もっとパワーを
最高出力1000psの市販車というのは、少し前まではちょっと馬鹿げた存在に思えた。しかし、今やこの「馬力狂」のクルマは増え続けている。
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いまどき馬力を追い求めるのは時代遅れかもしれないが、今回取り上げる馬力狂の多くは、最新の電動化技術の助けを借りたハイブリッドまたは完全EVである。
いかなる時代においても、力ある存在には不思議と心を惹かれるものだ。今回は最高出力1000psを超える市販車を、数値が低い順に17台紹介する。
SVEステージIIイェンコ/SCコルベット – 1014ps(2019年)
スペシャリティ・ビークル・エンジニアリング(SVE)は、米国でドラッグレースを行っていた経歴を持つ会社で、1000ps超のコルベットを作ることは通常の業務の範囲内である。
ステージIIイェンコ/SCは、大幅に改良されたシボレー製6.8Lエンジンにスーパーチャージャーを追加し、魔法のような4桁のパワーを獲得している。7速MTを標準装備し、価格はコルベットよりも少し高い7万1020ドル(約810万円)である。そのため、現在販売されている1000ps超のクルマの中では、おそらく最もお買い得なものだろう。
膨大なパワーに対応するためにブレーキとサスペンションも改良されているが、それでも手に負えないという人向けに、出力を846psに抑えたモデルが用意されている。また、カマロに同じエンジンを搭載したモデルもある。
キャデラックCTS-V HPE1000 – 1014ps(2019年)
馬力狂のヘネシーは、特注のハイパーカーだけにとどまらず、1000ps超のキャデラックCTS-V「HPE1000」を製造してくれる。4ドア・セダンでありながら、0-97km/h加速2.7秒、最高速度320km/hを実現する。しかも2年2万4000マイルの保証付き。
キャデラックのオートマチック・トランスミッションはそのままに、パワーに対応するように強化された上で、後輪駆動となった。HPE1000は、16万3480ドル(約1870万円)を出す余裕があれば、4シーターとしては異例の選択肢となる。
テスラ・モデルSプラッド – 1020ps(2021年)
通常のモデルSでスリルを味わえないのであれば、モデルSプラッドが望みを叶えてくれるだろう。1000psを超えるパワーと、ポルシェ・タイカン・ターボSよりも200kg軽いプラッドは、0-97km/h加速が1.99秒と謳われている。理想的な条件下でしか達成できないかもしれないが、それでも目を見張るような数字だ。
価格は15万9433ドル(約1820万円)からで、現在販売されている他のEVと比較しても安くないことは確かだ。しかし、この記事で取り上げている他のモデルに比べれば、コストパフォーマンスに優れていると言えるだろう。
ブリストル・ファイターT – 1026ps(2006年)
ブリストルは、いつも他とは異なる道を進みたがる。ファイターTはダッジ・バイパーから流用した8.0L V10にツインターボチャージャーを追加し、最高出力1026ps、最大トルク143kg-mを発生させたのである。最高速度は430km/h以上と言われていたが、リミッターにより360km/h程度に制限されている。
ファイターTはわずか13台しか製造されず、価格は34万6625ポンド(約5300万円)からと、標準のファイターよりも11万5000ポンド(約1760万円)も高い設定であった。パワーが上がった分、シャシーやサスペンションも強化され、エンジンの力強さと潜在的な最高速度に対応できるようになった。
ルーシッド・エア – 1126ps(2021年)
ルーシッド・エアは、リチウムイオンバッテリーと2基の電気モーターを積んだ米国製のEVである。ルーシッドは、単に地球のために貢献しようとしているオーナーに対しては低出力のモデルを販売するが、ここで紹介するのは最高出力1126psのモデルだ。こちらを選択すると、0-100km/h加速2.5秒、最高速度350km/hの性能を手に入れることができる。
高級車市場向けの4ドア・セダンとしては、驚くべき性能だ。また、急速充電に対応しているため、30分ほどで充電を完了することができる。新興企業であるルーシッドは、ハイパーカーの顧客以外にもエアを所有してもらいたいと考えており、ベースモデルは7万4000ドル(約845万円)から販売している。
アストン マーティン・ヴァルキリー – 1176ps(2021年)
V12エンジン搭載のハイパーカー、ヴァルキリーは280万ポンド(約4億3000万円)という驚くべき価格にも関わらず、150台すべて売り切るのに対して時間はかからなかった。最高出力1176psのヴァルキリーは、アストン マーティンがこれまで生産してきたクルマの中で最もパワフルかつ最速である。
アストンによると、大量のダウンフォースによって高いコーナリングスピードを実現し、現行のF1マシンと同じタイムでシルバーストンのグランプリコースを周回できるという。
6.5L V12ガソリンエンジンだけでも1000psの大台を達成するのに十分だが、そこに電気モーターで160psを追加したのだ。このパワートレインを作るために、アストンはV12エンジンをコスワース、電気モーターをリマックに依頼した。1030kgしかない車重のおかげで、1kgあたり1ps以上のパワーを発揮する。
ゼンヴォTSR-S – 1193ps(2021年)
TSR-Sは、2016年にデビューしたTS1 GTをベースに、1193psに強化されたパワートレインと、印象的な可動式エアロパーツを搭載している。ツインスーパーチャージャー付きの5.8L V8エンジンをリアアクスルの前に搭載し、0-100km/h加速2.8秒、最高速度325km/hを達成することが可能だ。
先代のTS1 GTは年間5台の生産にとどまり、当時のライバルに代わる有力な選択肢とはなり得なかったようである。しかし、ゼンヴォはTSR-Sを発表することで、ブランドの価値を高めただけでなく、価格も引き上げた。新車の場合、200万ドル(約2億2800万円)が必要となる。
ブガッティ・ヴェイロン・スーパースポーツ – 1200ps(2010~2011年)
今やシロンに王座を奪われているかもしれないが、ブガッティの初代ハイパーカーは今でも最も認知度が高く、スーパースポーツはその究極の姿である。1200psという出力は標準のヴェイロンより200ps多く、最高速度は431km/hに達し、0-100km/h加速は2.5秒に短縮された。
ヴェイロン・スーパースポーツは25台のみ製造され、価格は270万ドル(約3億円)。もしこの価格が高いと感じるなら、エンジンフル回転で8分以内に100Lのタンクを空にしてしまうことを考慮する必要がある。優しく走ると5km/l程度は走るので、燃費が気になるなら決して飛ばさないように。
メルセデスAMGワン – 1248ps(2022年)
F1マシンを公道で走らせるというアイデアはこれまで実現されてこなかったが、メルセデスAMGは他の誰よりも夢に近づいている。F1由来のハイブリッド・パワートレインを採用したプロジェクト・ワンは、1.6L V6ガソリンエンジンと4基の電気モーターを搭載し、最高出力1248psを発揮する。
V6ターボチャージャーは、燃料の一滴一滴を最大限に活用するために電気で駆動されている。その結果、0-100km/h加速は2.5秒を切り、350km/hに達するまで止まることはない。
275台の生産が決定し、価格は200万ポンド(約3億円)。F1ドライバーのルイス・ハミルトンとともに2017年のフランクフルト・モーターショーでコンセプトカーが発表されて以来、かなりの時間が経過したが、2022年にようやく顧客のもとに届けられることを期待したい。
SSCアルティメット・エアロXT – 1318ps(2004~2013年)
コルベットをベースとしたSSCエアロは、最高出力793psで良好なスタートを切った。そして、アルティメット・エアロが1318psで見事にゴールを決めた。ツインターボチャージャーのおかげで2倍近い馬力を発生し、最高速度は412km/hに達する。風洞実験では、良好な条件下で439km/hを達成できることがわかっている。
アルティメット・エアロXTは6.9Lのシボレー製V8エンジンを搭載し、最高速走行テスト中に時速305kmでホイールスピンが発生したと報告されている。これだけのパワーがあるにも関わらず、74万ドル(約8460万円)のXTは5台しか買い手がつかなかった。不思議だ。
NextEVニオEP9 – 1379ps(2016年)
NextEVニオEP9は、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェで6分45秒9のラップタイムを記録し、ランボルギーニ・アヴェンタドール LP770-4 SVJにわずか0.5秒の差をつけて迫っている。EP9は、同サーキットでこれまでで最も速いEVとなっており、直線だけでなくコーナーでも非常に速いことが証明された。
それは、NextEVの4基の電気モーターが約1メガワットのパワーを発揮しているからだ。アクティブサス・ペンションと強力なエアロパーツが搭載され、240km/hで2.5トンのダウンフォースを発生し、F1マシンに匹敵するほどのパフォーマンスを実現している。価格は120万ドル(約1億3700万円)で、これまでに6台が販売されている。
ブガッティ・シロン – 1500ps (2016年)
ブガッティが新型車を発表したとき、誰もがヴェイロンを凌駕するだろうと考えていたが、出力が300psアップで1500psになったことはやはり驚きだった。335万ドル(約3億8000万円)で得られるスピードは420km/h。ただし、標準タイヤではこれ以上対応できないため、電子制御で制限されている。現在、市販車の世界速度記録は強化型のシロンが保持し、2019年に490.4km/hを記録している。
その最高速度が注目を集める一方で、クアッドターボ8.0L W16の巨大なパワーで楽しませてくれることは他にもある。0-97km/h加速2.4秒という速さは世界一というわけではないが、420km/hのリミッターに突き当たるまで、まるで荒れ狂う牛のように休むことなく突進を続ける。シロンのパワーをまざまざと見せつける走りだ。
ケーニグセグ・レゲーラ – 1520ps(2016年)
ケーニグセグは、5.0L V8ターボエンジンは決して最強のユニットではないと、はっきり認めている。その代わり、小さなターボでより良いスロットルレスポンスを追求したのだ。結果、エンジン単体で1115ps、ターボラグは710psの電気モーターで埋められ、合計出力1520psを発揮することが可能になった。
つまり、レゲーラは電子制御リミッターによって最高速度362km/hに抑制されたハイブリッド・ハイパーカーなのだ。0-100km/h加速2.8秒、0-300km/h加速10.9秒を実現。ケーニグセグのダイレクトドライブ・トランスミッションを採用し、重量はブガッティ・シロンが1995kgであるのに対し、1590kgに抑えられている。生産台数は80台で、価格は190万ドル(約2億1700万円)から。
ワイネック・コブラ – 1622ps(2006年)
コブラのレプリカもあれば、公道を走る1600ps超のワイネック・コブラもある。このオープントップ2シーターが1960年代のオリジナルと共通するのは基本的な形状だけで、16.0L V8に空気を送り込むための巨大なボンネットスクープを備えている。
そう、ワイネックには最大16.0Lのエンジンを搭載することができ、ターボやスーパーチャージャーを使わずに、静止状態から300km/hまで10秒以内に加速させることができるのである。エンジンはドイツのバート・ガンダースハイムの工場で手作業により製造され、9500rpmまで回転させることが可能。こうしたことから、このドラッグマシンの価格が54万5000ユーロ(約7060万円)である理由がご理解いただけるだろう。
ヘネシー・ヴェノムF5 – 1842ps(2020年)
ヘネシーは、ヴェノムF5を「アメリカのハイパーカー(America’s Hypercar)」と表現している。数字を見るよりわかりやすい説明だ。ヴェノムF5は最高出力1842psのツインターボ7.6L V8を搭載し、0-97km/h加速3.0秒、0-300km/h加速10秒、0-400km/h加速30秒未満で達成することが可能である。
この巨大なパワーがもたらすもう1つの結果が最高速度484km/hとされているが、これはまだ公式に証明されていない。24台のみ生産される予定で、価格は165万ドル(約1億8900万円)。ブガッティ・シロンと比べると割安に見えてしまう。
リマック・ネヴェーラ – 1940ps(2021年)
リマックはすでに電動ハイパーカー「コンセプト・ワン」でその名を轟かせている。8台生産されたこのクルマは100万ポンド(約1億5000万円)で、1240psのパワーにより0-100km/h加速を2.5秒で達成できる。しかし、リマックにとってこれは序章に過ぎなかった。フロントとリアの2基のモーターから1940psを発生させるネヴェーラが登場したのだ。
リマックはネヴェーラを150台製造する計画で、その価格は170万ポンド(約2億6000万円)から。この価格で、0-100km/h加速を1.85秒で駆け抜け、新しい水冷式バッテリーによって415km/hまで加速するゼロ・エミッション車が手に入るのだ。フル充電した状態での航続距離は、WLTPサイクルで549kmとされている。
ロータス・エヴァイヤ – 2000ps(2020年)
これまでコーナリングでの走行性能に優れたクルマしか製造してこなかったロータスの新型エヴァイヤは、かつてのエリーゼやエキシージとは一線を画している。500psを発生する4基の電気モーターが各車輪に個別にパワーを送り、同社にとって史上最強の市販モデルとなっている。
ロータスは、エヴァイヤが単なる一芸に秀でたモデルではないと主張しているが、そのストレートでの加速性能は注目に値する。最高速度は未確定だが、0-300km/h加速はわずか9秒を誇る。
130台の限定生産で、価格は170万ポンド(約2億6000万円)から。確かに高いが、WLTPでの航続距離は約346kmと、それなりの実用性を備えている。だが、エヴァイヤの性能の限界を少しでも探ろうものなら、おそらくこの数値には遠く及ばないだろう。
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みんなのコメント
『そんなパワー使える場所なんてない』って散見されるが、
そもそも購入層はそんな貧乏思考じゃない。
単に所有欲でしょw