マクラーレン「GT」に小川フミオが試乗した。週末のドライブが心待ちになる理由とは?
吸いつくような疾走感
高性能GTが増えている。長い距離を旅しても疲れない高性能車が、“GT”。いま注目したいのは、スーパーカー・ブランドが手がけるGTだ。英マクラーレンの「GT」は代表的な1台だ。
2019年夏に発表されて、日本では2020年から路上を走り出したGT。同社は先刻みなさんご承知のように、サーキットも視野に入れたスーパースポーツカーで知られる。
今回のGTは、荷物がたくさん積めて、長距離をこなし、かつスタイリッシュと、マクラーレン・ブランドに期待するものをしっかりそなえているのが特徴だ。
GQウェブでもかつて東京都内での試乗記を掲載したことがある。そのときも、カーブでの走りはもちろん、直線路での乗り心地のよさに感銘を受けた。さらに今回は、より深く持ち味を知ってもらいたいというマクラーレンの日本法人からのオファーもあり、東京から三重・賢島(かしこじま)までのロングドライブで、このクルマを堪能した。
はっきりいって、すばらしくよく出来たモデルだ。東京から途中、第二東名を通って名古屋まで行き、そこから伊勢自動車道で伊勢へ。そこから伊勢神宮を横目で見ながら、真珠でも知られる英虞湾(あごわん)の方面へと休みなく走っても、疲労感がまったくなかった。
GTのよさは、620psとパワフルなエンジンをうまく手なずけ、暴れ馬でなく、ドライバーの従順なパートナーに仕立てていること。それに乗り心地のよさと、静粛性の高さだ。
ほかのマクラーレン車と同様、センターコンソールには「H」(ハンドリング)と「P」(パワートレイン)と書かれたドライブモードセレクターがふたつ備わり、ドライバーは好みの設定を選べる。
ドライブモードは、HとPともに「ノーマル」「スポーツ」それに「トラック」。Hはハンドリングつまりサスペンションダンピングを、Pはエンジンレスポンスを意味する。いっぽう、トラックはレース場を走るためのものだ。
私は終始、「H」はノーマル、「P」はスポーツ、という組合せで走った。これが好みだった。右足への反応のよいエンジンは刺激をもたらしてくれるいっぽう、第二東名の荒れていない路面では、不快な揺れはなく、吸いつくような疾走感を味わうことができた。
細身のリムのステアリングを切ると、「720S」などとは少しちがい、ウルトラとつけたくなるほど反応がクイックではない。ボディの反応速度の設定はあえて少しゆるい。そのぶん、ハイウェイでは楽ちんで、疲労の軽減につながっている。
でも、賢島かいわいの曲率が中ぐらいのワインディングロードは、やっぱり楽しい。しっかり、スポーツカーである。
ボディの中央部分に座るぐらいのドライビングポジションは、後輪の上に座るかんじが多いドイツのスポーツカーとちがい、ドライバー中心に車両が向きを変えていくダイレクトな感覚だ。
騒音規制の結果、背後にあるV型8気筒エンジンもやたら存在を主張せず、全高1.2mの地面にはいつくばったようなスポーツカーなのに、Bowers&Wilkinsの高品位オーディオシステムによるいい音楽を楽しみながら、いってみれば涼しい気持で走っていける。
高い実用性
GTは荷物の積載量が大きいのも自慢だ。フロントと、コクピット背後(エンジンの上)のものをあわせてトランク容量は570リッターもある。ちなみに、これまで使い勝手のよさでは1番だった「570GT」では370リッター。だいぶ差がある。
ゴルフバッグも1個なら積載可能というのも驚く。マクラーレンでゴルフなんて……と、以前は思いもしなかったが、スポーツカーの多様化が進んだいま、スポーツカーでどこにでも行きたい、なんでもしたいという、エンスージアストの気持に応えてくれたのだ。
フロント部分のトランクスペースも、ハンドキャリーが収まるぐらいの容量がある。賢島へのふたり旅だって、難なくこなしてしまう。
自然物からインスピレーションを得たという流麗な外観と、ナチュラルな操縦感覚と並び、インテリアの造型と質感は、もうひとつの大きな魅力だ。レザーとアルミニウムを活かしながら、”どうしたらこんなかたちが”と、思うほど、個性的である。
ガラスがはめこんである天井部分は、スイッチによって濃度が変えられる。ほとんど透明からスモークまで。720Sスパイダーで採用されたこの技術が、快適性も追求したGTによく合っていると思った。
カーボンファイバー製のバスタブ型シャシー(このモデルでは「モノセルII-T」)を使うボディ構造は、基本的にマクラーレン車共通。高い剛性を誇るレーシングカーのようなシャシーのため、通常のドアは採用できず、前ヒンジで上に跳ね上がるディヒドラルドアとなるのも、マクラーレン車共通だ。
マクラーレンでは従来、「スポーツ」(570GTや600LTなど)、「スーパー」(720Sなど)それに「アルティメット」(スピードテイルやセナなど)と、プロダクトを3つのカテゴリーに分けてきた。
しかるに、この「GT」というのは、4つめのカテゴリーとして新設された。スタイリングをみても、たしかに低いし、リアセクションのエアダムは巨大だし、あきらかにスポーツカーのルックスであるものの、従来とはちがうエレガンスも強く感じさせる。くわえて実用性も高い。
週末のドライブが心待ちになる。GTはすぐれたウィークエンドカーだ。価格は2645万円から。
スーパーGTのなかで競合をみていくと、アストンマーティン「DB11」(2363万円)、フェラーリ「ローマ」(2682万円)、BMW「M8」(2241万円)ポルシェ「911タルガ4S」(2060万円)、AMG「GTS」(2030万円)などがあがる。なんとも魅力的な世界ではないか。
文・小川フミオ
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