ルノー・ジャポンは、 モータースポーツで培ったノウハウと先進の技術により、高いレベルのパフォーマンスを実現し、ニュルブルクリンクでFF最速を記録した「メガーヌ ルノー・スポール トロフィー」を10月31日から発売すると発表した。
モデル概要
メガーヌ ルノー・スポール トロフィーは、メガーヌ ルノー・スポールをベースとしながら、エンジンは最高出力300ps、最大トルク420Nm(EDC)/400Nm(MT)とメガーヌ ルノー・スポール史上最もハイパワーとなるレベルまで高め、ロールを抑えたシャシー、トルセンLSD、フロントはアルミ製ハブ/鋳鉄製スリット入りブレーキディスク、スポーツエキゾーストなどを装備したスーパースポーツ・モデルだ。
メガーヌ ルノー・スポール史上最もパワフルなエンジン
メガーヌ ルノー・スポール トロフィーに搭載される1.8L直噴ターボエンジンの最高出力は、 メガーヌ ルノー・スポールの279psに対して、21ps向上した300psとなっている。最大トルクは、メガーヌ ルノー・スポールの390Nmに対して、メガーヌ ルノー・スポール トロフィー EDC(電子制御6速EDC)は420Nmで、 MT(6速)は400Nmを発生する。
アクセルに対する応答性の向上のために、ターボチャージャーにはF1でも使用されているセラミック・ボールベアリングシステムを採用。20万rpm近くで回転するタービンがスチールよりも軽く、硬く、滑らかなセラミックのボールベアリングが軸受に取り付けられることで、摩擦は従来のスチールボールベアリングシステムに比べ1/3に低減。ターボの応答性を向上させている。
また任意のエンジン・サウンドを選択できるアクティブバルブ付スポーツエキゾーストを装備。マフラー内に設けられた2つの排気ルートのひとつに機械式バルブが取り付けられ、バルブが閉じられると低周波数を除去し、中周波数を最適化。スポーティでありながら騒音レベルを抑えた、日常の使用に適したサウンドとなる。一方バルブが開くと、排気は流動抵抗が小さい、よりダイレクトな経路を通り、エンジン性能をフルに引き出すとともに、スポーツモデルにふさわしいエンジン・サウンドとなる。
スポーツドライビングのための4コントロール、HCC
メガーヌ ルノー・スポール トロフィーには、4コントロール(4輪操舵)、HCC(油圧ダンパー式バンプストッパー)といったメガーヌ ルノー・スポールに採用されている装備に加え、限定車メガーヌ ルノー・スポール カップに採用されていたルセンLSD、フロント・アルミ製ハブ/鋳鉄製ベンチレーテッドディスクが装備されている。
4コントロールは電子制御のアクチュエーターでリヤのタイロッドを動かし、リヤ・タイヤを操舵する。リヤタイヤの最大切れ角は2.7度。4コントロールは、シャープで正確、 そして安心感のあるハンドリング生み出し、コーナリング性能を大幅に向上。今までにないスポーティでダイナミック、そして正確なコーナリングフィールを体感できる。低速走行時には後輪は前輪とは逆の方向に向き、回転半径を小さくする。そのためカーブのきついワインディングロードなどでは俊敏さを発揮する。また駐車時やUターン時などでは取り回しが容易になる。
60km/h以上(レースモードでは100km/h以上)の高速走行時は後輪は前輪と同一方向を向き、コーナリング中の安定性を高め、理想的なコーナリングラインにクルマを導くことができる。
4輪HCC(油圧ダンパー式バンプストッパー)は、ラリーで培われたダンパー技術で、ダンパー底部に組み込んだセカンダリーダンパーによって最適な減衰力が得られる機構だ。
さまざまな路面状況において常に最適なグリップと快適な乗り心地を両立。ダンパーロッドが縮み、ストローク終端部に近づくとセカンダリーダンパーのピストンが減衰力を発生し、メインのダンパーロッドストロークを制限することで、従来型バンプストップラバーのような反力や振動をホイールに伝えない。その結果、路面からの大きな入力時にもタイヤがグリップを失わず、グリップ限界が高まり、またサスペンションの、よりリニアな制御が実現している。
なおシャシーカップでは、HCCのバンプストッパーの長さが10mm長くなり(フロントのみ)、スプリングレートを上げた場合と同じ効果を発揮するとともに、HCCに内蔵されているセカンダリーダンパーの働きにより、減衰力を高めバウンス効果を低減している。
「シャシーカップ」サスペンション
サスペンションは「シャシーカップ」仕様を装備し、メガーヌ ルノー・スポールに対し、スプリングレートをフロント23%、リヤ35%、ダンパー減衰力を25%高め、加えてフロントアンチロールバーの剛性も7%高めており、 ロールを抑え正確なハンドリングを生み出すことができる。
トルセンLSDは、サイドギヤを分割し、結合部にワンウェイ構造のヘリカルスプラインを採用したLSDだ。左右輪のトルク配分比を高め、トラクション性や走行時のフィーリングを向上させる機能に加え、アクセルオンの時は差動制御が大きく機能しトルク配分比を大きく高める一方で、アクセルオフの時には差動制御の効きを抑え、最適なトルク配分とドライバビリティの向上を実現する。
トルクバイアスレシオは2.6:1で、ルノー・スポールモデル専用にチューニングされている。
フロントブレーキには、鋳鉄製のベンチレーテッドディスクにアルミ製ハブを組み合わせたブレーキを採用。メガーヌ ルノー・スポールに比べ、1個当り1.8kg軽量化を達成し、冷却性能も向上している。またディスクはスリット入りとなっている。
専用装備
シートは、アルカンターラ表皮のヘッドレスト一体型レカロ製フロントバケットシートを装備している。滑りにくく、スポーツ走行時にもドライバーとクルマの一体感を損ないうことはない。このシートは1脚の重量が23.5kgで、軽量化にも貢献している。
ホイールは専用の19インチアロイホイール「TROPHY」を装着。ワンメークレース用に開発されたレーシングカー「R.S. 01」のホイールデザインをそのまま踏襲し、レーシングスピリットあふれるデザインとなっている。
ステアリングホイールは、グリップ感に優れた高級なナッパレザーに加え、滑りにくく正確なステアリングワークをサポートするアルカンターラを組み合わせて採用している。
バッテリーはDESS(デュアル・エナジーストレージ・システム)を搭載している。これは小型バッテリーとスーパーキャパシター(蓄電器)を組み合わせたカプセル化電源で、L1サイズのバッテリーと同程度のサイズながら、冷間時のクランキング力に優れ、重量もわずか8.4kgと軽量化にも貢献している。
チーフ・テストドライバーのローラン・ウルゴン氏がステアリングを握ってニュルブルクリンク北コースでFF最速レコードを記録したメガーヌ ルノー・スポール トロフィーは、1.8L直噴ターボ搭載のFFモデルというカテゴリーを超えたスーパースポーツ・モデルだ。
メガーヌRSトロフィー諸元表
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