F1第10戦イギリスGPを前に、FIA世界モータースポーツ評議会(WMSC)が開かれ、そこでレギュレーションの変更が承認された。
これにより、いくつかのルール微調整が即時有効となった。最も興味深い変更点のひとつが、リヤウイングの柔軟性テストに関するモノだ。
■F1メカ解説|実はこんなところにも! 奇抜なエンジンカバーで話題のレッドブルが忍ばせていたアップデート
各チームが今季導入された新しい技術規則に慣れ始め、ダウンフォースを維持しながら空気抵抗を減らすためのアップデートを着実に行なっている中、リヤウイングとビームウイングのたわみにスポットライトが当てられたのだ。
一見すると、リヤウイングの主翼のたわみに関する変更は、より緩和されたように見えるかもしれない。メインプレーン後縁のたわみが2mmまでとされていたのに対し、3mmまでに変更されたからだ。
しかしここで重要なのは、以前までは”垂直方向”に2mmとされていたのに対し、方向の指定が削除されたことだ。
これは、各チームが指定されていない方向へのたわみを増やすなど、非常に特殊な方法でテストに合格していた可能性があることを示唆している。
さらに、リヤウイングのスロットギャップのたわみテストは、技術指令によって監視されるのではなく、技術規則(3.15.15)に正式に盛り込まれた。
これは、2021年サンパウロGPでルイス・ハミルトン(メルセデス)が予選結果から除外された問題を受けたもので、W12のリヤウイングが、DRSを展開した際にふたつのエレメント(メインプレーンとフラップ)の間に許されるギャップ(85mmまで)を0.2mmオーバーしていることが判明したのである。
さらに、昨シーズンのアゼルバイジャンGP以降リヤウイングにつけられているコントラストマーカーもレギュレーション(3.15.16)に明記された。このマークは、FIAが後方の車載カメラで撮影した映像からウィングエレメントの挙動を監視するために使用される。FIAは負荷がかかった際のウイングの動的屈曲の評価を続けたいと考えているようだ。
また今シーズンから、2014年に姿を消したビームウイングが再導入されたことで、各チームは空気抵抗とダウンフォースのバランスを取るために頻繁に仕様変更を行なうようになった。
これまでは、『Y=±100およびY=±215の位置に60Nの荷重を加えたとき、荷重軸に沿って測定してたわみは5mm以下』とされていた。
新しく、より厳格となったテスト(技術規則3.15.12)では、ビームウイングの各エレメントの後縁に150Nの負荷をかけた時、たわみは3mmまでしか許容されなくなった。負荷をかける位置も変更され、前後位置も新たに定められている。
ほとんどのチームは、週末に使用するリヤウイングのダウンフォースレベルに合わせてビームウイングのデザインを調整する。しかしレッドブルはここ2戦、さらなる空気抵抗低減を目指して、上側のエレメントを取り除き、下側のウイングの角度も変更している。
アルピーヌは開発の一環として、レッドブルが先鞭をつけた、斬新なレイアウトのビームウイングを採用した2番目のチームとなった。
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