アルファタウリ(現RB)でチーム代表を務めたフランツ・トストは、2025年にマックス・フェルスタッペンのチームメイトとしてレッドブルに昇格するリアム・ローソンに対し、4度の世界チャンピオンと競おうとせずに、まずは自分自身がやるべき仕事に集中しなければ、良くない結果に終わるだろう、とアドバイスした。
トストは、レッドブルのジュニアプログラムにおいて、成長期にあったローソンの才能を育てる上で重要な役割を果たした。彼は、2025年にレッドブルで走るローソンにとって大事なのは、「史上最高のドライバーのひとり」であるフェルスタッペンと自身を比べようとすることなく、自身の成長に集中することであると考えている。
ローソン、フェルスタッペンは“最も手強い相手”である一方「彼以上に学ぶべき人はいない」とレッドブル昇格の好機を喜ぶ
2023年にアルファタウリで、負傷したダニエル・リカルドの代役としてF1にデビューしたローソンは、2024年にはリカルドに代わってRBのシートに就き、終盤6戦に出場、印象的な活躍を見せた。2025年に向けてレッドブルは、不調が続いたセルジオ・ペレスとの契約を打ち切り、後任にローソンを抜擢した。
フェルスタッペンは、マシンから最大限のパフォーマンスを引き出す能力と、プレッシャーの下でも冷静でいられる能力を兼ね備えている。そのため、どれほど才能のあるドライバーであっても、彼のチームメイトを務めるのは簡単なことではない。
これまで、ペレス、リカルド、ピエール・ガスリー、アレクサンダー・アルボンらが、フェルスタッペンのチームメイトとなることにより自分が受けるマイナスの影響と戦わなければならなかった。
トストは、ローソンのポテンシャルと今後の課題について、ドイツのウェブサイト『F1-Insider』に自身の見解を語った。
「角田(裕毅)とローソンはどちらも昇格するのにふさわしかった」とトストは評価した。
「リアムについて言えることは、自分の仕事に集中し、マックス・フェルスタッペンと戦おうとしないようにする必要がある、ということだ」
「マックスはミハエル・シューマッハーやアイルトン・セナと同等の、史上最高のドライバーのひとりだ。彼はまだピークには程遠く、無限の可能性を秘めている」
「マックスはいまや4度のワールドチャンピオンであり、大きな自信を持っている。リアムは自分のことだけを考えて、マックスと一緒にマシンを良くしようと努めるべきだ。それ以外のことは致命的な結果になる可能性があり、失敗する運命にある」
レッドブルF1のチーム代表クリスチャン・ホーナーも、ローソンが直面する課題を認識している。『ESPN』のインタビューで、ホーナーは23歳のルーキーが過度のプレッシャーを感じることなくグランプリを戦えるようにすることの重要性を強調した。
「重要なのは、彼にプレッシャーをかけすぎないことだ。同世代の最高のドライバーと対戦することで、彼が自分自身に過度のプレッシャーをかけることを防ぐ必要がある」とホーナーは説明した。
「1号車で何が起きているのかについてのデータはほぼ無視して、自分のエンジニアリングチームと自分がやっていることだけに集中し、できる限りのベストを尽くすだけでいい。そうすれば彼は大丈夫だ。彼がそうできるように、チームとしてサポートしたい」
「来年はマックスだけでなく彼にも適したマシンを提供したいと考えている。そして彼がどういう仕事をするのかを見ていく」
ローソン自身は、この課題を重荷ではなくチャンスと捉えている。彼はフェルスタッペンとともに仕事をすることは自分にプラスになるとして、F1ドライバーとしての成長を加速させるまたとないチャンスだと前向きに考えている。
「マックスに立ち向かうことは、これ以上ないほど大きなチャレンジになると思う」とローソンが語ったと『Motorsport Week』は報じた。
「ある意味ではグリッドで最高のシートだ。最も優れたドライバーから直接学ぶことができる。すべてのセッションで彼のデータにアクセスし、彼のパフォーマンスを正確に把握することができるんだからね」
「F1に参戦し始め、成長中のドライバーである僕にとって、最高の環境だよ」
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