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建築家・藤本壮介にインタビュー ──「大阪・関西万博」への挑戦

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建築家・藤本壮介にインタビュー  ──「大阪・関西万博」への挑戦

いよいよ4月13日より「2025年日本国際博覧会 大阪・関西万博(EXPO 2025)」が始まる。会場デザインプロデューサーを務め、「大屋根リング」を手掛けた藤本壮介が、その意義を語る。

大阪・関西万博の会場デザインプロデューサー、藤本壮介

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国際的に活躍する建築家の藤本壮介。「今、万博を開催する意義とは?」と考え抜いた末、会場デザインプロデューサーというポストの受諾を決めたという。

「技術の祭典でもあり、同時に、人類がこれからどうしていくか、世界がつながり合う方法を考え直す場となるはずだと考えました。戦争が続き、世界の分断が深刻化している今だからこそ、世界から人々が集まり対面する万博は、唯一無二の価値を持つはずです」

大阪・関西万博の会場全体のプランを考えるのが藤本の役割だ。160以上の国・地域や国際機関が参加し、パビリオンを自国でデザインする国があれば、主催側が用意したパビリオンで自国のコンテンツを発表する国もある。それをまとめ上げるプランとして、スムーズな回遊性と、雨や日差しを遮る機能性を両立させるべく、「大屋根リング」を考案した。

「そこまで広くない場所に約160の国や地域が集まることは奇跡的なこと。そこで、回遊路を一番シンプルな形にし、どんな文化背景を持つ人が見ても、円の中に世界中の人々が集まっていることを実感できる場にしたかったのです」

巨大な構造体を木製で仕上げる。世界的にサステナブルな建築として木造の大型建築技術が注目されている潮流があり、日本には伝統的な木造建築技術がある。神社仏閣の組み木の技術を現代化し、サステナビリティを含む未来へのメッセージを大屋根に込めた。

「いろいろな意見やアイデアを聞いて設計を行うのですが、すべての意見を集めると、どうしてもそこには矛盾が存在します。しかし、批判も含め色々な声にきちんと耳を傾けて建築に移し替え、それがものとして立ち現れると、不思議とそうした言語的な矛盾が消えていくんです。実体験を伴う場には、それだけの力がある。そうした場をつくることは、言葉による分断が進む現代だからこそ、救いと希望になると考えています」。建築面積約60,000平方メートルで高さ12m(外側20m)、内径約615mという木造建築が多様な世界をまとめ上げる力強さをこの目で確かめたい。

藤本壮介/SOU FUJIMOTO建築家。1971年、北海道出身。2000年に藤本壮介建築設計事務所を設立。近年のプロジェクトに、「太宰府天満宮仮殿」(福岡)、「音楽の家」(ハンガリー)など。7月2日より、森美術館で『藤本壮介の建築:原初・未来・森』展が開催予定。

写真・GION  文・中島良平
編集・橋田真木(GQ)

文:GQ JAPAN 中島良平

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