT CERUMOの立川祐路がハイペースな熱入れで計測周回へと向かい、4周目の最終コーナーでわずかにワイドになりながら1分18秒814を記録して首位に立つ。
続く周回で各車が立川のターゲットタイムに挑む構図となり、まずは64号車伊沢がラストアタックで通過するも、残念ながら1分19秒台で更新ならず。しかし『立川の敵は陣営内にアリ』と言わんばかりに37号車KeePer阪口がセクターベストを刻みながら戻ってくると、1分17秒701を記録しエース平川のQ1タイムをコンマ2秒上回る快心のアタックを披露する。
続く36号車auの坪井翔、14号車ENEOS X PRIMEの大嶋和也も2番手を奪い合う好タイムながら、わずかに坂口には及ばず。
「昨年に続いて助っ人にオイシイところを持っていかれて寂しい気分もある(笑)」と、代役の仕事を称えた平川が話せば、「直前まで平川選手がアドバイスをしてくれたおかげ」と先輩を讃える阪口。KeePer TOM’S GR Supraが、2021年シーズン最初の予選で見事にポールシッターの座を射止め、阪口にとってはGT500クラスの初ポール獲得となった。
さらにフロントロウの14号車ENEOS X PRIME GR Supra以下、36号車au、39号車DENSO KOBELCO SARD、そして38号車ZENT CERUMOまで上位5台のグリッドをGR Supraが占拠した公式予選。ホンダ、ニッサン勢の巻き返しはあるのか、明けた11日午後13時30分から2021年最初の決勝、82周300kmの勝負が幕を明ける。
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