MotoGP第19戦マレーシアGPの決勝レースで転倒し上位フィニッシュのチャンスを失ったグレシーニのマルク・マルケス。彼はレースを振り返ると、トップ2の争いを最前列で”観戦”するための代償を支払ったと話した。
マルケスは予選5番グリッドから決勝をスタートすると、好加速を見せて3番手に浮上。タイトルを争っているフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)とホルヘ・マルティン(プラマック)の後ろに続いた。
■3連覇風前の灯火のバニャイヤ、最後まで諦めず「何かが起きる可能性だってある。必要なら誰かにスリップストリームも貸すよ」
今回は1周目からバニャイヤとマルティンが、まるで転倒のリスクを忘れてしまったかのような激しいバトルを展開し、マルケスはそこに加わるまでには至らない、少しだけ離れたポジションをとった。
後半に向けて追い上げるかとも予想されていたが、マルケスは8周目に転倒。レースに復帰はしたものの表彰台チャンスを失い、12位フィニッシュとなった。彼はこの転倒をタイトル争いを”観戦する代償”だったと表現している。
「よく見えたよ。最前列のチケットを手に入れたけど、高くついたね」
タイトルを争うふたりのバトルをどう見たかと訊かれたマルケスは、そう答えた。
「彼らについていこうとしたんだけど、本当に速くて僕は転倒という形でその代償を支払ったんだ。ペッコが攻めるのは予想していたけど、マルティンがあそこまでリスクを負うとは思っていなかった。彼はリスクをとることを決め、ある時点まではそれが上手くいっていた。そしてペッコのほうがわずかに速いことを受け入れたんだ」
「実際マルティンが攻めていたとき、その速さについていこうとしたけどできなかった。僕たちは後方を離しつつあったけど、彼ら(バニャイヤとマルティン)はもう一段階ギヤを上げていた」
トップ2の争いの激しさは、3周の間に15回というオーバーテイクの回数が物語っている。このバトルの最中に”何か”が起きていれば転倒やクラッシュがあり得たと言える。その場合マルケスが単独トップに立っていたかもしれない。
彼は真後ろからそのバトルを見ていたが、危うい瞬間はあったと語っている。
「僕はレースに勝てるとは思っていなかったけど、”うわっ”と思う瞬間はあったよ。あれはフェアなバトルだったけど、ストレートで接触もしていたからね。でもまあ、彼らは彼らのすべきことをしていたと思う」
「ペッコは勝たなくてはならないと思ってレースに挑んでいた。最後のレースがどうなるか、様子を見てみよう」
決勝レースの結果、タイトル争いはマルティンが24ポイントリードした状態。決着は最終戦へと持ち越された。
かなりマルティンが優位な立場にあるが、マルケスはマルティンが勝つだろうと語る。
「ホルヘがタイトルを獲得すると思う。まあ、彼次第ではある。このスポーツはどうなるか分からないものだし、絶対に勝つとは決して言えないけどね」
「例えば今日もそうだ。スプリントでペッコはムリはしていなかったのに転んだと言っていたけど、僕も今日、あのラップで無理はしていなかったけど転倒した。バイクでは何が起こるかは決して分からないし、11月のヨーロッパへ向かえばそれがどのサーキットでもなおさらだ」
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