この記事をまとめると
■クロカンモデルにはときおり黒くて長い煙突のようなものがついていることがある
昔はド定番だったのに! クルマの黄色いフォグランプが消えたワケ
■シュノーケルと呼ばれ、吸気口を高い位置にもってきて渡河深度を確保する目的
■ドレスアップ目的での見た目だけのカスタム車もある
深い川や池をクルマで渡るなら必須装備
ノーマルのクロカンには付いていないが、カスタム車に付いているのは見かけるし、純正でも海外仕様には付いていることもあるのが、ボンネットから出てAピラーに沿って付けられている煙突みたいなパーツだ。
煙突的な機能ではあるのだが、吐くのではなく、吸い込むためにあるもので、シュノーケルと呼ばれている。海などで使うシュノーケルと同じで、エンジンへの吸気をここで行っている。つまりエアクリーナーへとつながる吸い込み口を延長することにより、水深が深いところを走ることが可能になる。ちなみにカスタムの場合は雰囲気ということで、ボンネット内部やエンジンにつながっていなかったりすることもある。
エンジンは水を吸い込んでしまうと、ホンのわずかなら問題ないこともあるが、大量だとピストンが上昇できなくなって内部が破損するウォーターハンマーと呼ばれる現象が発生してしまう。これを避けるため、シュノーケルを付けて吸気口を上に持ってきているのだ。もちろん電気系などの保護は必要だ。
シュノーケルがあっても車体全体が沈むような水深は無理
対策してあれば、エンジンというものは内部に入っているオイルが外に出ることはないし、排気ガスも漏れないことからもわかるように、気密性は高いので、走ることはできる。ただ、車内への水の進入を考えると、潜水艦のように全部が隠れるような水深は無理で、せいぜいボンネットあたりが限界だろう。
吸気についてはシュノーケルの装着で解決できるとして、排気はどうすればいいのだろうか? シュノーケルを装着しているクルマでも、暴走族の竹ヤリみたいな長い排気管を付けているのを見たことはない。もちろん排気の場合は必要がないからで、エンジンがかかっていて回転がある程度あれば、マフラーから水が入ってくることはない。もちろん止まってしまえば流れ込んでくるので、水深があるところを走るにはシュノーケルを付けるだけでなく、運転テクニックも必要と言っていい。
そのほか、シュノーケルのメリットとしてはエンジンから離れていることで、冷たい空気を吸えるということや、吸気の流速が早くなる効果もあって、パワーやトルクが上がるともいわれている。
ただ、後者に関してはエンジン特性を元に計算された長さにしているわけではないので、少々疑問は残る。アクセルをいきなり踏み込んで大量の空気が必要になったときに対応するチャンバー効果はありそうではある。
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みんなのコメント
日本ではスノーケルを着けていても、ミッションやデフケースのブリーザーを水面上に出さなければ浸水することを知らない人やショップが多い。