2024年のマカオGP FIAフォーミュラ・リージョナル・ワールドカップでは、ウーゴ・ウゴチュク(R-ace GP)が勝利を手にした。
今年からフォーミュラ・リージョナル(FR)車両にて開催された伝統のマカオGPワールドカップ。前日の予選レースでは、途中大雨に見舞われる難しいコンディションの中、マクラーレン育成ドライバーのウゴチュクがトップチェッカーを受け、決勝レースをポールポジションからスタートした。
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ウゴチュクの隣、フロントロウにはレッドブル育成のオリバー・ゲーテ(MPモータースポーツ)が並んだ。今年は日本からの参戦も多く、決勝グリッドでは他車の失格もあり中村仁(トムス)の12番手が最上位。マカオGPウィナーでもある佐藤琢磨の息子、佐藤凛太郎(TGMグランプリ)が16番手、リー海夏澄(ARTグランプリ)が19番手、小林利徠斗(トムス)が21番手、予選レースでクラッシュを喫した小川颯太(TGMグランプリ)は25番手からのスタートとなった。
この前に行なわれたFIA GTワールドカップはウエットレースとなったが、FRワールドカップは晴れ間も見える中でスタートの時刻を迎えた。舞台となるギア・サーキットは、所々にウエットパッチも残るものの、ほぼドライ。全27台がスリックタイヤを履いた。
セーフティカー先導で1周を走り、決勝レースは残り14周でスタート。ウゴチュクはスタートでゲーテやノエル・レオン(KCMG by Pinnacle Motorsport)以下にギャップを築いて首位をキープした。
ただオープニングラップのリスボアから多重クラッシュが発生。バトルの最中に曲がりきれなかったジェームス・ウォートン(ARTグランプリ)がアウト側にヒットし、道を塞ぐ形で止まったため、後続車両は玉突き状態……多くのドライバーが姿を消すこととなった。
このアクシデントにリーが巻き込まれた他、佐藤は後続車両からの追突によってマシンに深手を負い、走行を続行できなかった。一方で小林もリスボアで止まったマシンに追突したものの、走行を再開してピットに戻り、メカニックが左フロントサスペンションを修理。レース再開に間に合わせることができた。
セーフティカー先導で1周を走った後に、レースは残り12周目から再開されたが、クラッシュによって8人目の脱落者が現れたことで1周後にはまたもセーフティカー出動となった。
この時点でウゴチュクの首位は変わらず。ゲーテとレオンが2~3番手で続いた。日本人最上位は中村の10番手だった。
レースは8周目から再開となり、ここでもウゴチュクはポジションをキープ。リスタート直後はウゴチュクに1秒圏内で接近していた2番手ゲーテだったが、ファステストペースで飛ばずウゴチュクについていけず、3番手フレディ・スレーター(プレマ)の追撃を受けた。
しかしスレーターがゲーテに仕掛ける前に、残り5周というところで隊列の後方を走っていた小川がスタート/フィニッシュライン直後のリザーバー・ベンドでマシンを止めた。
これで3度目のセーフティカーラン。小川のマシンがクレーンで回収され、残り2周からレース再開となった。
セーフティカーが離れ、首位ウゴチュクがゆっくりと隊列を率い、加速のタイミングを伺う中で、中村は先行車に追突し、左フロントが大きく破損。あとわずかというところでDNFとなった。
中村が安全なところでマシンを止めることができたため、レースはそのままリスタート。ただ、アクシデントは最終ラップも続き、3位表彰台を狙ったスレーターは最終ラップのリスボアでレオンに仕掛けたものの、止まり切ることができず……アウト側のウォールに突き刺さった。
この前には最終セクターでもウォールの餌食となったドライバーが現れたことでコース各所にイエローフラッグが振られる中、終始盤石の走りを見せたウゴチュクがトップチェッカーを受けた。2位がゲーテ、3位はレオンだった。
27台のうち15台が完走。日本人としては小林が15位で唯一レースを走りきった。
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