現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 北アフリカの新興企業、EVで世界を目指す 3年以内に高級SUV発売へ 欧州市場参入も

ここから本文です

北アフリカの新興企業、EVで世界を目指す 3年以内に高級SUV発売へ 欧州市場参入も

掲載 15
北アフリカの新興企業、EVで世界を目指す 3年以内に高級SUV発売へ 欧州市場参入も

シンプルかつ機能的なEV アフリカの誇りに

北アフリカに位置するモロッコの新興企業アトラスEモビリティ・グループは、2026年までに高級電動SUVを開発・発売する計画を発表した。

【画像】新興企業が自動車業界を変える?【スタートアップが開発・生産する市販車を写真で見る】 全67枚

同社の共同設立者兼CEOであるモハメド・イエヒア・エル・バッカリ氏はAUTOCARに対し、「モロッコのデザインとアイデンティティ」にインスパイアされた「シンプルかつ機能的」なEVになると語っている。

また、「実際に消費者が必要とし、求めている技術のみを使用する」とし、「不要なものはすべて切り捨てる」とも語っている。

アトラス社は、まず欧州、アフリカ、中東の市場に参入し、ミドルクラスの顧客獲得を目指す。そのため、同社初の市販車となる電動SUVは、BMW iX1、メルセデス・ベンツEQA、テスラ・モデルYなどと競合し、価格は4万ポンド(約690万円)から5万ポンド(約860万円)程度になると予想されている。

同社はまた、テスラのように独自のEV充電インフラを立ち上げる予定であり、「実際の製品を市場に出す前に、まずインフラを導入する」としている。

車両にはOEMの既製部品を使用し、モロッコで生産することでコスト削減を図るという。

エル・バッカリ氏は次のように説明する。

「まず第一に、技術開発、つまり研究開発費です。当社の場合、研究開発費は投資総額の5%程度に過ぎません。すべてを自社開発するのではなく、OEMや他社がすでに開発した専門知識とノウハウ、技術を活用しているのです」

「当社は、すでにあるものを最初の段階で組み立てていき、最もコスト効率の良いアプローチを取ります」

「EV生産に関わる第二のコストは電気代です。また、特定の市場では電気代が非常に高くなる傾向がありますが、モロッコでは電力の約50%が再生可能エネルギーでまかなわれています。そのため、モロッコはすでに再生可能エネルギーに長けていて、工場を稼働させるための電気代などが安くなるのです」

「もう1つの利点は、非常にコスト効率の良い方法で原材料にアクセスできることです。当社はそれを強みにしたいと考えています」

「人件費も安い。モロッコの人件費は欧州の20%です。最低賃金は月300ドル程度で、欧州では1000ドル以上です」

モロッコにはすでに自動車のサプライチェーンが存在し、ルノー・グループなどの大手企業が北アフリカの国に工場を構えている。ルノーは、ジブラルタル海峡に面した港町タンジェで欧州向けのダチア・サンデロを生産しており、ミニバンのダチア・ジョガーの生産も2024年半ば頃に同工場に移される予定だ。

エル・バッカリ氏によると、アトラス社は複数のメーカーとプラットフォーム共有の可能性について協議しているが、特定の企業名を挙げるのは時期尚早だという。

同様に、さらなる投資に関する話も進んでいるが、まだ高度な段階には至っていないようだ。

アトラス社が、なぜ難易度の高い自動車業界に参入することになったのか。学生時代から自動車業界に関わり、コンサルタントなどを経験してきたというエル・バッカリ氏は次のように語っている。

「クルマは感情を表すものであり、それも非常に情熱的なものです」

「アフリカの人々が誇りに思うようなものをつくりたい。今までこのようなことを行った人はあまりいないでしょう。アフリカでEVを開発・設計したのは、当社が初めてになります。それは、人々に多くの誇りと充実感をもたらすはずです」

こんな記事も読まれています

D’station Vantageがチーム初ポール。ダンロップの1-2に最重量muta GR86が続く【第3戦GT300予選レポート】
D’station Vantageがチーム初ポール。ダンロップの1-2に最重量muta GR86が続く【第3戦GT300予選レポート】
AUTOSPORT web
W12との別れは「初体験」との出会い ベントレー・コンチネンタルGT スピード プラグインHVの試作車へ試乗
W12との別れは「初体験」との出会い ベントレー・コンチネンタルGT スピード プラグインHVの試作車へ試乗
AUTOCAR JAPAN
「ミラノデザインウィーク」に登場したクルマたちを一挙公開! 一番人気の会場はズバリ「ポルシェ」でした【ユーコ伊太利通信】
「ミラノデザインウィーク」に登場したクルマたちを一挙公開! 一番人気の会場はズバリ「ポルシェ」でした【ユーコ伊太利通信】
Auto Messe Web
スーパーGT鈴鹿でワンツーのトヨタ・スープラから感じられる“キャラ変”「セクター1、2であの速さというのは、今までなかったこと」
スーパーGT鈴鹿でワンツーのトヨタ・スープラから感じられる“キャラ変”「セクター1、2であの速さというのは、今までなかったこと」
motorsport.com 日本版
【正式結果】2024年スーパーGT第3戦鈴鹿 公式予選
【正式結果】2024年スーパーGT第3戦鈴鹿 公式予選
AUTOSPORT web
笹原&アレジ組が初ポール。3メーカー混戦、スピン&トラブル多発の鈴鹿を制す【第3戦GT500予選レポート】
笹原&アレジ組が初ポール。3メーカー混戦、スピン&トラブル多発の鈴鹿を制す【第3戦GT500予選レポート】
AUTOSPORT web
絶好調バニャイヤが決勝レースも勝利! バスティアニーニとドゥカティ母国ワンツー|MotoGPイタリア決勝
絶好調バニャイヤが決勝レースも勝利! バスティアニーニとドゥカティ母国ワンツー|MotoGPイタリア決勝
motorsport.com 日本版
2023年 欧州でリコールの多かった自動車ブランド 20選 1車種で「9件」発生も
2023年 欧州でリコールの多かった自動車ブランド 20選 1車種で「9件」発生も
AUTOCAR JAPAN
「ミウラ」「ディアブロGT」「カウンタック」が「ヴィラ・デステ」に登場!「エンジンサウンド賞」を受賞したのは…?
「ミウラ」「ディアブロGT」「カウンタック」が「ヴィラ・デステ」に登場!「エンジンサウンド賞」を受賞したのは…?
Auto Messe Web
誇り高き「重厚感」 アストン マーティン・ヴィラージュ 6.3(2) 魅力の中心がV8エンジン 好調のトリガー
誇り高き「重厚感」 アストン マーティン・ヴィラージュ 6.3(2) 魅力の中心がV8エンジン 好調のトリガー
AUTOCAR JAPAN
アストン マーティン・ヴィラージュ 6.3(1) V8エンジンは「グループCカー」 未来を背負ったクーペ
アストン マーティン・ヴィラージュ 6.3(1) V8エンジンは「グループCカー」 未来を背負ったクーペ
AUTOCAR JAPAN
WRCサルディニア|タナク、まさかの逆転勝利。オジェ最終ステージのパンクに泣く
WRCサルディニア|タナク、まさかの逆転勝利。オジェ最終ステージのパンクに泣く
motorsport.com 日本版
脅威の速さで奪首も痛恨のドライブスルー……14号車ENEOS福住仁嶺、落胆も前を向く「何かが起きた時、チャンスを掴むためにプッシュした」|スーパーGT第3戦鈴鹿
脅威の速さで奪首も痛恨のドライブスルー……14号車ENEOS福住仁嶺、落胆も前を向く「何かが起きた時、チャンスを掴むためにプッシュした」|スーパーGT第3戦鈴鹿
motorsport.com 日本版
まさに王者の戦いぶり。62kg搭載のポイントリーダーau TOMS、燃費走行も駆使して5位入賞「面白いようにアンダーカットできた。作戦としては完璧」
まさに王者の戦いぶり。62kg搭載のポイントリーダーau TOMS、燃費走行も駆使して5位入賞「面白いようにアンダーカットできた。作戦としては完璧」
motorsport.com 日本版
「エアブラシ」全盛でも「筆描き」にこだわるデコトラ野郎もいる! 芸術的な「箱絵」の手法による違いとは
「エアブラシ」全盛でも「筆描き」にこだわるデコトラ野郎もいる! 芸術的な「箱絵」の手法による違いとは
WEB CARTOP
愛車の履歴書──Vol39. 高岡早紀さん(後編)
愛車の履歴書──Vol39. 高岡早紀さん(後編)
GQ JAPAN
Dstartion RacingスーパーGT初優勝。藤井誠暢手応え通りの圧勝劇「これだけ完璧にまとめ上げられることはなかなかない!」|スーパーGT第3戦鈴鹿
Dstartion RacingスーパーGT初優勝。藤井誠暢手応え通りの圧勝劇「これだけ完璧にまとめ上げられることはなかなかない!」|スーパーGT第3戦鈴鹿
motorsport.com 日本版
「止まれ」かと思ったら…ナニコレ!? 「日本唯一」激レア道路標識、なぜできた?
「止まれ」かと思ったら…ナニコレ!? 「日本唯一」激レア道路標識、なぜできた?
乗りものニュース

みんなのコメント

15件
  • 新しい概念、新しい感性を持った企業が自動車業界に革命をもたらすのは良いことです。閉塞する世界をmutigに打ち破って欲しいと思います。
  • アフリカでEVか....時代が変わったものだ。中国、インド、ASEAN、そしてアフリカ。つい昔まで貧しかった国々が世界の中心に立とうとしている。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

577.8756.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

54.8495.0万円

中古車を検索
300の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

577.8756.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

54.8495.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村