今季、KTMに加入したものの「KTM・RC16」への適応で大苦戦が続いていたヨハン・ザルコ。最終的に、彼はKTMからの早期離脱を決定し、2年契約を途中で打ち切ることとなった。
ザルコが苦戦からそうした決定を下した一方で、同じく今季からテック3・KTMに加入しMotoGPデビューを果たしたミゲル・オリベイラは適応を進めており、オーストリアGPではザルコを凌ぐ速さを見せた。最終的に8位でフィニッシュを果たし、ポイントランキングでもザルコを上回った(オリベイラ15位、ザルコ17位)。
■KTM離脱のザルコ、MotoGP残留は望み薄。Moto2”出戻り”も選択肢に?
ザルコは、オリベイラのマシン適応へのアプローチが自身のそれよりも“効果的”だと語った。
「彼がどういったことをしているかは分かっている。多くのレースで彼は一貫性をもって仕事に取り組んでいたし、とてもうまくやっていたと思う」と、ザルコはKTM離脱を発表する前に話した。
「彼はマシンに適応しようと、とても新鮮な心持ちで取り組んでいる。それこそ彼がここ数戦で僕よりも速く乗れている理由だ」
「それからオリベイラのチーフメカニックのガイ・クーロンと話すと、彼らはバイクの一貫性を保とうとしている。そしてオリベイラはそのマシンに適応しようとしている。そこに時間を使っているんだ」
「そういったことを僕ができていなかったのは、色々なモノを変えて新たなドアを開こうとプッシュしていたからなんだ。このふたつは殆ど別の仕事だ。現時点では彼の仕事の方が僕よりもアドバンテージを作り出している」
KTMでテクニカルディレクターを務めるセバスチャン・リッセもまた、オリベイラの持つ、他の強力なライダーから学ぶ能力を称賛した。
「ミゲルはある種まっさらな状態からMotoGPマシンでの走行を始めたことで、偏見が無かった」
「彼は全てのライダーのライディングスタイルから良い所を吸収して、成長しようとしている。これは彼のとても良いところだ」
これまで11レースを終えて、オリベイラは7回ポイントを獲得している。彼はオーストリアGPで8位を獲得したように、再びトップ10フィニッシュを果たす現実的なチャンスがあると考えつつも、オーストリアではテストが好影響を及ぼしたことも認めている。
「ここ(KTM)に来た時、どういった結果を期待できるかは本当に分かっていなかった。だから目標は毎レースでポイント圏内フィニッシュを果たすことで、前半戦の大半のレースではそれを上手くできた」
そうオリベイラは語った。
「僕らのバイクがより強力にならない限りは、後半戦でもそれが目標だ」
「このレース(オーストリア)では、トップ10を狙える可能性があると考えていて、実際それができた。次戦についてはどうなるか待ってみる必要があるね」
「レッドブルリンクは普通のトラックとはかなり違った場所だ。僕らは前からテストチームがここでテストを行っているからね」
「それがセットアップをどの方向に進めればいいかを理解する上で、すごく助けになったんだ」
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