衝撃デビューのコラピント、来季RBに”レンタル移籍”の可能性を否定「きっと僕は他のレースに出る……でも、絶対F1に戻ってくるよ」

　ウイリアムズから急遽F1デビューを果たして以来、目を見張る活躍を見せているフランコ・コラピントには、来季RBに加入するという噂も挙がっている。しかしコラピント本人はこれを否定。来季はリザーブドライバーになる可能性が高いと語った。

　コラピントは、成績不振により更迭されたローガン・サージェントの後任として、今季のイタリアGPで急遽デビューを果たした。

　それまではFIA F2に参戦していたコラピントは、1勝こそ挙げていたものの目立った存在ではなかった。F1参戦にあたっては、必要とされるスーパーライセンス発給条件もギリギリ満たすといった程度であり、お世辞にも注目度が高かったとは言えない。

　しかしいざF1デビューしてみると、目覚ましい活躍を披露。2戦目となるアゼルバイジャンGPでは8位に入りF1初ポイントを手にすると、アメリカGPでも10位入賞。チームメイトのアレクサンダー・アルボンをも脅かす存在となった。

　ただウイリアムズの来季のシートは、アルボンと現フェラーリのカルロス・サインツJr.で決定済み。コラピントがどんなに活躍しても、同チームにレギュラードライバーとして残留する可能性はゼロだ。しかしその活躍により、ザウバーやレッドブルが獲得を検討しているという噂もある。ウイリアムズのジェームス・ボウルズ代表も、コラピントをレンタル移籍させる可能性は十分にあると明言している。

　しかしコラピント本人はこれを否定。来季のグリッドに並ぶ可能性はないだろうと考えていることを明かした。

「いや……今のところ、彼らが何を言っているのかよく分からない。どこから出てきた話なのか、分からないんだ」

　コラピントはF1 TVのインタビューでそう語っている。

「来季、僕のシートはない。現時点では、F1でレースをすることはないだろう。おそらく、どこか別の場所でレースをすることになると思う」

「だからたぶん、1年間留守にすることになるだろう。26年か、あるいは27年か……戻ってきて、シート獲得に十分値するということを証明したい。それが僕の目標だ。そしてそれが、毎レースできる限りのことをしているという理由でもある」

「だから今回の予選結果にはガッカリした。ここにいる価値があるということを示すために、毎セッションベストを尽くそうとしているんだ」

　なおコラピント獲得については、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーのヘルムート・マルコ博士も否定している。レッドブルには独自のジュニアプログラムがあり、アイザック・ハジャーや岩佐歩夢など、スーパーライセンス発給条件を満たしたジュニアドライバーも複数いるからだ。

「彼の問題は、ウイリアムズと長期契約を結んでいるということだ」

　マルコ博士はオーストリアの媒体に対するインタビューでそう語った。

「（レンタルで彼を獲得することは）どのチームにとっても興味深いことではない。他のチームのために、ドライバーを育成したいとは思わないだろう」

　RBへのレンタル移籍について尋ねられたボウルズ代表は、次のように語っている。

「現時点では、これら全てのことについて、まず基本から始めようと考えている」

「彼がグリッド上で居場所を獲得した。我々がサポートしたいのは、彼の居場所を見つけるということなんだ」

「それがどういうものなのか、現時点ではお伝えできない。なぜならこれは非常にデリケートな問題であり、現時点では話せることがあまりないからだ」