■スペック表の航続距離を上回る距離を走行
niu「NQi GT」は、スクータータイプの原付2種に区分される電動バイクです。検証のために走らせた車体は2020年モデルで、定格容量2100Wh(60V/35A)のパナソニック製バッテリーを2個搭載し、定格出力は1000W、最大出力は3500Wとなっています。
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「niu」含め、日本で複数の海外ブランドを展開する「XEAM(ジーム)」による走行テスト条件によると、航続距離は約92kmとなっています(ダイナミックモード90%とスポーツモード10%使用。搭乗者体重76kgにて平坦な道を走行)。
なお、2021年モデルはバッテリーが中国製に変更され、バッテリーの定格容量などが異なっており、なにより航続距離が約82km(同上の条件)となっています。
「NQi GT」には「スポーツ」、「ダイナミック」、「E‐セーブ」の3つの走行モードを備えています。それぞれの走行モードには最高速度が設定されており、「スポーツ」は約70km/h、「ダイナミック」は約45km/h、「E‐セーブ」は約20km/hです。
検証にあたってはモード別の走行ではなく、道路の流れに合った走行を前提としました。というのも、前述のように3つの走行モードにはスピードの上限があり、例えば「ダイナミック」モードで走っている場合、約45km/hに達すると、いくらスロットルを回してもパワーが出ないようになっているからです。もちろんこれは状況次第で、下り坂や加速した状態なら50km/h程度までスピードが上がることもあります。
ただ、原付2種区分のバイクで一般道を走行する際、走行モードを固定して走ることはリスクを伴う、つまり流れに合わせて走っていると、いざというときに加速しないため後方から追突されるなどの危険性を伴うと感じました。そのため、モードを固定する走り方ではなく、限りなく実際の走らせ方に近いモードの使い分けで電費を検証しました。
今回は約3週間にわたり、東京都内の環状七号線と八号線(以下、「環七」「環八」)を走らせ、ツーリングにも行きました。なお、ライダーである筆者は、身長153cm、体重42kgです。
検証の中での最長走行距離は約104kmです。ショートツーリングに行ったもので、往路はほぼ電費を考えず、交通の流れに沿うままに「スポーツ」モード、時折「ダイナミック」モードをあわせて使用しました。途中渋滞などもあったので常に全開というわけではなく、低速走行の時間も含まれています。往路は52kmを走り、バッテリー使用量は23%(残量67%)でした。
復路では少し電費を考えての走行にはなりましたが、往路とほぼ変わらず「スポーツ」モードをメインで使用。52kmで使用量36%でした。往路の方が13%も電費が良かった、という結果だったわけです。これは推測の域を出ないのですが、バッテリーが減ってくると出力も落ちるため、加速のため往路よりもバッテリーが消費された……ということではないでしょうか。
また、全体としては約104km、使用量69%で、スペック上よりも長く走ることができた、という結果でした。これにはライダーの体重が関わっているでしょう。「XEAM」による走行テストでは、ライダーの体重が76kgで筆者より34kgも重いのです。
ともあれ、体重42kgのライダーの場合は、バッテリー残量30%を残して、電費を考えずに100kmほど走れるということです。これはまあまあ魅力的な距離ではないでしょうか。
■交通量の多い幹線道路では?
東京都の「環七(かんなな)」、「環八(かんぱち)」という、かなり交通量が多く渋滞箇所が多い道路も走りました。すり抜けはせず、モードについては、やはり「スポーツ」モードがメインで「ダイナミック」モードを少々、といったところです。この場合、ある日は27kmで使用量23%、別の日は46kmで49%でした。計算上は、バッテリー1%につき約1km走ることができたことになります。
興味深いのは「ダイナミック」モードをメインで走らせた場合です。「スポーツ」モードを使用せずとも「ダイナミック」モードで快適に走行できる、交通量が少ない夜間に一般道で検証を行ないました。距離が短かったため、検証の材料とするには不十分ではありますが、一例として挙げると、9kmで5%使用、ツーリングや幹線道路を走らせたときよりも電費が良い、という結果でした。
もしも電費が気になる状況であれば、「ダイナミック」モードを優先して使用する走り方もアリでしょう。ただ、やはり交通の流れに乗れるとは言い難いため、リスクが伴います。
走行モードの切り替えはハンドル右側のスイッチボックスで操作しますが、少なくとも筆者の体格の場合、右手をハンドルに沿えたままスムーズに切り替えられる距離ではありませんでした。体格や操作の経験値にもよると思いますが、やや不安が残ったところです。状況に応じて、なおかつしっかりとした操作で走行モードを切り替え、または固定して走る必要はありそうです。
今回の検証では、走行モードの使い方やライダーの体重によって電費が目に見えて変わることが確認できました。こうして電動バイクの電費を考えながら走ることも、乗りこなす術になるはずです。
「XEAM」が展開するniu「NQi GT」の価格(消費税10%込み)は、2020年モデルが43万7800円、2021年モデルが34万9800円となっています。
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みんなのコメント
佐川の電気自動車が中華製だったのを目にしたろ?
パワーも、容量(電池)もいつになったら実用レベルになるのだろう。
ヤバイヨ!ヤバイヨ!では生活できないからね。