東京モーターサイクルショーに展示する!
ロイヤルエンフィールドは、1901年に同ブランドが初めて製作した“モーターバイシクル”を忠実に再現したた「Project Origin(プロジェクト・オリジン)」を発表した。
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“ピュアモーターサイクリング”の原点
1891年に実業家ボブ・ウォーカーとアルバート・エディがレディッチ・ハントエンドのジョージ・タウンゼント社を購入し、1893年に社名をエンフィールド・マニュファクチャリング・カンパニー・リミテッドに変更。ボブ・ウォーカー・スミスがデザインした初の自転車は「ザ・エンフィールド」を名乗り、翌年には「ロイヤル・エンフィールド」の名称へと変更された。トレードマークの「メイド・ライク・ア・ガン」はこの時に導入されたもの。
1898年に原動機付きの四輪車をデザインし、社名は「ザ・エンフィールド・サイクル・カンパニー・リミテッド」になった。
英国に根差したこのメーカーが初めてモーターサイクルを製造したのは1901年。ボブ・ウォーカー・スミスとフランス人ジュール・ゴティエの設計による車両は、ステアリングヘッドにミネルバ製1.5馬力エンジンを搭載し、リヤホイールは革ベルトで駆動された。
その後、1930年までに225cc2ストロークモデルAから976ccのVツインモデルKまで展開し、1932年に「ブリット」が誕生。250、350、500ccを展開した。1939~1945年の第二次世界大戦中、ロイヤルエンフィールドは数多くの軍用バイク、自転車、発電機、対空火器予測システムなどを供給。これらを経て、1955年にインドのマドラス・モータースと提携し「エンフィールドインディア」を設立、翌年に工場の稼働を開始したのが、今日のロイヤルエンフィールドの始まりだ。
のちに英国のロイヤルエンフィールドは姿を消し、インドのアイシャーモータースの参加となったインド現地法人がロイヤルエンフィールドを存続。2017年には英国にテクノロジーセンターを設立するなどして、再びグローバルブランドとして輝きを放っている。
2024年3月21日に発表されたプロジェクト・オリジンは、同社が1901年に製作し、スタンレー自転車ショーに展示された初のプロトタイプモデルを忠実に再現したもの。この完成車両は2021年11月のEICMAで初公開されている。
―― 国内発表会にて。左から、アジア太平洋地域事業責任者のアヌージ・ドゥアさん、プロジェクト・オリジンの責任者ゴードン・メイさん、チーフコマーシャルオフィサーのヤドビンダー・シン・グレリアさん。
スロットルは存在せず、バルブリフトを操作して速度をコントロール
プロジェクト・オリジンは設計図もブループリントも存在しない中で作業に手が付けられ、1901年当時に撮影された数枚の写真と宣伝用の広告、図解入りニュース記事だけが手がかりだったという。
製作に携わったのは、英国とインドのボランティアチーム。フレームビルダーのハリスパフォーマンスやヴィンテージモーターサイクル専門家の協力も得ながら、ロイヤルエンフィールドの原型となったモーターサイクルが再び形づくられていった。
1.75馬力を発生する250ccの空冷単気筒エンジンは、前輪の上のステアリングヘッドにクランプされ、クロスした長い革ベルトを介して後輪を駆動。水平分割のクランクケースとすることでオイル漏れを防ぐという。
クラッチや変速機構は持たず、ペダルを漕いで発進&エンジン始動。吸気バルブは弱いスプリングで閉じ、シリンダー内が吸気行程になって真空になると開くという自動式だ。これに対し排気バルブは機械式で、ガソリンタンクの右側にあるハンドレバーでバルブリフターを操作することによって排気バルブを開き、シリンダー内に真空状態を作れなくすることで吸気を制限、ひいてはエンジン回転を制御するというプリミティブな機構になっている。
サドル下にあるレバーで動力と後輪を切り離したり接続したりするが、これはクラッチ機構とは異なるとのこと。走行状態になるとエンジンは常にフルスロットルになり、アイドリングと全開走行がイコール。この回転数を調整することも可能だというが、速度調整は前述のバルブリフター操作によって行う。
このマシンの速度コントロールを傍から見ると、スロットル全開と全閉を断続的に繰り返しているように見えるのが特徴的。ただし、そうはいっても1.75psなので、それで危険な速度域になってしまうようなことはなさそうだ。
このほか、前輪のバンドブレーキは左手側のレバーで操作、後輪ブレーキはバックペダルによって操作する。初代のオリジナルマシンには、サドルは革製のリセット・ラ・グランデ、26インチホイールにはクリッパー2×2インチタイヤが装着されていたようだ。
折り目正しい真鍮タンクや、ハリスパフォーマンスによって真鍮加工されたチューブラーフレーム、手作業で加工された真鍮製のレバーやスイッチ類も見所だ。エンジンは完全にゼロから構築され、CAD設計をベースに各コンポーネントを鋳造または機械加工によって製造した。
この完成車は取材陣の前でデモランをし、いかにもクラシックというサウンドを響かせてくれた。同車両は東京モーターサイクルショーにて一般公開される。
―― エンジンオイルを供給する手動ポンプ。
―― スロットルを持たないキャブレター。排気熱で温めることができる。
―― 左手側にフロントブレーキレバー。ホーンは完全手動タイプだ。
―― キャブレター全景。霧化してから燃焼室までの距離がとても長い。
―― 排気バルブリフターを操作するのは右手側のレバー。
―― 真鍮製のタンク内には別室でバッテリーなども収まる。
―― ゴードン・メイさんが颯爽と。
―― 前輪の真上にエンジン。
【動画】ロイヤルエンフィールド初号機(1901年)の復刻再現モデル「プロジェクト・オリジン」が走行!!
「TAICHI」とのコラボによるプロテクションウェア・コレクションを発表
ロイヤルエンフィールドは、TAICHIとの日本におけるコラボレーションも発表。ロイヤルエンフィールドにとって日本初の限定プレミアムコレクションを投入する。
製品は、オールシーズンパーカ、ウインターグローブ、シューズなど5アイテム。先行してオーバーサイズTシャツおよび古オーバーフーディが4月20日にリリースされ、残り3アイテムが10月発売の予定だ。
―― 製品名価格発売時期ROYAL ENFIELD x RS TAICHI OVER SIZE T-SHIRT (S,M,L,XL)4730円4月20日ROYAL ENFIELD x RS TAICHI PULLOVER HOODIE (S,M,L,XL)7810円4月20日ROYAL ENFIELD x RS TAICHI PULLOVER HOODIE (S,M,L,XL)4万1580円10月ROYAL ENFIELD x RS TAICHI ARMED WINTER GLOVES1万4080円10月ROYAL ENFIELD x RS TAICHI DRYMASTER-FIT HOOP SHOES2万6180円10月
―― ROYAL ENFIELD x RS TAICHI によるエクスクルーシブコレクション
―― ROYAL ENFIELD x RS TAICHI によるエクスクルーシブコレクション
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