5月10日(金)、WRC世界ラリー選手権第5戦『ラリー・ポルトガル』のデイ2が行われ、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合首位に浮上した。
1.0秒差の2番手にはセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組、首位から4.7秒差の3番手には勝田貴元/アーロン・ジョンストン組がつけ、ワン・ツー・スリー体制を築き上げた。首位から1分43秒2差の総合8番手につけているエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組は、タイヤトラブルやペースノートの紛失などのアクシデントに見舞われないがらも粘り強くラリーを進めている。
【順位結果】2024年WRC第5戦ラリー・ポルトガル SS9後
ラリー・ポルトガルは、“フルデイ”初日となるデイ2よりグラベル(未舗装路)ステージでの本格的な戦いがスタート。スペシャルステージ(SS)2から9まで8本のステージが行われ、その合計距離は126.90kmとなった。
デイ2の午前中は、前夜のスーパーSSと同じタイヤセットで4本のステージを走行。その後、タイヤフィッティングゾーンで午後のステージに向けて新たにタイヤを選択し、簡易的なサービスを経て午後は4本のステージを再走するという、タフな一日となった。
天気は朝から晴れに恵まれ、気温は日中28度前後まで上昇し路面は全体的にドライ。しかし、森の中の道は一部湿っており、非常に滑りやすいコンディションでもあった。
前日のスーパーSSで3番手タイムを記録した勝田は、デイ2オープニングのSS2でベストタイムを記録。総合2番手に順位を上げ、続くSS3では4番手タイムをマークして総合首位に浮上した。その後の2本のステージでも順位をキープし、総合2番手のティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)に2.9秒差をつけ、ラリーリーダーとして午前中のループを走り切った。
午後の再走ステージでは、最初のSS6でオジエがベストタイムを、ロバンペラが2番手タイムを記録するなどペースアップ。5番手タイムだった勝田を上回り、ロバンペラが0.1秒差で総合首位に立つ展開に。
また、オジエが勝田に次ぐ総合3番手に順位を上げたことにより、チームはワン・ツー・スリー体制を構築。以降はチームメイト同士による激しい首位争いとなる。
SS7ではオジエが2番手、ロバンペラが3番手、勝田が4番手タイムを記録。その結果、首位ロバンペラと勝田の差は0.2秒とやや広がり、オジエは勝田との差を1.5秒に縮めた。続くSS8では、ロバンペラがベストタイムを記録してリードを1.0秒に広げた。
デイ2最終のSS9ではオジエがベストタイムを刻んで、勝田を抜いて総合2番手にポジションアップ。その結果、首位ロバンペラとわずか1.0秒差で2番手オジエ、オジエと3.7秒差で3番手勝田という順位でデイ2を締めくくった。
2番手という、グラベルラリーでは不利にはたらく早い出走順でステージに臨んだエバンスは、滑りやすい路面で思うようにペースが上げられず、午前中は総合8番手。午後は巻き返しを図るも、SS7でタイヤがホイールのリムから外れたことにより大きくタイムを失い、総合8番手をキープしたまま一日を終えている。
デイ2のみの結果で、表彰台圏内を独占する活躍を見せたTGR-WRTのヤリ-マティ・ラトバラ代表は、「金曜日のステージが非常に厳しいコンディションだったことを考えると、僅差の戦いが続いたことには驚くしかない」と振り返る。
「最終的には、本当にいい一日になった。最後にトップ3を確保できたのは素晴らしいことで、明日のステージの出走順を考えればなおさらだ。カッレ(・ロバンペラ)とセブ(セバスチャン・オジエ)が力を発揮してくれることはもちろん予想していたが、(勝田)貴元も非常にポジティブなステップを踏んでいる」
「彼がポテンシャルと速さを備えていることは知っていたが、今日はそれを保つことができていたんだ。彼は一日を通して持てる力をしっかりと発揮していた」
「全体的に、チームのパフォーマンスには満足しているが、後続との差は小さいので、明日もきっと厳しい戦いが続くだろう。エルフィン(・エバンス)にとっては、物事が良くない方向へ進み、それが倍増するような厳しい一日になったが、今はまず明日を乗り越えることに集中し、日曜日に最大ポイントを獲得することにフォーカスすることが何よりも重要だ」
11日(土)のデイ3は、4本のSSを午前と午後で各2回走行。その後は一日の締めくくりとしてラリークロスサーキットで夕方7時過ぎよりスーパーSSが1本行われる。9本のステージの合計距離は145.02kmと4日間でもっとも長く、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は581.46kmとなる。
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みんなのコメント
白煙やなくて実際は砂埃だけど。