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どうなる自動車業界? 5月の新車販売、減産で苦戦 車両価格の上昇は「ボディブローのように」の懸念も

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どうなる自動車業界? 5月の新車販売、減産で苦戦 車両価格の上昇は「ボディブローのように」の懸念も

26万台を販売 前年5月比18.1%マイナス

執筆:Naojiro Onuki(大貫直次郎)

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新型コロナウイルスの感染拡大は弱まりつつあるものの、半導体などパーツの供給不足は依然として続き、多くのブランドで生産調整を余儀なくされている日本の自動車業界。

2022年5月の国内新車販売台数は、その波及が数字となって示された。

登録車の新車販売台数は、前年同月比16.7%減の16万1354台と9か月連続のマイナス。

また、軽自動車の国内新車販売台数も、同20.3%減の10万79台と12か月連続でのマイナスを記録する。

結果として、トータルでの国内新車販売台数は同18.1%減の26万1433台と、11か月連続で前年実績を下回った(自販連/全軽自協の速報値)。

マイナス幅は2021年9月の同32.2%減をピークに縮小していたものの、2022年1月に入って同14.2%減と再拡大し、2月は同17.9%減を記録。3月は同16.3%減、4月は同14.3%減とやや縮小していたが、5月は今年最大のマイナス幅となった。

登録車の5月のブランド別新車販売台数では、フリードなどの販売が堅調なホンダが前年同月比6.8%増(1万6873台)。

PHEVモデルの売り上げが伸びた三菱自が同73.1%増(3369台)と、前年実績超えを達成。

また、ノートなどの販売が好調な日産は同4.1%減(1万5954台)と1ケタ減に抑える。

それ以外のブランドはパーツの供給不足による生産の一時停止が響いて、2ケタのマイナスを記録。トヨタは同20.0%減(8万1204台)、スズキは同10.9%減(6741台)、スバルは同27.5%減(3480台)、マツダは同49.3%減(3332台)、レクサスは同30.8%減(3103台)、ダイハツは同30.1%減(1812台)と苦戦した。

軽はスズキが首位 今後の展望は? 関係者の声

軽自動車の5月のブランド別新車販売台数では、三菱自が前年同月比6.2%増(2758台)と、唯一プラスを達成。

一方、シェアトップに立ったのは同12.8%減(3万5152台)を記録したスズキで、2か月ぶりの首位に返り咲く。

前月トップのダイハツは、同19.8%減(3万1639台)と停滞して第2位に陥落した。
また、ホンダは同39.8%減(1万3668台)と苦戦。さらに、日産は同16.3%減(1万1025台)にとどまる。

一方、OEM供給を受けるブランドは、マツダが同1.7%減(2293台)、トヨタが同35.6%減(2216台)、スバルが同15.6%減(1326台)と低調に推移した。

業界関係者の声は?

5月の新車販売について業界団体の関係者は、「5月は中国やアセアンの各地域などで部品生産を再開したものの、サプライチェーンの完全回復には至らず、またコンテナの不足など物流の混乱も長引いていて、各ブランドが生産調整を余儀なくされた。その結果、新型車や人気車の受注残に対応できず、最終的に新車販売の前年割れの継続につながった」と解説する。

今後の展開に関しては、「新型車を中心に受注は底堅く、販売店への来客やオンラインによる商談も堅調に推移している。ボーナス商戦を迎える6月以降も販売台数を伸ばしそうなニューモデルや特別仕様車が相次いで発売される予定なので、プラスを回復する下地は十分にある」

「半導体などパーツの供給不足による各ブランドの生産調整は今後もしばらく続く見込みだが、コロナ禍によるサプライチェーンの混乱は改善しつつある。一方で懸念材料としては、ウクライナ情勢に伴う原材料価格の急高騰や原油価格の高止まり、そして円安の長期化などが挙げられる。中期的にみると人気車の需要に対応するだけの生産体制の回復は、まだ先になりそう。全体的な車両価格の上昇も、ボディブローのように市場で影響が出てくるかもしれない」と予想した。

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みんなのコメント

5件
  • 完全に負のスパイラル

    給与所得が減り税金関係は上がる一方 車自体の価格も上がり 気軽に買える値段の車がいよいよ軽と一部の小型車になってきた 昔と違い決して贅沢品ではない生活の道具となった車が 所得の減額で欲しいと思う車は高額になり贅沢品に逆戻り ワンランク上を狙おうと中古車に目を向ければ軒並み中古車価格も上昇

    一部の高額所得者は 金があっても車は無い 結局あらゆる購買層が買えないと言うジレンマ
  • 部品不足で造れないだけだから、その部品を使用しないで作れる製品を開発者に作って貰い製造するしかない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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