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少し気まぐれで大きな猫 オラ・ライトニングキャットに試乗 ツインモーターで408ps 

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少し気まぐれで大きな猫 オラ・ライトニングキャットに試乗 ツインモーターで408ps 

パサートよりひと回り大きいサルーン

AUTOCARでも先日試乗した、オラ・ファンキーキャットは欧州での販売がスタートした。まだ中国以外での認知度は低いものの、長城汽車会社が創設したバッテリーEV(BEV)専門ブランドは、モデルレンジの拡大に注力している。

【画像】中国発のEV オラ・ライトニングキャット BYD 競合クラスのサルーンと国産EVも 全124枚

面白いことに、オラはモデル名に「キャット」を必ず付けると決めたらしい。今回試乗した新型のサルーンは、ライトニングキャットを名乗っている。ちなみに、中国ではネクストキャットと呼ばれている。

全長は4871mm、全幅は1862mmあり、サイズはフォルクスワーゲン・パサートよりひと回り大きい。ゴルフと同程度の大きさのハッチバック、ファンキーキャットより中国では人気を集めているという。国内では、主に女性をターゲットとしている。

スタイリングは個性的で、混雑した市街地でも見分けられる雰囲気を放つ。丸いヘッドライトはミニのものに似ているし、滑らかなライン構成にはポルシェの影響も感じ取れる。だが、プロポーションは少々まとまりが悪いように思う。

ドアを開くと、目新しい世界が広がる。運転席へ座ると、モニター式のメーターパネルに猫のキャラクターが表示され、「ニャー」とひと鳴き。右に向かって歩き出し、ダッシュボード中央のインフォテインメント用モニターへ移動する演出で出迎えられる。

内装に用いられた素材は上質で、レザーも惜しみない。プラスティック製の部分はソフト加工されており、テキスタイルはマイクロファイバーでタッチが心地いい。製造品質も高いようだ。

プラットフォームは内燃エンジン用がベース

センターコンソールには、実際に押せるハードスイッチが並び、エアコンの調整やドライブモードの選択ができる。センターコンソールは宙に浮いたフローティングタイプで、その下にはスマートフォンのワイヤレス充電トレイとUSBポートが設えてある。

クルマのキーを車内に残したり、スマートフォンを充電したまま降りると、ライトニングキャットがドライバーに声を掛けてくれる。カップホルダーは1本だけだ。

フロントシートはスポーティーな形状で、リアシートより座面が低い。助手席側は高さ調整できないようだが、ヒーターとクーラー、マッサージ機能は内蔵されている。リアシート側の前後長は充分といえるが、ルーフが傾斜し、頭上空間には余裕がない。

フォルムはルーフからテールゲートまで滑らかに連続したファストバックだが、実際は荷室が独立したサルーン。金属製のトランクリッドの開口部は位置が高く、狭く、大きな荷物は少し積みにくい。容量自体は大きく、リアシートの背もたれも倒せる。

リアシート側のフロアがフラットではなく、BEVとしてはホイールベースが短め。ライトニングキャットは、長城汽車会社の傘下にある、別ブランドの内燃エンジン用プラットフォームをベースにしているのだろう。

408psを受け止めきれないシャシー

実際に運転してみると、見た目は滑らかでスポーティーなものの、シャシーの能力がそれに追いついていない。前後に駆動用モーターを1基づつ搭載し、システム総合で408psという動力性能を備えるが、受け止めきれないようだった。

高いスピードを保ったままコーナリングを試みると、フロントタイヤが暴れだし、グリップが失われる場面も。直線では息を呑むほど速いことは確かだが、カーブが見えたら丁寧な速度調整が必要となる。

大径なステアリングホイールは軽く回せ、フィードバックはほぼない。リムも細い。

それでもアグレッシブな走りへ挑みたいドライバー向けに、スーパースポーツ・ボタンがある。エンジンを模した人工ノイズが車内に響き、やや時代遅れのシャシー特性と相まって、古いビデオゲームを現実化したような気分を味わえる。

日常的に利用するであろうドライブモードには、エコ、ノーマル、スポーツの3種類が設けられている。特に明確な違いは生まれないものの、少なくともエコ・モードはエネルギーの使用量を抑えてくれるようではある。

ちなみに、カスタム・モードとゴッデス(女神)・モードもある。後者はステアリングホイールの操舵感が一層軽くなり、直線加速は優しく、回生ブレーキは穏やかになる。

回生ブレーキの強さは、独自に切り替えることが可能。アクセルオフで強力な制動力を得られるが、10km/hを下回った辺りで弱くなり、ブレーキペダルを踏まない限り完全に停止することはなかった。

一貫性に欠ける少々気まぐれな猫

オラ・ライトニングキャットは、英国への導入も計画されている。現地ではシングルモーター版も用意されており、穏やかに運転したい場合は、こちらの方がコストは抑えることができる。

インテリアは上質で、標準装備も充実している。スタイリッシュなサルーンだが、動的能力には改善の余地があることは確か。走りの一貫性に欠ける、少々気まぐれな猫といったところかもしれない。

オラ・ライトニングキャット(中国仕様)のスペック

中国価格:28万2500元(約539万円)
全長:4871mm
全幅:1862mm
全高:1500mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:4.3秒
航続距離:600km(CTLC値)
電費:6.4km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2115kg
パワートレイン:ツイン永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:83.0kWh
急速充電能力:−
最高出力:408ps
最大トルク:69.3kg-m
ギアボックス:シングルスピード・リダクション

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みんなのコメント

5件
  • 前ポルシェ、後ベントレー。
  • なんかいろんな要素が混じってる。
    名前だけはオリジナルなんだろうなってセンスの無さから感じた。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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