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説明が異なるメルセデスのタイヤ戦略「計画どおり」とラッセル、エンジニアは「やむを得ず」分けたと主張

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説明が異なるメルセデスのタイヤ戦略「計画どおり」とラッセル、エンジニアは「やむを得ず」分けたと主張

 ルイス・ハミルトンがメルセデスF1チームの僚友であるジョージ・ラッセルに先んじてスペインGPをフィニッシュできたのは、異なるタイヤ戦略を採ったことが主な理由だった。ラッセルが早めにピットインし、最後のスティントにハードコンパウンドタイヤを使用した一方、7度の世界チャンピオンであるハミルトンは第2スティントを延長し、最後のスティントで2セット目のソフトタイヤを使うことができ、ラッセルをオーバーテイクして今シーズン初の表彰台を獲得した。

 興味深いことに、ラッセルとトラックサイド・エンジニアリング・ディレクターのアンドリュー・ショブリンは、戦略が分かれたことについて異なる説明をしている。ドライバーはメルセデスの計画的な判断だったと主張したが、ベテランエンジニアは、戦略の分裂はハミルトンの優れたタイヤマネジメントによるものだったとしているのだ。

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 ラッセルは、スペインGPの最後の30周でハードタイヤを使用した理由について、「ハードタイヤがあまりよいタイヤではないことは分かっていたが、ルイス(・ハミルトン)と僕の間でリスクを分散したかった。スティントを延長すれば、後ろにいるシャルル(・ルクレール/フェラーリ)の脅威にさらされる可能性があったため、チームとしてリスクを減らす必要があった」と語った。

 一方のショブリンは別の説明をし、メルセデスの決定はラッセルが最後のピットストップを行った66周中36周目のラップを見てやむを得ず下されたものだと述べた。「実際、ピットストップを行うラップにもとづいた、非常に簡単な決断だった」と同氏。

「予選では全チームが5セットのソフトタイヤを用意した。つまり、ミディアムタイヤとハードタイヤをそれぞれ1セットずつしか持てないということだ。そして中間のスティントでは、ジョージ(・ラッセル)にミディアムタイヤを使わせた。もし20周のスティントを走るのなら、ソフトタイヤが最適なタイヤだった。スティントの早い段階でグリップは高く、デグラデーションは大きかったが、それが20周のスティントをこなす最速の方法だった。それに、そのタイヤでの最長スティントを見てみると、24週や25周を走っていたドライバーたちがいて、それが上限だった」

「だが、我々はジョージと30周走らなければならなかった。我々がハードを選んだ理由は、ミディアムをすでに使っていたためだ。そのレンジをカバーできるのは、これだけだった」

「しかし、ルイスのレースを見ると、彼は(中間のスティントを)長く走ることができた。そしてルクレールから充分に離れてアンダーカットの範囲外にいた。彼は、ソフトタイヤでフィニッシュできるところまで到達できたんだ。だから、ルイスにそうさせたのは簡単な決断だった」

 ラッセルの説明はミディアムタイヤを酷使しすぎたという事実を隠すためのものだったが、少なくともこのイギリス人ドライバーは、メルセデスがライバルチームに追いつく道を歩んでいると確信している。

「僕たちは現在コンストラクターズ選手権で4位につけている。ライバルたちよりも風洞実験の時間が長いし、今この大きな進歩を遂げるために何をする必要があるか分かっている。僕たちは全員、残りのシーズンに向けて興奮しており、これからはレースに勝ちたいと願っている」

「そして来年については、何が起こるか誰にも分からない。先週と今週のペースを見ると、アップグレードしてから2週間のうちに開催された2レースをリードしていることが分かる。これはシーズン開幕時には予想もできなかったことだ」

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