印象的に優れる4種類の回生ブレーキ
text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
【画像】続々登場 純EVのコンパクトSUV メルセデス・ベンツEQAと競合モデル 全136枚
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
メルセデス・ベンツは、EQAプロトタイプの試乗時点では動的性能を明らかにしていなかった。しかし、0-100km/h加速が7.0秒以下であっても納得できるほど、加速は鋭い。GLAより車重は重く、最高出力は190psなのに、とてもたくましい。
さらにEQAで印象的だったのが、ステアリングホイールに取り付けられたパドルを介して制御される、エネルギー回生システム。運転状況に応じて、4種類のモードからアクセルペダルを放した時の減速度合いを調整できる。
もっとも強力に減速するのが、「D−−」というモード。かなりの勢いで運動エネルギーが電気エネルギーへ変換され、バッテリーに蓄えられる。
一方で標準的なモードになるのが「D+」。アクセルペダルを踏む力を抜いても目立った減速感はなく、惰性走行が可能となる。
D−−では完全に停止する時以外、普通に走っていればブレーキペダルを踏む必要がなく、慣れれば市街地での運転に便利だろう。一方で、D+は高速道路での巡航などに向いている。快適に長距離を走り続けられる。
すばしっこい動的特性と知的なエネルギー制御で、EQAは都市部での利用に最適。ただし、GLAと同一のステアリングシステムを利用している都合で、ライバルほど小回りは効かない。ID.3より、最小回転直径は1mくらい大きいようだ。
航続距離は満充電で400km以上
郊外へ出れば、プラットフォームを共有するGLAより磨かれた、空力特性のメリットが表れる。高速道路を流していても、サイドミラーなどからの風切り音はほとんど聞こえてこない。
一番音量が大きいのは、19インチ・ホイールとスタッドレスタイヤとの組み合わせが生むロードノイズだった。ご想像のとおり、走りの洗練性も極めて高い。そういっても、今の純EVで重要な性能となるは、やはり航続距離だ。
プロトタイプの試乗では航続距離は明確に示されていなかったが、EQA 250は満充電で400km以上走れると技術者は話していた。ちなみに、77kWhのバッテリーを搭載するフォルクスワーゲンID.3の場合、航続距離は548kmとうたわれている。
航続距離480kmを超えるEQAも登場するのでは、という噂もある。だが、発売当初のラインナップに加わることはないだろう。充電性能は、ACで11kW、DCで100kWにまで対応する。満充電までの時間も、試乗時点ではわからなかった。
車高が高めの前輪駆動ということで、スポーティさが高いとはいえない。サスペンションはGLAと同じで、フロントがマクファーソンストラット式、リアがマルチリンク式という組み合わせになる。
バッテリー搭載による、重量増への対応策は施された。スプリングとダンパーの設定を見直し、アンチロールバーはねじれにくいものになっている。
課題はリアシートと荷室のパッケージング
その結果、EQAのグリップ力は非常に高い。ステアリングホイールの操作に対する反応も正確で、車重を隠すように、滑らかに旋回していく。姿勢制御も良く調律されている。だが、足取りは確かなものの、車高の低いライバルほど俊敏なわけではない。
最新の純EVでは乗り心地に優れるモデルが多いが、このEQA 250も好例の1つ。軽くない車重ではあるものの、コンフォート・モードで素晴らしい落ち着きを得ている。
恐らく傷んだ路面を低速で走るようなシーンでは、GLAの方が滑らかにいなせるだろう。だが、強めの垂直方向の入力は、すぐに柔らかく抑え込んでくれる。EQAの穏やかな特徴を壊さないためにも、大径ホイールはあまりオススメしないでおこう。
まだプロトタイプながら、純EVの購入候補のなかに、メルセデス・ベンツEQA 250は間違いなく加えたいと思える。3万7000ポンド(518万円)という英国での予想価格が、予算と合うのなら。
今回の試乗では、ライバルと充分に渡り合える動的性能や快適性、洗練性や品質などを確かめられた。価格に対する航続距離も、充分な訴求力を持つだろう。シティコミューター以上のクルマとして。
既存モデルのGLAとプラットフォームを共有したことで、リアシートや荷室容量などのパッケージングで多少のビハインドがなくはない。コンパクトSUVクラスの純EVで大きな成功を収めるなら、今後の改善は外せないと思う。
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