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アナログな513psのスーパーカー ノーブルM500へ試乗 スペースフレームに6速MT 後編

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アナログな513psのスーパーカー ノーブルM500へ試乗 スペースフレームに6速MT 後編

反応の良いV6エンジン 優れた乗り心地

ノーブルM500のステアリングコラム右側にあるシリンダーへキーを挿し、ゆっくり回すと、3.5L V6エンジンが目を覚ます。コンベンショナルでシンプルで、何ら不満はない。

【画像】シンプルでアナログ ノーブルM500 先代のM600 競合のミドシップ・モデルと比較 全122枚

アイドリング中でもエンジンは騒がしく、力強い雰囲気を漂わせる。低回転域からレスポンシブで、回転数の調整もしやすい。クラッチの接続も難しいところはない。

シフトレバーの重み付けは、軽すぎず重すぎず。ストロークは短く、感触はかなり良い。美しく仕上げられた金属製のゲートへ、吸い込まれるようにスライドする。プロトタイプだからか、角の仕上げ加工は充分ではなかった。

ノーブルの工場の敷地から、公道へM500を進める。ステアリングホイールは低い速度域でも充分に軽い。

走り出しからとても滑らか。アイバッハ社製のスプリングと、ビルシュタイン社製のダンパーというサスペンションの構成は、ノーブルM600と変わらない。乗り心地は素晴らしく、姿勢制御も見事だ。時代遅れなんて言葉は当てはまらない。

ステアリングラックは新しい。アウディA4由来のアイテムで、ロックトゥロックは2.6回転。M500が秘める見事な走りを、巧みに引き出してくれる。

レスポンスはマイルドで、伝わってくる感触も良い。カーブへ侵入し、負荷が高まるとともに重さも増していく。フロントタイヤの状況を手のひらへ伝えつつ、不必要なキックバックなどはない。

50km/h前後でアシスト量が大きく落ち込む様子だったが、ノーブル側もまだ調整が済んでいないことを認めていた。小さな問題だといえる。

ドライブトレインがドライバーの味方

レスターシャー州の南部にある、ブランティングソープ試験場を今回は目指す。近年はAUTOCARで利用することはなくなったが、かつて滑走路だったアスファルトを今でも自動車メーカーがテスト走行で走り回っている。

試乗しているプロトタイプのM500は、1600kmほどの公道試験を終えたばかり。ブランティングソープ試験場を走るのは、今回が初めてらしい。

クルマの状態を監視する、ノーブルの技術者と簡単に確認を済ませる。メインストレートで全開にして良いという。

最終的な車重より100kg以上は重く、M600よりパワーは落ちているものの、加速力は充分鋭い。V6ツインターボ・エンジンは、3500rpmを過ぎた辺りで明確にパワーを高める。7000rpmのリミッターまで豪快に吹け上がる。

シフトフィールも安定性も素晴らしい。直線の終わりが見え、ブレーキペダルへ足をかける直前には240km/hを超えていた。

ペダルレイアウトは完璧で、エンジンは意図した通りに操れる。ブレーキングしながら回転数を調整し、シフトダウンという一連の動作が自然に行える。ドライブトレインがドライバーの味方だと筆者が実感したのは、久しぶりだ。

コーナリングも自然な機敏さだと感じたが、リミテッドスリップ・デフの搭載でどう変化するのか興味深い。M600譲りのサスペンションは、落ち着いたコーナリングスタンスを実現させていた。ボディロール量は制御され、いい塩梅だった。

聞き飽きることのないサウンド

公道へ戻ると、日常的なスピードでも運転が楽しいという事実にうれしくなる。ステアリングホイールもシフトレバーも、常に操る充足感が伴う。

周囲の道路利用者の姿が消えたところで、アクセルペダルを踏み込めばシュゴーッと吸気音が鳴り、放せばヒュッとブスースト圧が抜ける。当面は聞き飽きることはないだろう。

M500の完成は近い。素晴らしいスーパーカーになる見込みは高い。世界の市場は、新しいノーブルを迎え入れる準備が整っているだろうか。

同社は、可能な限り身近な価格になるよう取り組んでいる。多くの台数が売れるほど、手頃な設定にすることができる。目標は15万ポンド(約2475万円)台だという。

これ以上高ければ、恐らく数は売れないだろう。それでも、ロータス・エミーラやシボレー・コルベットといった、より安価でメジャーなミドシップ・モデルは複数ある。ノーブルが設定する販売数の目標は、さほど多くないけれど。

獲得するであろう能力に疑いようはない。価格が決まるまで点数はつけられないとはいえ、筆者はM500が既に大好きになった。

ノーブルM500(英国仕様)のスペック

英国価格:15万ポンド(約2475万円)以上(予想)
全長:−
全幅:−
全高:−
最高速度:305km/h(予想)
0-100km/h加速:4.0秒(予想)
燃費:10.6km/L(予想)
CO2排出量:230g/km(予想)
乾燥重量:1300kg以下(予想)
パワートレイン:V型6気筒3496ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:513ps/5200rpm
最大トルク:75.9kg-m/4000rpm
ギアボックス:6速マニュアル

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みんなのコメント

2件
  • ミニマクラーレン的な感じかな。
  • フロントはフェラーリとランボルギーニとマクラーレンを足して割ったようなデザイン
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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