■大手GSの提携クレジットカードでガソリン代が割引に
新型コロナ禍の影響は徐々に解消されつつありますが、今度は数十年前の水準といわれる深刻な円安や、さらに世界的な物価の上昇でさまざまなものの値上げラッシュとなっています。
【画像】給油口の中身ってどうなってるの!? 意外な構造を見る!(13枚)
クルマに関しても新車価格だけでなく中古車価格が上がっているだけでなく、輸入に頼らざるを得ない燃料の価格も高騰。少しでもお得にクルマに乗る方法はあるのでしょうか。
燃料費も高騰する状況では、付帯するサービスがあるクレジットカードを持つことで、少しお得にクルマに乗ることができます。それは石油元売り会社(大手のガソリンスタンドチェーン)の提携クレジットカードです。
「ガソリンカード」などと呼ばれている石油元売り会社の提携クレジットカード(以下、ガソリンカード)ですが、カードによっては年会費が無料のものや、給油以外の買い物などでも利用料金として加算され、燃料の割引率に反映されるものもあります。
ガソリンカードの燃料費の割引については各社さまざま。クレジットカードの割引は大きく分けて「キャッシュバック型」と「ポイント還元型」があり、ガソリンカードに関しては各社「キャッシュバック型」となっていることが多いようです。
これは自社の囲い込み戦略の一環なのですが、系列ガソリンスタンドでの燃料費値引きに特化しており、同じガソリンスタンドで燃料を給油するほどにお得になる仕組みで、会員価格よりもさらに安い、1リッターあたり1円から10円前後も安くなることもあります(利用料金により割引率が変動)。
リッターあたりの割引額は微々たるものでも、年間に換算すればけっこうな割引額になるでしょう。
またガソリンカードが提携しているカード会社によっては、「ポイント還元」サービスが受けられることもあり、燃料費の割引とポイントが貯まることがメリットといえそうです。
そんなガソリンカードですが、ガソリンスタンドチェーンごとに提携カードがあり、年会費の有無、燃料代の割引率やポイント還元率などが異なります。
どのカードを作ればいいのか判断が難しい部分もありますが、もっとも多く利用しているガソリンスタンドの提携カードを作るのが手っ取り早いでしょう。
ガソリンカードは使うほどお得になるサービスなので、一番利用するガソリンスタンド系列のカードなら使う機会も多く、割引やポイント獲得などメリットも大きくなります。
もしくは、普段の買い物で貯めているポイントサービスを展開しているカード会社を選ぶと給油するたびにポイントも貯まり、そのポイントを別の買い物に上手に活用することもできるでしょう。
しかし、燃料費の割引率やポイント還元率よりも注目したいのが、それ以外の付帯サービスです。カードによっては「旅行保険」や「ロードサービス」などが活用できるものがあります。
「旅行保険」では、旅行でのトラブルで補償が生じた場合にカバーしてくれるサービスが付帯しています。購入した商品が移動中に破損してしまった場合や、スキミングなどの詐欺被害や盗難被害などがあった場合も条件が適合すれば損失をカバーしてくれます。
ただしゴールドカードでは海外・国内どちらでも手厚い補償内容になっていますが、標準的なクレジットカードだと海外のみ上限2000万円までといったような制約が設けられていることもあります。
また、この海外での保険には、クレジットカードを所持しているだけで適用できる「自動付帯」と、対象のクレジットカードで旅行代金などを支払うことでさらに手厚い補償となる「利用付帯」があるので、補償内容は事前に確認しておきましょう。
さらに、独自の「ロードサービス」が付帯されるクレジットカードでは、出先での故障やトラブルに対して、各カード会社が独自にレッカーサービスやバッテリー上がり、落輪、パンクやガス欠などに対応してくれます。
年間1000円程度で付帯できるオプションになっているので、必要な人は加入すると良いでしょう。
■クルマ以外の出費もあえてガソリンカードで支払うとお得?
実際にガソリンカードを利用しているユーザーに、利用状況やメリットなどを聞いてみました。都内在住のAさん(40代・男性)は、複数のクレジットカードを利用状況によって使い分けているそうです。
「ガソリンカードは、主に給油や保険料などクルマ関連の支払いに活用しています。
もちろん普段の買い物などでも利用できるので、給油回数が少ない月には割引率を考慮してあえて使うこともあります」
またAさんは、ガソリンカードには毎月の上限を設けて自動的にリボ払いにしているのだとか。そのメリットは何なのでしょうか。
「カードを使いすぎても毎月の支払い上限が設定できるので、月々の出費が予想できることからやりくりしやすいというメリットがあります。
ただ、間違ってリボ払いのカードで上限額を超える高額なものを購入してしまうと、何か月も支払いが続くので、余計な金利を払いたくない人にはメリットは感じにくいかもしれません」
まだ実際に利用したことはないとのことですが、Aさんはロードサービスにもオプション加入済み。いざというときの安心感を多少の出費でプラスしているといいます。
ガソリンカードを上手に使いこなしているTさん(40代・女性)は某大手通信会社とのW提携ガソリンカードを所有。
「一定の利用料金をクリアにすれば年会費も無料になるので、なるべく現金は使わずに、普段のお買い物でもガソリンカードで支払うようにしています」
クルマでの出費だけでなく携帯料金と支払いをまとめることで、燃料代の割引だけでなくポイントも貯まるようにしているそうです。
ガソリンカードに限らず悩ましいのが、年会費の安い標準クレジットカードが良いのか、それとも年会費は高めながら付帯サービスが充実したゴールドカードにすべきかということです。
ゴールドカードの場合、旅行保険などは国内もカバーされ、ポイント還元率も高めに設定されています。カード利用が年間数十万円を超える方には、ゴールドカードのメリットも多いようです。
ちなみにガソリンカードは一般カードの年会費が1500円前後に対し、ゴールドカードの場合は1万1000円からとなっています。
無駄な出費は抑えたいところですが、頻繁に燃料を給油する人は、ゴールドカードにしても良いかもしれません。
※ ※ ※
石油元売り会社の提携カードだけでなく、自動車メーカーも提携カードを発行していることもあります。
たとえばマツダの「M’Z PLUSカード」では車両のトラブル時に、距離に関係なく最寄りのマツダディーラーまで搬送してくれたり、トヨタの「TS CUBIC CARD」にはJAFのロードサービスを付帯していたりトヨタ系列のレンタカーも割引されるなど、違った面でクルマ関連のサービスを受けられるものもあります。
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