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<全日本ロードレース> JSBニュージェネレーション躍動!~23歳野左根が21歳水野を下す!~

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<全日本ロードレース> JSBニュージェネレーション躍動!~23歳野左根が21歳水野を下す!~

全日本ロードレース岡山大会は、きのう土曜こそ残暑というか、まだまだ暑い盛りというか、鈴鹿8耐からもてぎ2&4を引きずったようなお天気でしたが、きょう日曜は朝からどんより。時折小粒の雨が落ちてくるようなコンディションでオープンニングレースのJ-GP3クラスがスタート。結果、J-GP3クラス終盤に降り出した雨がお昼前には本格的になり、J-GP2クラスがスタートするものの、雨と多重クラッシュのために赤旗中断。そのままウェットレースが続く日曜となってしまいました。

午後イチに行われたJSB1000クラスもウェットレース。コースはたっぷりウェットで、降る雨はしとしと、といった感じ。このレースで、朝のウォームアップランでトップ2を占めた中須賀克行(ヤマハファクトリー)と高橋巧(TeamHRC)を差し置いて、レース序盤から新世代のライダーふたりが飛び出しました。
それが、野左根航汰(ヤマハファクトリー)と水野涼(MuSASHi RTハルクプロHonda)のふたり。

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このふたり、前戦もてぎ2&4でも中須賀、高橋と真っ向勝負を繰り広げていて、全日本ロードレース後半戦で注目すべきライダーです。水野は前戦もてぎでJSB1000クラス初表彰台を獲得していて、その水野とレース中盤まで2番手争いを繰り広げていたのが野左根。野左根はその後、転倒して大きく順位を下げてしまうんですが、強烈な印象を残したのは事実でした。
「ここのところ、ちょっと守りの走りになってしまっていたので、転んだとはいえ、そこまで攻められてよかった」(野左根)と言ってのけたのです。

もてぎ大会直後の、ここ岡山国際サーキットでの事前テストでも、2日間で野左根と水野がトップタイムを分け合う走りを見せ、迎えた岡山大会、というわけだったのです。

そして雨の決勝レース。スタートよく飛び出して真っ先に1コーナーに飛び込んだのは水野。その水野に折り重なるように野左根が前に出て、オープニングラップを制したのは野左根。そのまま野左根はハイペースでトップを走り、なんとかくらいつきたい水野とふたりで、3番手以降を引き離すようなレース展開を見せていきます。3番手には中須賀、その後方に高橋。現在、チャンピオン争いを繰り広げているふたりを引き離しての、23歳野左根と21歳水野の走りっぷりでした。
ちなみに現在の日本最速トップ2といえる中須賀は38歳、高橋は29歳。年齢はさして重要じゃないかもしれませんが、それでも野左根と水野は確実に新世代のライダーですからね。

なんとか後方を引き離して独走したい野左根、そうはさせたくない水野の差はジリジリと広がり始め、テールtoノーズから、レース中盤には3秒、チェッカーのころには4秒ほど開いて終了。野左根がうれしい今シーズン初優勝、水野はうれしくも悔しい2レース連続2位フィニッシュ、となったレースでした。

「優勝したのはもちろんですけど、中須賀さんより前でフィニッシュできたのがホントうれしいです。初優勝よりうれしいかも」と野左根。これまで、ツインリンクもてぎで2勝を挙げている野左根ですが、いずれも中須賀が転倒したレース。表彰台の頂点から、初めて中須賀センパイを見下ろした、ってわけです。

「2レース連続で2位っていうのも悔しいけど、野左根選手に負けちゃったのが余計に悔しいです。普段は仲良くしてもらっているし、歳も近いから、なおさら負けたくないのに…」と水野。

そのやりとりを横目で見ていた中須賀も、新世代の台頭を肌で感じているようでした。
「こうやって若いふたりがやりあってくれるのは、うれしいような悔しいような、ですね。もちろん、まだまだ負けるつもりはないけど、僕に勝ってこうやって航汰が喜んでくれているのは、航汰にとって高い壁でいられてるのかな、とは思います」(中須賀)

その中須賀は、この岡山を含むシーズン残り3戦5レースで、ランキングトップを走る高橋を逆転したい大事な一戦。中須賀3位、そして高橋が4位に入ったことで、ポイント差は縮まったとはいえ、わずか2ポイントのみ。逆に、高橋にとっては、前戦もてぎ大会に続いて、ロストポイントを最小限に食い止められたレース、ってことになります。
「前のふたりが速くて、とても追いつけないな、って思たころには、キッチリ3番手キープの走りに切り替えられました。もちろん巧くんのポジションもサインボードで出してもらっていたし、巧くんの前でフィニッシュできて、最小限の仕事ができたってこと。残り4レースで勝負です」(中須賀)

対して、前戦もてぎ大会の事前テストで右足腓骨骨頭を亀裂骨折していた高橋は、ケガを治しながらのガマンのレース。4位フィニッシュはもちろん納得いかないものでしょうが、中須賀が3位ということを考えると上出来だったのかもしれません。
「足のケガはもう問題ないです。今日はウィークでほぼ初めての雨ってことでキッチリとマシンを詰め切れなかったし、思っていたより雨の量も少なくて、それでトライしていたセッティングが機能しなくてペースを上げられなかった感じです。ドライのレースだったら、もう少し体はキツかったのかもしれないけど…どうかな、でも最小限のレースはできました」(高橋)

高橋にとってみると、足のケガで本調子ではないこの2戦が、どちらも1レース制だったこともラッキでしたね。これが、たとえばシーズン開幕直後のもてぎ→鈴鹿のタイミングだったら、4レース分、ガマンのレースをしなきゃならなかったんです。当然、ロストポイントも2レースの時の、単純計算で倍。これは、高橋にラッキー、ってところです。

これで全日本選手権は、いよいよ終盤のオートポリス大会(10/5-6)と最終戦MFJグランプリ鈴鹿大会(11/2-3)。その前に、高橋はWSBKポルティマオ大会への代役参戦が決まっています。いろんな要素を経て2019年のチャンピオンが決まっていくわけなのです。

■全日本ロードレース 岡山大会 JSB1000クラス正式結果

1 野左根航汰 ヤマハファクトリーレーシング 39分32秒122
2 水野 涼  MuSASHi RTハルクプロHonda +4.039s
3 中須賀克行 ヤマハファクトリーレーシング +11.446s
4 高橋 巧  TeamHRC           +16.869s
5 津田拓也  TKスズキBLUEMAX      +55.371s
6 加賀山就臣 ヨシムラスズキMOTUL     +58.608s
7 秋吉耕佑  auテルルMotoUPレーシング  +1'03.512s
8 渡辺一馬  カワサキTeamGREEN     +1'10.851s
9 岩戸亮介  カワサキTeamGREEN     +1'21.540s
10 渡辺一樹  ヨシムラスズキMOTUL     +1'33.540s

写真・文責/中村浩史

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