この記事をまとめると
■エンジン車はエンジンノ力が大きければ加速度は大きくなり車重が重くなれば加速度は小さくなる
「軽い」ってだけで「楽しい」は真理! 装備だらけで重くなりがちな現代でも生き残ってる「ライトウェイト」なクルマ4台
■クルマの運動性能を見る時はエンジンの力と車重をセットで見て比較することが肝要だ
■同じようなパワーウエイトレシオだと車重が軽いほうが走らせて気持ちが良い
クルマはパワーだけでなく車重も重要
かのアイザック・ニュートン先生はいいました。「物体に力が加わると、その力の大きさと物体の質量に比例した加速度が生まれる」と。
要するに、クルマの場合、エンジンの力が大きければ加速度は大きく、質量=車重が大きければ加速は鈍い(加速度は小さい)という話。
これがいわゆる「運動の法則」。つまり、胸のすくような加速力を得るには、エンジンパワーをでっかくするか、車体を軽くするか、はたまたその両方が必要だってことになるわけだ。
したがって、10トントラックのように、10.7リッター、460馬力、2200Nmのスペックを誇っても、車両総重量が11トン以上もあったら、脱兎のごとく走ることはできない……。
したがって、クルマの運動性能を知りたいときは、カタログのエンジンスペックだけを見てもダメ。エンジンの力と車重をセットで見て、比較することが肝要だ。
具体的には、エンジン1馬力あたりの車重を調べ、「車重」を「馬力」で割ればいい。これがいわゆる「パワー/ウエイトレシオ」。
たとえば、NAエンジンで1.5リッターのNDロードスターのパワー/ウエイトレシオは7.5kg/馬力(990kg/132馬力)。
1.4リッターターボのスイフトスポーツは、6.929kg/馬力(970kg/140馬力)。
NA2リッターのトヨタ86(ZN6)は、6.15kg/馬力(1230kg/200馬力)で、2.2リッターになったGR86(ZN8)だと、5.489kg/馬力(1290kg/235馬力)といった感じ。
カタログを見ると、パワーもトルクもけっこうな数値なのに、実際に乗ってみるとなんだか遅く感じるクルマもあるが、そうしたクルマはパワーの割に、車重が重いケースがほとんどだ。
このパワー/ウエイトレシオは、ファミリーカーなら10~12kg/馬力でもまずまずといったところだが、スポーツカーなら8.0以下kg/馬力でないと物足りないはず。
パワーがあるから気持ちいいとは限らない
EVだとパワー/ウエイトレシオより、トルク/ウエイトレシオを誇る車種もある。
ただし、パワー/ウエイトレシオが同じ数字であっても、走らせて気持ちがいいのは車重の軽いクルマの方。重いクルマは慣性が大きくなるので、ブレーキが利かない。しょうがないから、タイヤとブレーキを大きくする。しかし、タイヤとブレーキの消耗は早い……。
コーナリングも、コーナリング中にかかる遠心力は質量に比例して強くなるので、重いクルマは曲がりづらい。おまけに重いクルマは燃費も悪い。
アンダーパワーのクルマは爽快感がない。だけどそれ以上にオーバーウエイトのクルマは面白味がない。
気持ちいいクルマ、楽しいクルマを求めるのなら、エンジンの力と車重の関係に着目することが肝心で、おなじパワー/ウェイトレシオなら、車重が軽いクルマに軍配が上がるのが今回の結論。
余談だが、パワー/ウエイトレシオと合わせて、「ホイールベース・トレッド比」や「全高(重心高)÷トレッド」等も計算してみると、クルマの素性がわかって面白い。
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みんなのコメント
トルクに関しても体感できるのはトランスミッションでの減速を経て増幅されたものなので、エンジン最大トルクのカタログ値と感覚の乖離があっても何の不思議もありません。
「低回転大トルク」のディーゼル車も回転で稼げない分ギア比を高く採っているのでその分加速感は薄まりますし、絶対的な動力性能は結局パワーなりでしかありません。