MotoGP第6戦カタルニアGPのスプリントレースで、マルク・マルケス(グレシーニ)は2位フィニッシュ。予選の苦戦からは一転した走りとなったが、彼いわく新品タイヤの扱いに苦戦していることが原因にあるようだ。
マルケスはドゥカティ陣営に移籍してからすぐに速さを発揮している。前戦フランスGPでは予選13番手という中団グリッドから追い上げて2位という好結果だったが、カタルニアGPでもその再現のような展開となった。
■トップ走行ライダーが3名転倒の珍スプリント……引退決断のエスパルガロが地元でポール・トゥ・ウィン|MotoGPカタルニアGP
マルケスは初日のプラクティスでトップ10のタイムを記録できず、予選はQ1からの出走が決定。Q1では弟でチームメイトのアレックス・マルケスと協力してスリップストリームも利用する姿勢を見せたが、4番手タイムでQ1を敗退……14番グリッドと上位からは遠い位置でのスタートとなってしまった。
しかしマルケスはスプリントレースとなると一転して強さを発揮。1周目に8番手まで浮上すると、そこからライバルたちを少しずつ追い抜いていき、最後は上位の転倒も助けにまた2位を獲得したのだ。
予選の状況からは一転した走りだったが、マルケスによると、この原因には新品のタイヤを履いたときに苦しんでしまう問題があるのだという。
「つまり、2~3周するとフィーリングが良くなってくる、ということなんだ」とマルケスは言う。
「これが何故なのか、僕らとしては理解しなくちゃいけないモノだ。ル・マンでも同じようなフィーリングで、ここではそれが繰り返された」
「全く新しいタイヤでは苦戦してしまう。そしてこれはプレシーズンテストの段階から、かなり苦しんでいたことだった」
「その後、序盤のレースではなんとか誤魔化せていたけど、今はまた新品タイヤで苦戦してしまっている。フロントロウ、もしくは3列目あたりまでからスタートできていれば、全く別のレースになっていただろうから、僕らとしてもこの件は深堀りしなくちゃいけない」
「14番手からのスタートというのは、レース戦略にかなりのペナルティを抱えてしまうものなんだ。今はなんとか転ばずにきているけど、リスクが大きすぎる」
マルケスはスプリントレースがスタートした直後は、リヤのソフトタイヤのフィーリングは”最悪”であり、転倒しそうだと感じていたと話した。
「最初の2周は、フィーリングが最悪だったんだ」
マルケスはそう語る。
「いくつもの場所でフロントから転びそうになっているように感じていた。実際、序盤2周で僕は前を走るバスティアニーニ(エネア・バスティアニーニ/ドゥカティ)について行くのすら苦戦していたからね」
「でも3周目になると、ポテンシャルを感じ始めて、そこから他のライダーにアタックできるようになり始めたんだ」
「ここで一番重要なのは、3周は苦しんでも、20周が残っているということだ」
「もちろん、そういう考えは好きじゃないし、予選でもそれだけのポテンシャルは必要だからね。予選の改善なくしては何もできないんだ。ここが僕らの改善すべき部分だ」
「僕らは確かに改善すべき部分を金曜日に数多く抱えている。今日のラップタイムは3列目スタートに値するものだったんだ。それでも、僕が苦戦するコースだからまだ許容できるけどね」
なおマルケスは初日の苦戦から2日目にかけて、大きくセットアップを変更したことが、スプリントレースでの好走につながったと語っている。ただ予選では変更したマシンに十分に慣れていなかったため、Q1敗退となってしまったという。
「バイクのセットアップを大きく変えたんだ。これはドゥカティが陣営内に速いライダーを何人も抱えていることの良い点のひとつだね」
「分析ができるんだ。ときには僕が分析されてその方向へ進むこともあれば、今回のように僕たちが自分達の状況と他の人達の状況を分析して、そっちの方向に進むこともできる。それでフィーリングが良くなり始めたんだ」
「Q1での問題は、そのセットアップでの最初のタイムアタックだったことにあった。かなり違うセットアップだったんだ」
「でもレースペース面では走り続けていって乗り方を理解していった」
「明日も14番手スタートだからもう遅いけど、レース自体は長いし、リヤタイヤもミディアムになるだろうから、どうマネジメントできるか様子を見てみよう」
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