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【124ps版でも不満はなし】フォード・プーマ STラインXへ試乗 マイルドHV

掲載 更新 1
【124ps版でも不満はなし】フォード・プーマ STラインXへ試乗 マイルドHV

低出力版の124psエンジンに試乗

text:Autocar(オートカー)

【画像】フォード・プーマ バリエーション 全62枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


フォード製コンパクトSUVとしては2番目のモデルとなる、プーマ。その仕上がりの良さは、多くの波風を起こしたといって良い。ちなみにフォード最初のコンパクトSUVはエコスポーツと呼ばれるクルマで、既に6年が経過している。

AUTOCARの姉妹サイトによれば、多くのユーザーからの注目も集めているようだし、サイトのカーオブザイヤーも受賞してしまった。冴えないエコスポーツとは、明確な違いがある。

素晴らしいスタイリングに、デザインの行き届いたインテリア。充分に良いスペックと、理想的なボディサイズ。コンパクトSUVクラスのトップへ割り込むのに、不足なさそうだ。

それではエンジンはどれが良いのだろう。フォード・プーマには、124psと155psの、2種類の3気筒エンジンが用意され、マイルドハイブリッドを搭載する。124psの方が750ポンド(10万円)ほど節約できるが、費用分の見返りはあるのだろうか。

そして英国市場には3種類のグレードが存在し、サスペンションとホイールの組み合わせが異なる。17インチホイールの通常のサスペンションを装備するチタニウム。17インチホイールにスポーツサスペンションが付くSTライン。そして、18インチホイールにスポーツサスペンションのSTラインX。

どの組み合わせが、ハンドリングと乗り心地を最も両立させるのか。既に155psのクルマには試乗済みだから、今回は124psのエンジンの、STラインXを選んでみた。試乗コースは、ロンドン周辺のかなりチャレンジングなルートを設定している。

スムーズで静かな3気筒ターボ

導入当初に設定されるファーストエディションには、運転支援システムとLEDヘッドライト、キーレスエントリーにパワーテールゲートなど、専用装備を追加。価格は2300ポンド(32万円)増しとなるが、内容としてはお買い得といえる。

試乗車にはグレーマターと呼ばれる750ポンド(10万円)の特別色が塗られ、価格は2万5945ポンド(371万円)。フィエスタをベースとするSUVにしては、流石に高く感じられてしまうだろう。

だが、これまでプーマが得てきた優れた評価は、このグレードであっても当てはまる。スタイリングは写真で見る以上にカッコいいし、インテリアは従来然としたデザインながら、仕立ての良いビジネススーツのように上品。

控えめなパワーの1.0L 3気筒エンジンは、スムーズに良く回る。低回転域から信じられないほど活発にプーマを引っ張る。スタート時には、15psと5.1kg-mをアシストするスターター・ジェネレーターが有効に機能しているのだろう。

一方で回転数を高めた時の、155psが備えるエネルギッシュさには欠ける。124ps版でも充分に良く走るとはいえるが、155ps版の持つ中高回転域での活発さは、STラインのスポーティな性格ともマッチすると思う。

どちらのエンジンも、滑らかさと静寂性は最も秀でた長所。クルマ全体の上質感にも結びついている。

英国の道なら17インチと標準サス

3気筒ターボは、高負荷時にはそれなりのサウンドを響かせるが、基本的には常時静かに回る。二酸化炭素の排出量を削減できるアイドリングストップ機能も付くが、交差点ではエンジンの始動停止にもほとんど気づかないレベル。

STラインのスポーツサスペンションと、18インチのホイールとの組み合わせは、すべての人へオススメできるとはいえない。コンパクトなフォード車らしい、引き締まった楽しい走りを味わえるものの、轍や凹凸を越えたことは明確に車内に伝わるし、時折ロードノイズも大きくなってしまう。

特にツギハギの多いロンドン周辺の道では、50km/h以上の速度域にならないと、乗り心地に落ち着きは感じられないだろう。17インチホイールを履くSTラインの方が、低速域での快適性はわずかに向上する。

柔らかい標準サスペンションのチタニウムの方が、多くの人にとって受け入れやすいのではないだろうか。上質さも引き立つ。

プーマはコンパクトSUVでは有力選手だ。コンパクト・ハッチバックに並ぶドライバーへの訴求力と性能を獲得するのに、フォードは思いのほか長い時間を必要としたけれど。同時に、ライバルの体制も変化した。

以前のルノー・キャプチャーはフランス車らしいオシャレなスタイリングを得ているが、走りは普通だった。初代の日産ジュークは斬新なデザインでファンを獲得したものの、運動性能では特に話題に登ることはなかった。

将来も有望なニューカマー

ところが、最新のルノー・キャプチャーも日産ジュークも、ずっと良好なドライビングを楽しめるように生まれ変わっている。まるでフォード・プーマの登場を待ち構えていたかのように。だが、プーマはコンパクトなフォード製モデルに期待する通りの、オンロード性能を準備してきた。

フォード・プーマのスキのないパッケージングは、既に高い評価を集めている。今回は124psのSTラインXに試乗したが、エンジンやグレードに関わらずどのプーマを選んでも、クラス最上位に相当する内容は得られると思う。

コンパクトSUVのベストを決めるためにも、AUTOCARでは比較試乗を考えている。しかし、プーマの優位性は今の段階でも充分も高い。

秀でた走行性能と、キャッチーなスタイリングを獲得しているフォード・プーマ。人気カテゴリーなだけに、スター級のニューカマーは、今後の戦いも有利に進めるように思えてならない。

フォード・プーマ STラインXのスペック

価格:2万5195ポンド(360万円)
全長:4207mm
全幅:1805mm
全高:1537mm
最高速度:191km/h
0-100km/h加速:9.8秒
燃費:17.2-18.2km/L
CO2排出量:99g/km
乾燥重量:1280kg
パワートレイン:直列3気筒999ccターボチャージャー+ISG
使用燃料:ガソリン
最高出力:124ps/6000rpm
最大トルク:21.3kg-m/1400-4500rpm
ギアボックス:6速マニュアル

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みんなのコメント

1件
  • 追い越し車線をぶっ飛ばすのでないなら124馬力で十分だよな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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