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歴代最強の634ps/86.5kg-m アルピナB5 GTへ試乗 G30型のラストを飾る250台

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歴代最強の634ps/86.5kg-m アルピナB5 GTへ試乗 G30型のラストを飾る250台

250台限定 最後のG30型アルピナ

2026年までに、アルピナはBMW傘下の高性能ブランドとして再編される。メルセデス・ベンツとAMGの関係のように。それまでは、年間2000台に届かない生産数が大きく増えることはないだろう。その後どうなるのかは、我々には知らされていない。

【画像】歴代最強の634ps/86.5kg-m アルピナB5 GT 競合クラスのステーションワゴンは? 全117枚

ドイツ・ブーフローで培われてきたブランドイメージを活用し、Mモデルやロールス・ロイスとは異なるモデル展開をBMWが進める可能性は高い。特に、上質なインテリアを中心に。だが、メカニズムへ独自のアップデートが施されるのかは、定かではない。

今回ご紹介するB5 GTは、従来のアルピナ・レシピに則って作られる1台。他に例のないオールラウンダーだといえる。しかも、生産数は250台と非常に少ない。

ベース車両は、G30型5シリーズのM550i。既に次世代の5シリーズが発表されていることは、AUTOCARの読者ならご存知かもしれない。アルピナが擁する約100名の技術者によって、一層の高性能化が図られたG30型最後の特別なモデルだ。

過去にはB10と呼ばれてきたB5は、歴史的にアルピナのフラッグシップ・モデルを務めてきた。ブランドのアプローチを、最も端的に体現したモデルとして。圧倒的に速く、日常的に乗りやすく、控えめな見た目で仕立てられてきた。

最新のB5も同様。直線ではスーパーカー顔負けの加速を見せつける。しかし、乗り心地はリムジンのように上質。BMW M5 CSのように鋭い回頭性は披露せずとも、秀でた姿勢制御とステアリングの精度、懐の深さで、運転を堪能できる。

同社史上最強の634ps 最大トルクは86.5kg-m

このB5 GTは、アルピナの見事な技術力が証明されているだけでなく、BMWをベースに独自モデルを60年間も生み出し続けてきた、同社の歴史を自ら讃えるモデルでもある。英国価格は、約12万5000ポンド(約2187万円)。ちなみに、既に完売している。

1台1台丁寧に作られるB5 GTにはサルーンもあるが、ツーリングと呼ばれるステーションワゴンの方が多いそうだ。納車は2023年の後半から。オプションのフルラヴァリナ・レザー内装を指定した場合、手間がかかるため2024年末まで待つことになる。

基本的なシャシーやパワートレインは、既に販売が終了している、従来のB5と大きくは違わない。しかし、吸気系統とECUなどに手が加えられ、4.4L V型8気筒ツインターボ・ガソリンエンジンの最高出力は620psから634psへ増強されている。

その結果、B5 GTはアルピナ史上最強モデルという座を掴んだ。カタログ上の最高速度は330km/hがうたわれているが、非公式ながら、実際は354km/hまで出るらしい。

最も注目すべきは最大トルク。3500rpmから、86.5kg-mという凄まじい腕力を繰り出す。M5 CSより13%も高く、アストン マーティンDBS770 アルティメットに迫る。

今回の試乗場所は、国際的なグランプリも開催できるオランダ・ザントフォールト・サーキットだったが、収まりきれないほどの動力性能を発揮してみせた。特に中回転域でのたくましさは半端ない。

思い切りテールを振り回すことも自在

アルピナによれば、シャシーも僅かに引き締められているとのこと。だが、オリジナルのB5が持つ、優れた衝撃吸収性を失わないことへも注意が払われた。

結果として、サスペンション・スプリングのレートとダンパーの減衰力、アクティブ・アンチロールバー、後輪操舵システムの特性などに手はつけられなかった。バンプストッパーは新しいというが、それは極めて高負荷時に効果を発揮するに過ぎない。

車高は僅かにリア側で落ちている。四輪駆動システムのトルク分配率も、若干リア寄りになった。シャシー剛性を高めるため、フロントサスペンションのストラットトップとバルクヘッド間に、新しいブレースも装備されている。

この内容から考えると、コーナーではごく僅かに鋭敏さを増しているはず。だが、直接乗り比べても変化へ気付くことは難しいだろう。

少なくとも、ザントフォールト・サーキットで存分に楽しませてくれたことは間違いない。手に負えないアグレッシブさはなかった。ステアリングのレシオは理想的といえ、低速コーナーでは思い切りテールを振り回すことも自在。直感的に扱える。

リアアクスルにはリミテッドスリップ・デフが組まれ、オーバーステアを支配下に置くことへ貢献している。従来のB5と同じく、モータースポーツで愛用されるドレクセラ社製の機械式。M5の電子制御LSDより、挙動を読みやすい。

容姿は文化的なステーションワゴンにも見える。だが、本気を出せばワイルドでもある。

壮大なスーパーサルーン/ワゴンの節目を飾る

オーバースピードでコーナーへ突っ込むと、1980kgのB5は、M5 CSより穏やかなアンダーステアへ転じやすい。つまり、驚異的に速いのと同時に、基本的にはドライバーへ優しい安定志向でもある。

今回は許されなかったが、公道へ出れば、その安楽さへも心が打たれるだろう。舗装の古いコース裏の通路を走らせた限り、充分しなやかに思えた。

通常のB5とB5 GTとを見分けるポイントとしては、ブロンズゴールドのアルミホイールがわかりやすい。また、ディフューザーがフロントバンパーの下から突き出ている。

インテリアでは、アルカンターラで包まれた、M5仕様のフロントシートをオプションで選べた。ステアリングホイール裏には、マロン・ボルシアーノというカラーで着色された、アルミニウム製のパドルが光る。

全体的なコーディネートとしては、かなり控えめではある。だが、壮大なスーパーサルーン/ワゴンの節目を飾るモデルとして、ピッタリの仕上がりだと思う。

アルピナB5 GT(欧州仕様)のスペック

英国価格:約12万5000ポンド(約2187万円)
全長:4978mm
全幅:1868mm
全高:1466mm
最高速度:330km/h
0-100km/h加速:3.2秒
燃費:−km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:1980kg
パワートレイン:V型8気筒4395ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:634ps/5500-6500rpm
最大トルク:86.5kg-m/3500-5000rpm
ギアボックス:8速オートマティック/四輪駆動

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みんなのコメント

7件
  • 次はベースの5が相当な見た目駄作だからこれが最後かも。ま、買えないけど
  • ポールマッカートニー曰く、
    コロナ禍でのマスク生活は最高だ!スーパーに買い物に行っても誰も気が付かないから。
    アルピナとはそんなクルマかな。B10(e34),B4(2022)所有してますが、とても気に入ってます。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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