Bentley 4 1/2 litre “Team Blower”
ベントレー 4 1/2リッター “チーム ブロワー”
ベントレー チーム ブロワーの完全復刻。CADモデルも完成しプロジェクトは順調に進行中
ティム・バーキン卿のチーム ブロワーが現代へ蘇る
ベントレーは、2020年4月16日に「チーム ブロワー」の再生プロジェクトに用いるCADモデルが完成したと発表。最終的には12台の生産を予定しており、すでに全車売約済みとなっている。価格は公表されていない。
1929年にサー・ティム・バーキンの依頼で製作された伝説の名車「4 1/2リッター “チーム ブロワー”」がいよいよ現代に蘇ろうとしている。
戦前のレースカーを継続生産するのは「世界初」
ベントレーが2019年に公表した「ブロワー コンティニュエイション シリーズ(Blower Continuation Series)」は、昨今プレミアム自動車メーカーの間でひとつの潮流となっている継続生産プロジェクトによるプロダクト。オリジナルの設計図や部品を用いてかつての名車を蘇らせる、過去と現代を繋ぐ事業だ。ブロワーはいわずとしれた1929年の傑作だが、戦前のレースカーが継続生産モデルとして発売されるのは世界で初となる。
今回完成したのは、車両のマスターデザイン及び製造技術のレファレンスとなるデジタルCAD(コンピュータ支援設計)モデル。たった4台のみが製造されたオリジナルのチーム ブロワーのうち、ベントレー所有のシャシーナンバー「HB 3403」を慎重に解体したうえでレーザースキャンや手作業による計測を行ない、CADデータを作り上げた。
1200時間かけて2GB超のCADデータを構築
CADモデルは630個のコンポーネントで構成した70個のアセンブリーに分かれており、膨大な情報量を内蔵している。総データ量は2GB以上に及ぶ。
スキャンデータや測定値からCADモデルを完成させるのに要した時間はのべ1200時間。専任のCADエンジニア2名が取り組み、1920年代のベントレーの完全なデジタルモデルを作り上げた。現在ベントレーは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を受けてスタッフのテレワークを余儀なくされているが、技術者たちは在宅で作業を進め、デジタルモデルの完成に漕ぎつけたという。
CADデータは部品の設計・開発のリファレンス元としてはもとより、正確なフルカラーのレンダリングの作成にも役立つ。顧客がエクステリアやインテリアの配色、素材などを選ぶ際の手助けとなる“コンフィギュレーター”のベースになる。
1920年代の金型や治具も再び活躍
量産を担当するのは、ベントレー マリナーのクラシック部門。ビンテージ専門のチームと協力し、必要な一連のパーツを設計・製造し直していく。
オリジナルモデル製造時に使用された1920年代の金型や治具、伝統的な工具に加え最新の製造技術も駆使して12台分のパーツを生み出す。
過給機付き4 1/2リッター4気筒は240馬力を発生
オリジナルのチーム ブロワーの継承車として、コンティニュエイションシリーズの各車両には鋳鉄製シリンダーライナー/取り外し不可能な鋳鉄製シリンダーヘッド/アルミニウム製クランクケースを備えた4気筒16バルブエンジンを搭載する。
アマースト ヴィリエ マーク4(Amherst Villiers Mk 4)のルーツ式スーパーチャージャーも忠実に再現。排気量4398ccのエンジンは4200rpmで240bhpのパワーを発揮するという。
ボディはプレススチールフレーム構造。半楕円リーフスプリング サスペンションに、ベントレー&ドレイパー(Bentley & Draper)製ダンパーを複製し組み合わせている。ベントレー・ペロー(Bentley-Perrot)製の直径40cm(17.75インチ)の機械式ドラム・ブレーキも復刻、ウォーム&セクター(ボール ナット)式ステアリングを搭載する。
オリジナルは分解を機に徹底レストアを実施
コンティニュエイションシリーズ製作のために分解されたオリジナルのチーム ブロワーは、この機会を利用してヘリテージチームが詳細な検査を実施。1929年当時のオリジナルの仕様へ戻すべく、昔ながらのレストアを行なったうえで元の姿に戻される。
ヘンリー“ティム”バーキン卿の駆ったオリジナルのブロワーと、現代のベントレー・ボーイズらの乗るコンティニュエイションシリーズがフランスのポーを走る。そんな日がやがてやってくるかもしれない。
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