フォーミュラEの第5戦、第6戦がスペイン・バレンシアで4月24日、25日に行なわれるのに先立ち、シーズン7後半のスケジュールが発表された。
第7戦 5/8モナコ F1とほぼ同じコース
第8戦 6/19プエブラ メキシコ サーキット
第9戦 6/20プエブラ
第10戦 7/10ニューヨーク
第11戦 7/11ニューヨーク
第12戦 7/24ロンドン
第13戦 7/25ロンドン
第14戦 8/14ベルリン
第15戦 8/15ベルリン
第5戦予選
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さてフォーミュラEは市街地での開催が基本だが、このバレンシアではパーマネントサーキットで開催。そうした影響からか、シーズンリーダーであるジャガー・レーシングは予選18位にミッチー・エヴァンス、21位にサム・バードという順位に低迷。
一方、今季好調のメルセデスEQチームはスーパーポールをストフェル・ヴァンドーンが今季2度目のポールを獲得した。またニック・デ・フリースも3位を獲得したが、前レースでのペナルティとして5グリッドダウンがあり、8位からのスタートとなった。
期待の日産ブエミは今季初のスーパーポールへ進出したものの、パワートレーンのアップデートが遅れたままで、5番手留まりだった。
ところが、決勝ではヴァンドーンにタイヤ規定違反があり、予選タイムが抹消され、最後尾スタートになるミスが起きていた。
第5戦決勝
そして天候は小雨のウエットコンディションとなったためセーフティカースタート。レースはいつもと同じ45分プラス1周だ。オープニングラップでは日産のブエミがロッテラー/ポルシェに追突され早々にリタイヤしてしまう。
決勝レースは、実質ポールポジションからのスタートとなった予選2位のダ・コスタ/DSテチータが終始引っ張る展開で、下位に沈んだシリーズ上位のドライバーが徐々に順位を上げていくという展開。中でもマヒンドラZFの2台は調子よく、シムスとリンが上位を走行。が、15分経過でSCが入りダ・コスタのリードは消えてしまう。
残り11分でレースは再開され、各車アタックモードの2回消化義務を果たしながらレースを展開するが、ウエットレースのためか、パワーアップするとタイヤが空転してしまうシーンが多く見られ、ウエットではパワーよりテクニックによる展開になるようだ。
その後も荒れたレースになり、残り6分で再びSCが介入し、残り2分でレースが再開。イエロー中の電力消費は搭載するバッテリーから均一にエネルギーが削られる処理を受けることになる。すると、トップのダ・コスタは残り3%のエネルギーしかなく、残り2ラップするのが厳しい状況に。2位を走るデ・フリースは6%残っており、ダ・コスタは逃げ切れるかの勝負になった。
ところがが、最終ラップは多くのマシンがダ・コスタと同様エネルギー切れを起こし、スロー走行に。結局デ・フリースが逆転し優勝。2位以下はチェッカーを受けたものの、エネルギーオーバーユーズのペナルティのマシンが多く、なんと9位までが完走で10番手以降はノーポイント、失格、除外、DNF扱いになるという大荒れの結果となった。
優勝はメルセデスEQのデ・フリース、2位ドラゴンペンスキーのニコ・ミュラー、3位になんとペナルティによる予選タイム抹消の最後尾スタートからのメルセデスEQストフェル・ヴァンドーンが入った。またエンヴィジョンヴァージンのニック・キャシディも4位に入り、こうして前代未聞のレースは幕を閉じたが、翌日は第6戦が行なわれるため、各チームは新たなエネルギーマネージメントの立て直しを迫られることになったのだ。
第6戦予選
迎えた翌日の第6戦予選は前日の雨の影響があり、路面はウエット。しかしながら天候は回復傾向にあり、予選出走順の遅いほうが有利というコンディションだった。その結果、スーパーポール進出は全員最後のグループ4で走ったドライバー6名で争うという珍事が起きた。
予選結果は6位がヴェンチューリのナト、5位NIO333のターベイ、4位NIO333ブロンクイスト、3位マヒンドラのリン、2位ポルシェのロッテラー、1位がBMWジェイク・デニスという結果に。そしてスーパーポールの出走も6位からスタートしていくが、路面がどんどんと乾き、スーパーポールの順位も予選と全く同じ結果になるという、路面条件で決まるスーパーポールとなった。
上位陣がすべて下位からのスタートとなり、リバースグリッド的な順位でスタートする。シリーズをリードするジャガーチームは、エヴァンスが16位、バードが21位、そして前日優勝のメルセデスのデフリースが20位、3位だったバンドーンが19位で、昨年チャンピオンのDSテチータはヴェルニューが7位、ダ・コスタ12番手からとなった。日産ブエミは9位、ローランド8位からのスタートだった。
第6戦決勝
決勝は完全なドライコンディションになり、久しぶりのスタンディングスタートで始まった。そしてレース展開はパーマネントサーキットということもあり、コース幅が広く静かなレーススタートになった。また前日、多くの車両がバッテリー残量がなくなったため、ストレートでは前の車両のスリップに入り、バッテリー消耗を防ぐ大人しい展開になった。
この展開はレース終盤までつづき、アタックモードを使うタイミングも同時に使うなど、フォーミュラEのいつもの激しい順位争いはまったくなく、ポールからスタートしたジェイク・デニスがポールtoウインという無風のレースで終了した。
やはり市街地で戦うことを前提に製造したマシンだけに、パーマネントサーキットのような場所だと滑らかに走行できてしまい、戦略的にはバッテリーを温存したチームが勝つという面白さに欠けるレースになってしまった。
第6戦の結果は優勝がBMW新人のデニス、2位ロッテラー/ポルシェ、3位アレックス・リン/マヒンドラで、ランキング上位ドライバーは全員ノーポイントという珍事でもあった。
シリーズランキング
1位ニック・デ・フリース/メルセデスEQ 57点
2位ストフェル・ヴァンドーン/メルセデスEQ 48点
3位サム・バード/ジャガー 43点
3位ロビン・フラインス/エンヴィジョンヴァージン 43点
5位ミッチ・エヴァンス/ジャガー 39点
5位レネ・ラスト/アウディスポーツ・アプトシェフラー 39点
チームランキング
1位メルセデスEQ 105点
2位ジャガー 82点
3位エンヴィジョンヴァージン 58点
4位DSテチータ 57点
5位アウディスポーツアプトシェフラー 52点
11位日産
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