2019年11月イタリアのローマで発表された、フェラーリのニューカー「ローマ」。20年4月には日本へも上陸し、お得意様向けのお披露目会が全国で開催されていたが、それを終え6月4日に報道向けにも披露された。
◆単純にカッコイイと思わせるカタチ
La Nouva Dolce Vita(イタリア語で新しい甘い生活)をコンセプトとした、V8エンジンのFRクーペであるローマ。その名の由来はもちろん首都ローマなのだが、1950~60年代におけるローマでの自由なライフスタイルを再解釈した発想から名付けられた。昨今のフェラーリには見られない流麗なエクステリアデザインは、この時代のエレガントなフェラーリへのオマージュでもある。
ミッドシップのV8モデルや、ポルトフィーノなどの従来までのFRモデルとは一線を画し、余計なプレスラインを廃したシンプルなフォルムをエクステリアに採用。これまでの、エアロダイナミクスを具現化した派手めなデザインとは違う、伝統のグランドツーリングカーらしさとモダンなテイストを掛け合わせた、新しいフェラーリデザインを最初に採用する量産モデルだ。
シンプルさのなかに最新のエアロダイナミクス技術を取り入れているところもポイント。フロントのフロア下には、真正面で受けた空気を左右フロントタイヤの後方へと流す、ディフューザーが設置された。可動式のリヤスポイラーも備え、強大なダウンフォースを生み出している。
昨今のフェラーリに導入されている、インテリアの「デュアル・コックピット・コンセプト」はダッシュボードにとどまらずキャビン全体へと拡大。運転席と助手席を完全独立したようなデザインへと進化した。ドアの内張やダッシュボードなど、室内の至る所にレザーがふんだんに使用され、高級感は格段に向上している。メーターパネルとセンタークラスターには大型のディスプレイを設置。ありとあらゆる車両情報を表示する。ADAS(先進安全装備)も備わり、アダプティブクルーズコントロールでの高速道路のクルージングも可能にしている。
◆もちろん走りの性能にも妥協なし
V8エンジンにも改良が加わった。3.9LのV8ターボは、カムプロフィールとタービンセンサーを刷新。タービンの回転数が1分あたり5000回転向上した。より厳しい排ガス規制に対応するため、ユーロ6Dに適応する新しいGPF(ガソリン・パティキュレート・フィルター)を採用したにも関わらず、前モデルのポルトフィーノから20馬力アップを果たしている。加えてデュアルクラッチトランスミッションも、7速から8速へとアップデートされた。
世界最高レベルの動力性能はそのままに、今まで少々欠けていたエレガントさを手に入れた、フェラーリ ローマ。こんな美しいフェラーリを待っていた! という人も多いだろう。定番オプションとして有名な、フロントフェンダーに付く盾型の七宝焼きエンブレムが今回の撮影車には付いていなかったが、このエンブレムが似合わないと思わせるほど流麗なフェラーリを筆者は初めて見た。
ローマの日本での価格は2682万円~。ブランドのエントリーモデルでこの新しいデザインなら、フェラーリ史上最高の販売台数を稼いでしまうのではないだろうかと思わせる出来ばえだった。
<文&写真=driver@web 編集部・青山>
■ローマ(FR・8速DCT) 主要諸元【寸法・重量】全長:4656mm 全幅:1974mm 全高:1301mm ホイールベース:2670mm トレッド:前1652/後1679mm 最低地上高:ーmm 車両重量:1472kg 乗車定員:2人 【エンジン・性能】種類:V8DOHCターボ 総排気量:3855cc ボア×ストローク:86.5×82.0mm 圧縮比:9.45 最高出力:456kW(620ps)/5750~7500rpm 最大トルク:760Nm(77.5kgm)/3000~5750rpm 使用燃料・タンク容量:プレミアム・80ℓ WLTCモード燃費:ーkm/ℓ 最小回転半径:ーm タイヤ:前245/35ZR20/後285/35ZR20 【価格】2682万円(消費税率10%込み)
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みんなのコメント
手が届かないな〜。格好いい!