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「GSR」「SSS」「GT-FOUR」!長年愛される「伝統のグレード名」その意味と由来とは?

掲載 更新 32
「GSR」「SSS」「GT-FOUR」!長年愛される「伝統のグレード名」その意味と由来とは?

スポーツグレードの横文字にはきちんと理由がある

 車名に由来があるように、数字やアルファベットが組み合わされるグレード名にも意味がある。グレードは等級を表すための用語ではあるが、同じ横文字でもメーカーによって捉え方が違うのでひとくくりにできず、少々やっかいだったりする。今回はクルマ好きに親しまれている各メーカーのスポーツグレード名をクローズアップ。その意味を解説していこう!

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三菱編【GSR】

 三菱のスポーツグレードの筆頭といえば「GSR」。古くは1970年代の初代ギャランやFTO、スタリオンなど歴代スポーツモデルに採用されている。もっとも長く使われたのはランサーで、初代から国内最終のエボリューションXまで設定された。ちなみに2代目ランサーの車名にEXが追加されているが、これは初代を超越するという思いを込めたEXCEEDを意味している。

 さて、そんなGSRはどのような意味があるのだろうか? 答えはGran Sport Racing(車種によってはRally)。先進装備や豪華装備を兼ね備えた三菱のトップスポーツグレードという位置付けだ。

 そのほか、ランエボに設定されたグレード名を解説すると、モータースポーツベース車両である「RS」はRally Sport、7代目に追加された歴代唯一のトルコンAT仕様「GT-A」はその名を現したGrand Touring Automatic。そして、8代目から登場した「MR」はMitsubishi Racing(初代ギャランGTO MRのMRはMotorsport and Rallyという説もある)の略だ。モータースポーツで培った技術が投入された超高性能マシンの称号である。

スバル編【RS-RA】

 スバルからは、1989年に新世代セダン/ワゴンとして登場した初代レガシィの最強仕様であり、スバルテクニカインターナショナルことSTIが初めて手掛けたラリーコンペテションである「RStypeRA」をピックアップしよう。

 RSはRord Sportの略。RAは当時WRC(世界ラリー選手権)のグループAカテゴリーに参戦していたことから、Rally GroupAというのがもっともらしいが、これは不正解である。正しくはRecord Attempt(記録への挑戦)。これはレガシィがデビュー前にアメリカで行った10万km連続走行記録への挑戦がその由来だ。

 そのほか、RStypeRA以前に登場したモータースポーツ参戦ベース車両である「RStypeR」のRはRadical/Rally。3代目のレガシィに設定された「B4 RSK」のKはドイツ語でターボチャージャーを意味するKompressor(3代目のセダンはRSグレードに統一されたためRS=ターボではなくなったための処置)、同じく3代目の「B4 RStypeB」は足まわりに装着されたBilstein製ダンパーの略だ。ちなみにセダンに与えられた「B4」の称号は、BOXERエンジン+4WDを語源としている。

トヨタ編【GT-FOUR】

 トヨタもラリーマシンからチョイス。クルマ好きの誰もがその活躍に心熱くした記号といえば、やはりセリカの「GT-FOUR」だろう。4代目のST165、5代目のST185、6代目のST205と3世代にわたってWRCで活躍した。1993年に日本車として初となるドライバー/メーカーのWタイトルを獲得するなど、日本車のWRC黄金期を築いたマシンでもある。

 GT-FOURはGrand Touringに4WDを意味するFOURを組み合わせたと思いがちだが、じつはGrand Touring Fulltime On road Uniquely Responsiveを略した造語だ。日本語にすると「比類なきレスポンスを持つフルタイム4WDシステムを持つオンロードGTカー」といったところで、トヨタ開発陣の思いがグレードに込められているといっていいだろう。このグレードの意味を理解すると、FOURが大文字である理由がよくわかる。

 ちなみに1991年9月にWRCホモロゲーションモデルと登場した、5代目の「GT-FOUR RC」のRCはRally Competitionの略である。これは日本国内のみの名称で、海外名はカルロス・サインツ・リミテッドエディションだった。セリカGT-FOURの志はGRヤリスの4WDシステム「GR-FOUR」に受け継がれている。

日産編【SSS】

 日産のモータースポーツ活動は、サーキットを軸としたクローズドコースだけでなく、ラリーフィールドでも大活躍した。とくに1970年代のオイルショック以降から1980年代中盤までは土系イベントでの活躍が目立ち、「ラリーの日産」として世界に名を刻んでいた。

 その足がかりとなったのは、1970年のサファリラリー総合優勝で快挙を達成した3代目(510型)ブルーバード1600「SSS」。その勝利はブルーバードの高性能をアピールし、販売面のイメージアップにも繋がった。そのSSSはSuper Sport Sedanの略で、2代目410型から登場。ブルーバードのイメージをけん引するスポーツモデルとして、2001年の生産終了(10代目)までネーミングは継続された。

 ただし歴代で唯一、9代目(U13型)がSophisticated Sporty Sedan(洗練されたスポーティなセダン)と、ソフィスティケートな意味とされていたのはあまり知られていない事実である。また、ブルーバードのイメージが強いSSSだが、一時期バイオレットにもSSSグレードが存在していた。

マツダ【NR-A】

 マツダも日本初のフルタイム4WDスポーツマシンとして、国内外のラリーで一世風靡した6代目ファミリアGT-X(Xは未知数、未知の可能性を秘めたという意味)の紹介といきたいところだが……。シンプルすぎるので、より読解難易度の高いロードスターのモータースポーツ参戦車両である「NR-A」を取り上げる。

 残念ながらマツダでは正式には公表していないが、ある筋からの情報をまとめるとNはナンバー付き、Rはレースカー(Numberd Racecar)が語源とのこと。AはグループAやBのようなカテゴリー記号のようで、Aは一番底辺を意味しているらしい(BやCを設定する構想があったかは定かではない)。

 総合するとレースベース車両として、ナンバー付きのままレースにも参加できる入門マシンという名称だ。まさに名は体を表すグレードといえよう。また、6、7代目に設定されていたファミリアのラリー参戦ベース車両「GT-A」のAも、NR-A同様にカテゴリー記号であるそうだ(こちらはグループA)。

 ちなみに、ロードスターがグレード名に言葉の意味を持たせないのは、ロードスターは全車スポーツカーであり、特定のグレードをスポーツと呼ぶのはおかしいという考えからのようだ。

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みんなのコメント

32件
  • 一番安いグレードが”デラックス”だったりした。
  • 平成初期の日産キャラバン(3ナンバーの乗用車タイプにはGTクルーズというワンボックスワゴンには不似合いのグレードがあった。当時レンタカーや友人のハイエースに乗る機会があったがサスはふわふわでパワーもなく(まだ3000のディ―ゼルターボはなかった)ワンボックスなんてこんなものだと思っていた。その後必要に迫られてキャラバンのGTクルーズ2700ディ―ゼルターボを購入したがハイエースとは走りが別物。日産のメカニックにはサスが煮詰められていていい車と言われたことがよくわかるいいサスだった。V6の3000にも乗ったがサスに加えGTを名乗る意味がよくわかるハイパワーだった。
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