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一時は「引退も考えた」ジェームス・コートニー、所属のティックフォードと“複数年”契約を更新/RSC

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一時は「引退も考えた」ジェームス・コートニー、所属のティックフォードと“複数年”契約を更新/RSC

 オーストラリア大陸のみならずオセアニア地域を代表する人気選手権、RSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップに参戦するフォード系のホモロゲーション取得承認チームであるティックフォード・レーシングは、2010年のシリーズチャンピオン、ジェームス・コートニーとの“複数年”契約延長を発表。2020年のシーズン中盤に加入した41歳のコートニーは、一時『引退の危機』に追い込まれながらも、晴れて今後4年間のフルタイムシートが確約されることとなった。

 2020年5月に、自身のパーソナルスポンサーであるブーストモバイルの支援を得てティックフォード加入を決めたコートニーは、この新たな契約により4年間のチーム残留が決定。来季2022年はこちらも契約更新が噂されるキャメロン・ウォーターズと、新加入のトーマス・ランドルとともに引き続きフォード・マスタング・スーパーカーをドライブする。

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「ティム(・エドワーズ代表)とこの契約を結ぶのは素晴らしいこと。チームの“少年少女たち”と付き合いが続くのは最高の出来事で、今からもう来季に向けワクワクしているよ」と、契約更新の喜びを表現したコートニー。

「僕らは本当に良いチームでダイナミックな変化を見せており、1年半前に僕が組織に加わって以来、いくつかの力強い結果をトラック上で証明することができた」と、全日本F3選手権王者でありスーパーGTでも活躍を演じたシドニー出身の大ベテラン。

 そんなコートニーは豪州復帰後からここまで482回のレーススタートを数え、15勝を記録。歴代12位となる60回の表彰台も獲得し、2022年の序盤戦にはフルタイムのスーパーカー参戦ドライバーとして17人目となる500戦目のスタートも迎える。

「今月後半にサーキットに戻ったら、もっと『うまくやりたい』と思うことは間違いないが、このチームやドライバー仲間と一緒に仕事をするのは本当に楽しいんだ。それに、自分の将来が大切にされていることを知りつつ、シーズン残りのパートに向かうのは本当にいい気分だね!」と続けたコートニー。

「すべてを整理して邪魔にならないようにするのは素晴らしいこと。これで終盤戦に完全集中して挑み、2022年に向け勢いをつけるたくさんの“シルバーウェア(銀器)”を持ち帰れれば良いね」

 この契約をまとめたティックフォード・レーシングのCEOであるエドワーズ代表は、現在ランキング9位で2015年以来のトップ10フィニッシュを目指すコートニーに対し、彼の「経験こそ再契約の重要な要素だった」ことを挙げ、2022年に導入される新車両規定“Gen3”の時代には「彼をガレージに留めることこそポイントになる」と明かした。

■「すぐに引退は考えられない」とコートニー
「複数年契約で再び彼と一緒に各サーキットを飛び回ることができてうれしい。彼は我々のプログラムに参加して以来、エンジニアにとって素晴らしい洞察の源であり、チームメイトにとって素晴らしいサウンドボードだった。彼はチーム全体と非常によく調和しており、我々のためにいくつかの素晴らしいレースを披露してくれた」とエドワーズ代表。

「加えて、Gen3時代のフォード・マスタングに移行して車両開発を推進する際には、彼のフィードバックは特に価値があると期待している。彼の残留と新規定マシンの導入、そのどちらも興奮せずにはいられない要素だね!」

 こうして17年目のフルタイムシーズンに臨むことが決まったコートニーだが、改めて“引退の危機”にも直面した激動の2020年が、自身の将来においてどのように重要な役割を果たしたかを説明した。

「正直に言えば、5年前の僕に『まだ今後もレースをしているのか』と尋ねたり、もしくは10年前に『40代半ばまで戦い続けることは可能か?』と誰かが聞いたとしたら、質問する相手のことを“クレイジーな奴だ”と思っただろうね(笑)」と、シリーズ公式サイト『Supercars.com』に明かしたコートニー。

「もちろん、その場で『まさか!』って答えただろう。僕はもう40歳になったら即、引退、クビ、後続に道を譲る、それで終わりさ、ってね。でも(2020年に新加入した)チーム・シドニーで起こったこと、経験したことがその考えを改めさせた。その半年で“引退後の生活”を垣間見ることになったが『ふざけんな、まだこんな生活の準備なんてできやしない!』って思ったんだ」

 新規チームとして創設されたチーム・シドニーの立ち上げに加わったコートニーは、開幕戦のわずか1戦でチームを去ることを余儀なくされた。その半年後、シートを確保したティックフォードでの3戦目となるダーウィンで、最初の表彰台を獲得するカムバックを演じた。

「戻ってきてからは、今のようにレースを楽しんでいる。すぐに引退は考えられないし、ありがたいことにそれはもう少し先の話になった。チーム・シドニーで起こったことの後、正直に言えば、ティックフォードでの経験自体がかなりシュールだった。6カ月もの間、まったくドライブしていなかったんだからね!」

「このスーパーカーに戻ったとき(2006年)、チームメイトはラッセル・インガルだったのを覚えている。当時『彼は歳を取っているし、なぜ引退して若いドライバーに道を譲らないのか』と感じたのを覚えている。でも今は、ラッセルが考えていたことがハッキリわかるよ(笑)」

「僕は元気を取り戻したと感じているし、スーパーカーで今まで思っていたよりもレースを楽しんでいる。まるでカート時代に戻ったかのようにね。グリッドの上下を争うのが大好きだし、次の週末を心から楽しみにしている」

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