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RX1e開催休止のなか、RX2e最終戦で王座に挑んだコチュリンスキーは届かず/WorldRX第6戦

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RX1e開催休止のなか、RX2e最終戦で王座に挑んだコチュリンスキーは届かず/WorldRX第6戦

 依然としてイギリス・リデンヒルで発生した火災事故の原因究明を優先し、電動最高峰クラス“RX1e”の開催休止が続く2023年のWorldRX世界ラリークロス選手権は、カレンダー上の第6戦に当たる8月19~20日にドイツ・エスターリンクでのイベントを迎え、同じく電動ワンメイクのステップアップシリーズであるFIA RX2e選手権と内燃機関最高峰EuroRX1の最終戦が争われた。

 前戦に出場したWorldRX“5冠王者”ことヨハン・クリストファーソン(クリストファーソン・モータースポーツ)らに続き、今回はCEディーラーチーム・バイ・ボルボ・コンストラクション・イクイップメントのクララ・アンダーソンやニクラス・グロンホルムらが“カメオ出演”するなか、本来は「開幕3戦のみの出場予定だった」ミカエラ-アーリン・コチュリンスキー(クリストファーソン・モータースポーツ)がタイトル候補として最終戦に挑む展開に。

火災原因調査でRX1eは引き続き開催休止。スター大挙出場のRX2eは"絶対王者"が蹂躙/WorldRX第5戦

 ラリークロスの競技経験が浅いなか、王座を争った同僚のニルス・アンダーソン(チームE/クリストファーソン・モータースポーツ)やアイザック・シェクヴィスト(#YellowSquad)らと互角の勝負を繰り広げたものの、セミファイナルでの接触劇によりステアリングが破損し、栄光への挑戦は潰えることとなった。

 この週末のRX2eには、前戦から引き続き電動オフロードシリーズ、エクストリームEの初代王者であるモリー・テイラー(#YELLOWSQUAD)が参戦し、さらに中国からは史上初の女性ドライバーとして、シングルシーターで経験を積んだヤン・チャン(ルーシー・レーシング)が、2018年のシルバーストンに参戦したマ・キンファ以来の中国出身ドライバーとしてエントリーを果たすなど、多くの話題を振りまいた。

 そんななか、当初は「経験を積むのが最大の目的だった」と明かすコチュリンスキーが、前戦ベルギーで盟友クリストファーソンに次ぐ2位表彰台を獲得したこともあり、一躍タイトル候補としてドイツに乗り込んできた。

「まず第一に、ここに来られて本当にうれしい」と予定変更でエントリーを果たしたコチュリンスキー。「ご存知のとおり、私は最初の3ラウンドに出場するサインをしただけで、こうしてRX2eに参加したときはトップの座を争うことになるとは予想もしていなかった」

「でもベルギーまでたどり着いた時点で、その後はなんとか勝ち上がる方法を見つける必要があった。少なくとも自分にチャンスを与えるために、ドイツにも行かなきゃいけないのは明白だったわね」と笑うコチュリンスキー。

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 彼女にとってこのシリーズに参加した意義は、タイトル戦線に加わる前の段階で、すでに充分な実りとして得られていたようだ。

「結局のところ、チャンピオンシップに勝つために学ぶ必要があるのは小さなことばかりで、私は今季すでに多くのことを学んでいる。ほとんどすべてのトラックが私にとって初めてで、このトラックもかなりドリフト・スタイルのようで、新たな挑戦になるでしょうね」と続けたコチュリンスキー。

「でも、それこそが私がここにいる理由よ。私はラリークロスに長く留まりたいと思っているし、それにこのスポーツで私が学んだことがひとつあるとすれば、それはこうして何かが起こる可能性がある……ということね」

 迎えた土曜の予選プラクティスでは、前戦デビューウインを達成したトミ・ホールマン(SETプロモーション)が主導権を握ったものの、タイトルを争うシェクヴィスト、アンダーソン、そしてコチュリンスキーのトリオは、それぞれわずか0.140秒差の2位、3位、4位につける白熱の展開に。

 その背後には、自身2年前の国際ラリークロスデビュー以来のRX2e復帰となるWorldRXレギュラーのクララが5位で続き、僚友グロンホルムはトラフィックにも阻まれ8位に留まる厳しい出だしとなる。

 さらに土曜のヒート1とヒート2を経た頃には、シェクヴィストとアンダーソンが中間クラスのポイントで同率に並び、勢いに勝るコチュリンスキーがそれを追う展開に変わっていく。しかし日曜のヒート3とヒート4を経て迎えたセミファイナル1では、他車との接触を喫したコチュリンスキーが無念の敗退を喫し、ここで僚友アンダーソンにタイトル獲得を託すこととなる。

 そのファイナルではチャンピオンシップリーダーが冷静な計算を見せ、選手権上のライバルであるシェクヴィストを背後に抑えておければ、首位を行くホールマンを「捉える必要なし」と判断して2位でチェッカー。シーズンを通した一貫性が大きく実を結ぶ結果となった。

「全員が同じツールを持っているときに、こうしてトップでフィニッシュできるのは素晴らしいことだ。今季の僕らにとって成功の最大の鍵は、ミカエラ(-アーリン・コチュリンスキー)という本当に速いチームメイトがいたこと。つまり、細部を見つけてクルマを速くするために協力することができたんだ」と喜びを語ったアンダーソン。

「このタイトルはクリストファーソン・モータースポーツにも帰属する。彼らはこのタイトルに大きな役割を果たしているからね。また戻ってきて、防衛できることを願っている」

 これで併催シリーズのカレンダーがほぼ終了したWorldRXだが、次戦は10月7~9日に南アフリカはケープタウンでのダブルヘッダーが。さらに11月12~13日には、香港はセントラル・ハーバーでの初開催イベントが予定されている。

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