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【実車で感じるGT-Rとの差】日産フェアレディZ新型 あくまでもスポーツカー 気になるのは「パワー感」

掲載 更新 39
【実車で感じるGT-Rとの差】日産フェアレディZ新型 あくまでもスポーツカー 気になるのは「パワー感」

新型フェアレディZ 横浜で実車確認

text:Kenji Momota(桃田健史)

【画像】引き継いでいるところは? 歴代モデルと比較【フェアレディZ】 全192枚

2021年発売予定の新型「フェアレディZ」

「ほぼ量産型」と日産がいうフェアレディZプロトタイプが登場し、メディアやSNSでは様々な意見や感想が発信されている。

オンラインでの記者発表が行われたのが、2020年9月16日。

その後、筆者はフェアレディZプロトタイプの実車を見る機会がなかったため、9月末に横浜みなとみらいにある期間限定イベント施設「日産パビリオン」を訪れ、初めて実車を確認した。

日産パビリオンは10月23日まで開催しており、フェアレディZプロトタイプの展示は10月4日までだ。

日産パビリオン訪問の前、そこから徒歩3分ほどの距離にある日産本社ギャラリーに入った。

すると、ステージ上には日本では未発売のインフィニティ最新モデル「QX60モノグラフ」の姿。その斜め前には、2021年発売予定の新型EV「アリア」がある。

そして、総合受付窓口とテストライド(新車公道試乗)受付の前には、現行GT-R(R35)と現行Z(Z34)が並んでいる。

日産が誇るスポーティモデルの2台。改めて、座り比べてみた。

Z34に乗り込んでまず感じたのは、2シータースポーツカーらしさだ。外観では、フロント周りがボリューミーな印象があるが、車内ではそうした大柄さは感じず、キュッと引き締まった空気感がある。

一方のGT-Rは、Zとかなり違う雰囲気だ。

漫画制作で実感 GT-Rはスーパースポーツ

GT-R車内で感じるのは、スポーツカーというよりもスーパースポーツとしてのマシン感だ。レーシングカーの香りも強く、こうした感じがZにはない。

ここで1つエピソードを紹介したい。

R35 GT-Rが登場した2007年12月、筆者は集英社 週刊「ヤングジャンプ」別冊の月刊「漫革ヤングジャンプ」で、R35 GT-Rをメインとした読み切り漫画「GT-R リターンズ」を企画し原作を書いた。

日産の協賛作品ではなく、あくまでもオリジナル作品である。

当時、週刊ヤングジャンプ連載の「カウンタック」(梅澤春人:作)で、筆者は技術監修者として制作に参加していた。

そうした縁で、筆者独自の原作で自動車関連の作品をいくつか作っており、その1つの題材がR35 GT-Rだった。

漫画カウンタックの制作に絡み、フェラーリやランボルギーニのイタリア本社や、GMシボレーコルベットの北米工場なども取材。

また、R35 GT-Rについては、当時の日産幹部らから開発の進捗について定常的に聞いていた。

その上で、漫画GT-Rリターンズでは、富士スピードウェイを舞台に、ポルシェ・カレラGT、マクラーレンメルセデスSLR、フェラーリFXX、ブガッティ・ヴェイロンなどとR35 GT-Rを誌面上で対決させた。

その制作過程で、筆者は改めてGT-RとZの違いについて再確認した。

GT-Rが真のスーパースポーツであるということを。

新型Zと初対面 正真正銘Zと言える

そんなR35 GT-Rとの思い出を後にし、日産本社ギャラリーから日産パビリオンに向かった。

日産関係者らがオンライン記者会見で説明していた通り、フェアレディZプロトタイプの良さは実車で引き立つ。日産のZに対する丁寧な造り込みを感じる。

ウエスト部分のキャラクターラインが細いことなどが影響して、画像では面の張りが伝わりにくい。

全体フォルムとしては、やはり2シータースポーツカーである。その気配は先に日産ギャラリーで乗り込んだZ34より、さらに強いと直感した。

フェアレディZプロトタイプの隣に、1972年製の240G(初代S30)が展示されており、これら2台をじっくり見比べてみた。

大きさ感でいえば、240Gはかなり小さく見える。展示されたスペックは、全長4305mm×全幅1690mm×全高1285mm。

一方の新Zは、4382mm×1850mm×1310mmで、確かにフロント周りやサイドビューに「S30っぽさ」はあるように感じるが、やはり「別物」だと思う。

日産関係者らは、オンライン記者会見で「オマージュ」という表現を注意深く使っていたが、確かに新Zは単なるオマージュではないと、プロトタイプ実車を見てそう感じる。

初代S30のみならず、歴代Zのテイストを各所に散りばめて、という感じでもない。

それでも、実車を目前にすると「これが新型Zだ」とユーザーも言い切れる。

そんなクルマである。

新Z ドライバーの感性に訴えるものは

さて、新Zで気になるのはパワー感だ。

パワー感とは、単なるエンジン最高出力値・最大トルク値ではなく、ドライバーの感性に訴えるものだ。

今回、日産本社ギャラリーで、R35 GT-Rの隣にはVR38DETTを軸としたGT-Rのパワートレインの全容が技術展示されていた。

なんとも力強く、豪快で、重厚で、頼もしい。改めて、GT-Rにおける駆動系の凄みを認識した。

一方、Z34の隣には、搭載ユニットであるVQ37VHRのディスプレイがある。エンジン・ミッション越しに、Z34を見ながら、2シータースポーツカーとしてのパワー感のバランスの良さを思い出した。

それがフェアレディZプロトタイプになると、展示表示には、エンジン形式:V6ツインターボ、トランスミッション:6速マニュアルトランスミッションという記載のみ。

海外では、新Zの最高出力は400ps級といった報道を目にするが、そのパワー感をこのボディスタイルで、そして実走して、ドライバーはどう感じるのか?

スポーツカーという乗り物で最も重要なことは、作り手の、そして乗り手の感性である。

R35 GT-R、Z34、S30、そして新Z。

日産が誇るスーパースポーツとスポーツカー各モデルの実車をなだめながら、しばしの間、新Zの妄想ドライビングを楽しんだ。

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みんなのコメント

39件
  • 考えてみれば、日産にはトヨタ以上に、過去の秀作がある。
    アホな経営陣がめちゃくちゃにしてしまったが、
    頑張って立ち直ってほしい、、、
  • 「気になるのはパワー感」??ドライバーの感性に訴えるもの?400psをマニュアルで操るのです。一般ドライバーには充分すぎるほどのパワーを体感できます。この時代、これだけの馬力とトルクをマニュアル仕様で販売する日産に感謝です。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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