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M.マルケスに起こったカオス…壊れたタイヤのバルブとフロントデバイスなしのスタート/第11戦オーストリアGP

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M.マルケスに起こったカオス…壊れたタイヤのバルブとフロントデバイスなしのスタート/第11戦オーストリアGP

 2024年MotoGP第11戦オーストリアGP決勝レースのスタート直後、フロントロウ3番グリッドからスタートしたマルク・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)が後退していった。そして、フランコ・モルビデリ(プリマ・プラマック・レーシング)と軽く接触し、ふたりは1コーナーでコースアウトを喫して、マルケスは13番手付近にまでポジションを落とす。マルケスに何があったのか?

 レース後の囲み取材でマルケスが説明したところによると、ことの発端はスタートの30分前にあった。実際のところ、国際中継でも、ピットに入るマルケスを追うカメラに、慌てた様子でタイヤとホイールを持ってピットから出ていくメカニックの様子が映っていた。

バニャイアが今季7勝目。M.マルケスはスタートで13番手に後退するも4位でゴールを果たす/第11戦オーストリアGP

「スタートの30分前にメカニックがタイヤの空気圧のチェックに行ったら、バルブが壊れていたんだ。それでご覧のとおり、別のホイールに交換するために、メカニックがミシュランに走って行った。もちろん素晴らしい仕事だったと思うけど、その間にタイヤの温度がかなり下がってしまった。その混乱がすべてを生んだんだ」

 スタート前のグリッド上でマルケスのフロントタイヤを交換する模様が、これも国際中継で映されている。マルケスはウォームアップラップで、温度が下がってしまったフロントタイヤを温めようとした。すると、今度は別のトラブルが起こった。グリッドに着く前にホールショットデバイスが解除されてしまったのだ。マルケスはスタート前にしきりに左ハンドル付近を操作し、フロントタイヤをのぞき込んでいるが、それらのリアクションはデバイスの作動に腐心していたからだった。

「最後にストレートでブレーキをかけてフロントのデバイス(ホールショットデバイス)をうまく作動させたんだけど、またブレーキをかけたら解除されてしまったんだ」

「フロントデバイスなしのスタートは難しかった。1コーナーではものすごく落ち着いていて、『いきすぎないようにブレーキを早めにかけよう』と考えていた。でも、左側に(フランコ・モルビデリとの)接触があって、(1コーナーで)ワイドになってしまった。13番手に後退したところから、少しずつ上がっていったんだ」

 不運が重なったとはいえ、マルケスは最終的に4位までポジションを回復した。18周目に4番手に浮上すると、以降のペースは優勝したフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)や2位のホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)、3位のエネア・バスティアニーニ(ドゥカティ・レノボ・チーム)などとそん色ないものだった。「表彰台を逃したということでしょうか?」と問われたマルケスは「そうだね」と答えた。とはいっても、オーストリアGPの週末はマルケスにとって、前向きな内容だった。

「モンメロ(カタルーニャGP)では、スプリントレースで2位(決勝レースでは3位)だったけど、僕たちにとっては最悪の週末のひとつだったんだ。今週末は、バイクのフィーリング、プラクティス、ウオームアップ、予選でのスピード……、最高の週末の一つだった。でも、昨日は(転倒により)0ポイントで、今日は4位だ。今週末はとても速さを楽しんだよ」

 2024年シーズンは第11戦を終え、残すところ、9戦となった。期待されるマルケスのドゥカティでの初優勝は、今季、見られるだろうか?

「今年は積み上げていく年。僕は自信を築こうとしているところなんだ。一歩一歩進もうとしている。確かにスタートはよかったけど、後退して、今、また進んでいるような感じ。シーズン後半は、積み重ねを続けていかなくちゃいけない。表彰台に立ったり、優勝したりできるようにね。今年は無理だったとしても、来年はそこに立っていると思う」

 マルケスの答えに焦りはないようだった。「来年は」ファクトリーチームに移籍する。ファクトリーバイクを走らせることができるのだ。焦る必要はない、来年は「そこ」に立っているだろうから、とマルケスは言う。しかし、マルケスの言葉を鵜呑みにするわけにはいかないだろう。何しろ彼は、とびきりのファイターである『マルク・マルケス』だからだ。

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みんなのコメント

3件
  • kva********
    デバイスばかりの最近のレースにげんなりです。
  • max********
    マルケスの場合、タイヤバルブ自体が小さなデバイスだからね。
    レース後半速い理由がタイヤバルブ。簡単に言うとスローパンクバルブ。
    今回、その調整に失敗しレース直前にその交換が必要になり
    タイヤサービスに持ち込んでの緊急交換が必要に。
    数戦前のように規定圧以上での周回数未達での降格避けたいからね。
    そのためサイティングラップがドタバタになり墓穴掘っただけだろう?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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