レベル4に準じた自律運転システムに対応
約半世紀に渡って成功を重ねてきた、メルセデス・ベンツのステーションワゴンが、そのバトンを繋ぐべく新世代への交代を果たした。1977年のW123型以来、ドイツ・シュツットガルトの高級ブランドにとって、欠かせない存在となっている。
Eクラスとしては6代目となるS214型は、歴代で最も大きなボディをまとう。また、過去にないほどふんだんなデジタル技術を搭載し、先進的でもある。
オプションを指定すれば、ダッシュボードのほぼ全面をモニターが覆う、スーパースクリーンも装備できる。この大画面なら、外出先でストリーミングによる映画鑑賞も存分に楽しめそうだ。
レベル4に準じた、自律運転システムにも対応する。法律が許す地域なら、ドライバーが運転席から離れても構わないということになる。立体駐車場の空いている区画を自動的に探し、駐車をクルマに任せることも可能だという。
一方、これまでの伝統に則り、フロントドア部分までのデザインはEクラスのサルーンと同一。ルーフレールは滑らかにボディへ統合され、電動で開閉する大きなテールゲートが備わる。
伸びやかなボディラインで、試乗車のように大きなアルミホイールを履いていると、極めてスタイリッシュ。アウディA6 アバントやBMW 5シリーズ・ツーリングと比較しても、スマートに見える。
メルセデス・ベンツだと夜間に主張したいのなら、フロントグリルにイルミネーションも追加できる。スポーティなAMGラインで仕立てることも可能だ。
V8エンジンのAMGも登場予定 220dは196ps
ボディが大きくなったといっても、違いは限定的。全長は4mmプラスの4949mm、全幅は28mm広がり1880mm、全高は1mm増えて1469mmとなる。ホイールベースは2961mmで、22mm長くなった。
特に変化した全幅に合わせて、左右のタイヤの間隔、トレッドも広がっている。フロントで30mm増しの1634mm、リアで38mm増しの1651mmある。
パワートレインは、基本的にサルーンのEクラスと同じ。マイルド・ハイブリッド化された、直列4気筒か6気筒の、ガソリンターボかディーゼルターボを選択できる。24.1kWhの駆動用バッテリーで最長178kmも走れる、プラグイン・ハイブリッドも用意される。
2024年には、パワフルなAMG仕様も登場予定。V8エンジンも設定されるという。今回試乗したのは、ステーションワゴンにぴったりなディーゼルターボのE 220dだ。
最高出力196ps、最大トルク44.7kg-mを発揮する4気筒エンジンは、先代の2.0Lユニットのアップデート版。マイルド・ハイブリッドで、9速ATと一体になったスターター・ジェネレーター(ISG)が23psと20.8kg-mを加勢する。
車重が1915kgあるステーションワゴンとしては、さほど際立つ数字ではない。それでも、ディーゼル・ターボエンジンは粘り強く、9速ATはギア比がワイドで、感心するほど瞬発力は鋭い。
メカニズムの精巧さは出色 MBUXは最新版
メルセデス・ベンツらしく、メカニズムの精巧さは出色。エンジンは温まると静かに回転し、フィーリングも滑らか。日常域ではテキパキとシフトアップが繰り返され、遠くからハミングが聞こえてくるに過ぎない。
アクセルレスポンスに優れ、低速域では扱いやすさが光る。速度域の高い幹線道路では高めのギア比が活用され、向上した空力特性も手助けし、スムーズに先を急げる。
E 220dは燃費も優秀。WLTP値では17.6-20.0km/Lがうたわれ、高止まりする軽油価格への出費を抑えられる。欧州大陸を横断するようなシーンでも頼もしい。
車内空間は先代より広げられ、快適性も増している。インフォテインメント・システムはアップル・カープレイとアンドロイド・オートへ標準で対応。拡張現実機能へ対応した、ヘッドアップ・ディスプレイもオプションで装備できる。
オペレーティング・システムのMBUXも最新版で、タッチモニターでの操作に加えて、音声操作の反応も進歩している。ドライバーの特性を学習し、好みに応じたナビルートや情報を提案してくれる、人工知能も実装するという。
内装へ用いられる素材は高品質。スイッチや小物入れの蓋など、動作する部分のタッチにも気が配られている。お高めの価格にも納得といえる。
ホイールベースが伸びたことで、リアシート側は前後で15mm、左右で25mm、空間が広がった。荷室容量はトノカバー下で615L。先代より25L小さいが、リアシートを折り畳めば、10L大きい1830Lの空間を作れる。
大きさを考えれば走りは機敏 高い総合力
全長約5mのステーションワゴンであることを考えれば、走りも機敏。ステアリングホイールには適度な重み付けが与えられ、レシオも妥当。特有の滑らかさと正確性を伴い、不安なく大きなボディを導ける。
Eクラス・ステーションワゴンの場合、リア・サスペンションはシングルチャンバーのエアスプリングが標準。重い荷物の運搬を想定し、セルフレベリング機能も付く。
フロントもエアスプリングになり、連続可変ダンピング・コントロール機能を追加できる、エアマティックはオプション。これを追加すれば、一層しなやかな乗り心地に浸れる。姿勢制御の精度も高まる。
最大牽引重量は、ブレーキなしのトレーラーで2100kgまで対応。これ以上の重量物を引っ張りたい場合は、四輪駆動の4マティックを選ぶといい。
クルマとしての能力の広汎さで、Eクラス・ステーションワゴンに並ぶモデルは非常に限られる。特に倹約的な220dは、ファミリーカーとしてだけでなく、タフさが求められるタクシーとしても欧州では活躍するはず。
ちなみに、僅かに車高が持ち上げられ、クロスオーバー風に仕立てたオールテレインも登場予定。Eクラス・ステーションワゴンの中で、最も高い完成度を得る可能性がある。
確かに、ドライビング体験での興奮が高いとはいえない。それでも、快適性や実用性、経済性など、それを上回る総合力が備わる。ただし、新型Eクラスのサルーンを基準に考えると、少々価格は上昇する見込み。英国での販売は、2023年後半から始まる。
メルセデス・ベンツE 220d ステーションワゴン(欧州仕様)のスペック
英国価格:5万5000ポンド(約995万円/予想)
全長:4949mm
全幅:1880mm
全高:1469mm
最高速度:230km/h
0-100km/h加速:7.9秒
燃費:17.6-20.0km/L
CO2排出量:131-149g/km
車両重量:1915kg
パワートレイン:直列4気筒1993ccターボチャージャー+ISG
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:12.4kWh
最高出力:196ps/3600rpm(システム総合)
最大トルク:44.7kg-m/1800-2800rpm(システム総合)
ギアボックス:9速オートマティック(後輪駆動)
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