■伝説の製法に最新の技術を融合させたヨシムラとは?
カワサキ『Z900RS』に装着されているのは、ヨシムラの手曲げ集合管ではありませんか。今年3月の東京モーターサイクルショーで初披露し、5月の「テイスト・オブ・ツクバ」でデモ走行。
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今夏発売を開始し、11月上旬に開かれたイタリア・ミラノショーでもヨシムラブースで注目を集めていました。70-80年代を知るバイクファンには、懐かしい姿です。
『Z900RS用 手曲ストレートサイクロン』は大きな反響と要望を受け、まずはサーキットユース向けのレーシングマフラーが商品化となっていて、車検対応の一般公道向けは現在開発中です。伝統の製法に最新技術を融合させ、唯一無二といっていい“ヨシムラエキゾーストサウンド”を奏でます。
「ヨシムラ」といえば、今でこそ当たり前になっている集合マフラー(集合管)を世界で初めてつくったことで、モーターファンの間ではよく知られています。時代は4気筒エンジンを積むオートバイが登場して間もない70年代の初め。
アメリカのバイクレースで勝つために、4本出しマフラーを軽量化の一環としてエキゾーストパイプの途中から1本に集合させて束ねたところ、エンジンの馬力が向上していることに創業者である”POP吉村”こと吉村秀雄氏が気付きます。エキゾーストパイプをつないで排気を互いに干渉させることで、排気の効率がより向上し、出力が上がることが後にわかったのです。
■単なる排気管が、エンジン出力向上のカギに!
かつて排気管は、その名のとおりエンジンの排出ガスを吐き出し消音するためのパイプでしかありませんでしたが、太さや長さ、集合方式、消音構造によって出力特性にも大きな影響を及ぼすことにヨシムラは着目していきます。
マフラーへ流れ込む排気ガスは、エキゾーストパイプ内では圧力波が音速のスピードで行き来する「排気脈動」が発生しているのです。燃焼室から出ていくのが「正圧波」、逆にエンジン側へ戻るのが「負圧波」と呼ばれます。
排気バルブが開くと、負圧波が燃焼済みガスをヘッドから吸い出してくれるので、負圧波が最適なタイミングで戻れば排気効率の向上が見込めるのです。これはエキパイの長さが関係してきます。
圧力の『変動=脈動』を巧みに使えば、排気ガスを燃焼室から効率よく引き出すことができ、つまり混合気の充填効率を高める効果をもたらします。
そして排気ガスそのものの移動が「排気慣性」です。集合マフラーの場合は、各気筒間のガスの流速差により、1つのエキパイから排出されるガスが、ほかのエキパイの残留ガスを吸い出します。ヨシムラサイクロンでは『#1-2-3-4』の爆発行程順に円周上で並べ、排気脈動効果、排気慣性効果、そして流速向上を狙ったのです。
昔は単なる排気管でしたが、ヨシムラがそうしたように70年代のレースシーンから管長やレイアウトがじっくり吟味され、吸排気効率を向上していきます。マフラー重量の軽減でも動力性能は上がりますし、マフラーが優れていればエンジンもパワーが上がり、70年代以降はマフラー交換がカスタムに欠かせないものとなっていくのでした。
■バイク乗りたちの憧れ、それがヨシムラ集合管
1972年にヨシムラの「集合管」は市販化され、レーシングシーンから誕生した「セパハン」(セパレートハンドル)「バックステップ」とともに、バイク乗りからは“三種の神器”と言われるほどの定番カスタムパーツとなります。手曲げのエキパイに、短いサイレンサーが組み合わされ黒く塗られた4in1集合マフラーには、赤い「ヨシムラ」のエンブレムが貼られ、バイクファンらはこぞってノーマルマフラーを外し、これに取り換えたのでした。
現代のリプレイスマフラーでは耐腐食性の高いステンレスが一般的で、さらに軽量で見た目にも美しいチタンも人気です。しかし『Z900RS用 手曲ストレートサイクロン』では、手曲げの曲線とネオレトロな雰囲気を持たせるため、当時同様に鉄をあえてエキパイと集合部で使用。熟練した職人が生み出す美しいラインと独特のボリューム感は、オールドファンも納得でしょう。
最新の技術と製法で高精度と高耐久性を実現し、ブラック塗装は約1200℃の耐熱性能を持つ特殊塗料によって施されました。ヨシムラサイクロンの重量は6.2kgしかなく、12kgあるノーマルマフラーと比較すると約48%の軽量化を実現。
高回転域を多用するサーキット用に開発されているので、とくにトップエンドの伸びが向上しています。もちろん開発中の公道向けでは、低中速トルクも分厚くしてくることでしょう。
ミラノショーで飾られたカワサキ『Z900RS』には、「X-TREAD(エックス・トレッド)」というシリーズ名で販売されるヨシムラブランドのバックステップも取り付けられています。4ポジション可変機構を採用し、さらにさまざまな機種用にラインナップが増えていくとのことです。Z900RS用はその第1弾として開発されました。
■新型カタナにもヨシムラサイクロンがスタンバイ!
そして話題沸騰中の新型KATANAにも、ヨシムラサイクロンマフラーが備わっています。ヨシムラとカタナといえば、2000年のGSX1100S ファイナルエディションをベースに究極のカスタムを施した『ヨシムラカタナ1135R』を限定5台(358万)で販売したことを思い出さずにはいられません。
ヨシムラ本社(神奈川県愛甲郡愛川町)の玄関には、テイストオブ筑波の前身「テイストオブフリーランス」時代に走らせたカタナのレーサーが大切に飾られていて、カタナへの特別な想いが伝わってきます。新型もバリエーション豊かなラインナップとなることが今から期待でき、ワクワクせずにはいられません!!
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