■レイズオーナーの祭典
「モーターファンフェスタ2023in富士スピードウェイ」と同時開催された、2023レイズファンミーティング(以下RFM)。参加資格は新品、ユーズドに関わらず愛車にレイズ製ホイールを装着していること。昨年開催された第1回のRFMは事前の予想をはるかに上回るエントリーが集まり、600台を超えるレイズホイール装着車が会場の富士スピードウェイ・P7駐車場に集った。
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第2回RFMの会場は前回と同じP7だが、参加台数は800台を超える盛況ぶり。3月3日の夕方から公式ホームページの特設サイトでエントリー受付を開始し、3月27日に終了。会場のキャパシティを上回る応募があり、抽選で参加者が選ばれた。
今回はレイズの創業50周年を記念する節目のイベント。開会式に登壇した三根茂留社長は「弊社が掲げる『THE CONCEPT IS RACING』という考え方は、1973年の創業当時から不変。いつの時代もレーシングカー向けのホイールを供給し続け、現在でもスーパーGTやWEC(世界耐久選手権)といったトップカテゴリーを戦っています。モータースポーツに参戦する理由は、その時代の先端技術でモノづくりをしないと勝てないから。過酷な状況で技術や性能を磨き上げ、そこで得られた知見を製品にフィードバックしているからこそ、クルマ好きの皆さんにご愛好いただけていると自負しております」と語った。
数々のカテゴリーでタイトルを獲得してきたメイドインジャパンの高性能ホイールとして日本のみならずグローバルでも評価が高まり、特に北米でレイズホイールの人気が高く、日本に先駆けてファンミーティングを開催するほど。会場にはカメラをぶら下げた海外からの観光客や、Yナンバー(在日米軍関係者が所有するクルマに交付されるナンバー)を付けた国産車が見受けられた。
「足元」に注目しながら会場をくまなく巡ってみると、スポーツカー、SUV、輸入車、セダン、ミニバン、軽自動車、旧車など、カテゴリーを問わずレイズホイールが愛用されていることがわかる。これだけ多くの車種に対応できるのは、鍛造のボルクレーシングや鋳造最軽量を目指したグラムライツ、ラグジュアリー志向のホムラ、SUV、クロカンをターゲットにしたチームデイトナなど、個性豊かなブランドを展開しているから。
車種の垣根を超えて「レイズホイール愛好家」という共通項でユーザー同士がつながるこのイベント。参加者に愛用のレイズホイールを選んだ理由やカスタムのこだわりポイントを聞いてみた。
■レイズ愛用者たちに聞いてみた
●THE CONCEPT IS RACINGを体現するレース車両を展示
●大抽選会の特賞は「レイズホイール1台分贈呈」。当選者はGRヤリスのオーナーで、希望商品はボルクレーシングのTE37
●1等はTE37 SAGAの4分の1スケールモデル(非売品)。本物と同じ鍛造1ピース構造
●東京オートサロンでデビューした新製品を中心に、レイズの主力製品を展示
■ナックルアームを交換して4→5穴に
カイトーさん
トルネオSIR-T
装着ホイール:TBR ITARU 010
カイトーさんの愛車は1997年にデビューした6代目アコード。アコードはクリオ店、兄弟車のトルネオはプリモ店とベルノ店向けのモデルで、アコード・ワゴンはクリオ店の専売だった。2L NAのDOHC VTECエンジンを搭載するスポーツグレードがSiRで、AT仕様のSiRは180馬力、5速MT仕様のSiR-Tは吸排気効率を高めて200馬力を達成。さらに、SiR-Tはトルク感応型のヘリカルLSDを標準装備していた。
ホイールのボルト穴数に注目。SiR系は本来4穴だが、カイトーさんは5穴のホイールを履かせている。じつはユーロR後期型のナックルアームに換装しているのだ。「アーム自体は中古で1本500円でしたが、モノが大きいので送料が3000円も掛かり、おまけに営業所止め。重たくて大きいアームを後席とトランクに詰め込んで持ち帰りました」
苦労してボルト穴数を変更した理由は、4穴だと履きたいホイールが限られるから。デザインと軽さで選んだのはTBR ITARU(イタル)010。サイズは17×9.0J、インセット38。タイヤサイズはフロント235/40-17、リヤ215/40-17で3mmのスペーサーを挟んでいる。キャンバーを付けたり、フェンダーを加工したりしてフェンダー内にギリギリ収めた。これで満足かと思いきや「次は18インチにチャレンジしてみたい。サイズは8.5Jのインセット45あたりにして、ツーリングカーっぽく仕立てます」と、ホイールカスタムの奥深さにハマっているようだ。
ボディ色もカイトーさんのこだわりで、あえてタイプRのチャンピオンシップホワイトではなくソリッドなタフタホワイトでオールペン。インテリアは黄色ステッチのOMPステアリングと、ゲーム機のジョイステックレバー用の黄色いレバーボールをシフトノブの代わりに使っている。
■限定カラー「クロモイタリアーノ」が光り輝く
うめすむさん
スバルXV 2.0i-Sアイサイト
装着ホイール:チームデイトナFDX F7
エギング(イカのルアー釣り)が趣味のうめすむさん。200mmのロードクリアランスやアクティブトルクスプリットのAWD、悪路走行をアシストするXモードなど、イカを求めて日本海沿いにも遠征するうめすむさんにとって、XVの走破性の高さは頼もしい。
グレードは2.0i-Sアイサイト。クリスタルホワイトパールのボディ色にマッチするのが、デイトナFDX F7の限定カラー「クロモイタリアーノ」。サイズは16×7.0Jインセット40。ホワイトレターのオープンカントリー(215/70R16)と相まって、足元のタフネスさが強調される。純正ホイールサイズは18×7.0Jインセット55で、フェンダーとのクリアランスはフロントがギリギリ、リヤは余裕がある。
車内に収まりきらないタックル(釣り道具)は屋根上に積載。愛用のロッドは9フィート(2.7m弱)で、全長2360~2920mmのロッドに対応したINNOのロッドボックス290ブラックに収納。運転席側にはINNOのルーフデッキ45をセットし、ストレージボックスをタイダウンベルトで固定している。
■群馬パーツショーで実物を見て一目惚れ
松浦さん
ハイラックスZ
装着ホイール:A・LAP-07X
「コレは嫁さん用で、自分はクロカン仕様のJB23ジムニーに10年乗っています」という松浦さん。ジムニー専用モデル「A・LAP-J」の流れを汲みつつ、ハイラックスやプラドなどの大柄なボディとマッチするようにデザインされたのがA・LAP-07Xで、直線的なラインで構成された7交点メッシュが特徴。「できるだけ軽く」をブランドコンセプトに掲げた鍛造1ピースホイールで、松浦さんは夫婦で訪れた群馬パーツショーで展示されているのを見て一目惚れ。「A・ALP-07Xのブラック/リムDCとアティチュードブラックマイカのボディカラーとのマッチングが良く、とても気に入っています」
足まわりはジャオスの「BATTLEZリフトアップセットVFA ver.C」を装着。フロント用リフトアップスプリングとリヤ用リフトアップスプリング、減衰力調整式ダンパーがセットになっていて、純正車高に対しフロントは30~35mm、リヤは45~50mmアップ。リヤのリーフスプリングは指定外部品のために構造変更している。
「RFMにエントリーしてから気付いたのですが、ハイラックスミーティングin群馬と日程が重なっていて……でも、せっかく抽選で選ばれたのでRFMに参加しました」。ジムニーは大人のホビー、ハイラックスはファミリー用と、憧れのクロカンライフを満喫する。
■憧れのスーパーエクシードを意識してカスタマイズ
黒猫長門さん
デリカD:5 Gパワーパッケージ7人乗り
装着ホイール:チームデイトナ F6ブースト
ギャラン、エクリプス クロスからデリカD:5と三菱車を乗り継ぐ黒猫長門さん。「エクリプス クロスだとキャンプギアが思ったほど積めないなぁ……と考えていたところにD:5が値上げするという情報をディーラーから得て、下取りの条件も良かったので思い切って乗り替えました」。デリカスペースギアに憧れた世代で、最上級グレードのスーパーエクシードが7人乗りだったので、デリカD:5も2列目がキャプテンシートになる7人乗りを選んだ。カスタムは「RVの三菱」全盛期をイメージし、ジャオスのフロントスキッドバーにIPFのフォグランプを装着。あえて流行りのブラックではなくポリッシュにしたのもスーパーエクシードへの憧れから。マッドフラップはオートフラッグス製だ。
黒猫長門さんは以前からレイズを愛用していて、デリカD:5も迷わずレイズのホイールラインアップから選ぶことに。「デリカ専用サイズのチームデイトナFDX-Dを履いている人が多いので、発売から間もないF6ブーストを選びました」人気のホイールは納期が長くなることが多く、黒猫長門さんはクルマを注文したその足で行き着けのショップでF6ブーストを予約した。
ホイールサイズは16×7.0Jインセット40、タイヤサイズは235/70R16。車高はノーマルだが、インチダウンの効果でタイヤの占める面積が多くなり、リフトアップしているように見える。
■ボディとホイールを同系色でコーディネート
Taremimi-usagisan
ライズ ハイブリッドZ
装着ホイール:ボルクレーシングG025
「ブラックマイカメタリック×ターコイズブルーマイカメタリックのボディ色に一目惚れして、スティングレーから乗り替えました。初めは車名も知りませんでした」とライズとの出会いを振り返るTaremimi-usagisan。
エアロパーツはモデリスタの「ADVANCE BLAST STYLE」で、フロントスポイラー、サイドスカート、リヤスカート、カラードフェンダーをフル装備。「みんなに『どこのフェンダー』って聞かれるんですけど、ちょうどハイブリッドが追加されたタイミングでフェンダーが設定されたので、迷わず装着しました」
ホイールはスポーティなエアロとマッチングがよく、駄肉を削るウェイトレスホールが特徴的なボルクレーシングG025。サイズは18×7.5Jインセット48で、限定色のダークブルーがターコイズブルーのボディ色に映えることも決め手になった。ただし、そのままでは装着できないのでGR Garege suzuka カローラ三重 サーキット通り店でフィッティングを施した。「KYO-EIのワイドトレッドスペーサーハブユニットシステムを使い、11mmのワイドトレッドスペーサーをホイールとハブの間に挟み、車両側のハブボルトを削ってフェンダー内に収めています」
「ロードノイズやボディの発する『キシミ音』が嫌いなので、タイヤをコンフォート系にして、ボディ補強も施しています」。タイヤはレグノGRVIIの225/45R18、車高調は車内に設置したコントローラーで減衰力調整ができるブリッツのダンパーZZ-RスペックDSC PLUS。ボディ関係はリジカラとブリッドのストラットタワーバー、カワイ製作所のリヤピラーバー、TRDのドアスタビライザーを装着。「カーブでも車体姿勢が安定して、レールの上を走っている感じです」と効果を実感しながら日々通勤している。
<文=湯目由明/写真=岡 拓>
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