現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ハロゲン→HID→LEDときて次のヘッドライトはレーザー! BMWが開発したLEDの倍の600m先まで照射できる「超明るい」ライト

ここから本文です

ハロゲン→HID→LEDときて次のヘッドライトはレーザー! BMWが開発したLEDの倍の600m先まで照射できる「超明るい」ライト

掲載 36
ハロゲン→HID→LEDときて次のヘッドライトはレーザー! BMWが開発したLEDの倍の600m先まで照射できる「超明るい」ライト

 この記事をまとめると

■ヘッドライトは自動車と同じく130年ほどの歴史がある

むしろ使わないほうが無難か!? あまりに意味が広すぎる「パッシング」の是非を考えてみた

■シールドビームからハロゲンになりその後はHIDからLEDへと進化している

■BMWからは一般的なLEDの倍以上の照射距離があるレーザーヘッドライトが登場した

 100年以上あるヘッドライトの歴史

 19世紀末に誕生、20世紀に入ると同時に一気に普及、現在では日常生活に不可欠の存在となった自動車だが、約130年におよぶ歴史のなかで、基本機能は同じながら大きく性能を引き上げたパーツのひとつが、ヘッドライト(ランプ)といえるだろう。

 ヘッドライト、日本語にすれば前照灯だが、自動車の誕生間もない時期は、まだアセチレンランプが主体だった。それがフィラメントに通電して発光する電球(バルブ)を使う電気式に代わったのは、およそ30年後の1920年代のことだった。

 そして電球式のヘッドライトは、1940年ごろからバルブ/レンズ/反射鏡(リフレクター)が一体化したシールドビームに進化。当然ながら耐久性や照度は向上。その後、1960年代になるとハロゲンランプが登場。電球にハロゲンガスを封入することで、明るさ、耐久性がさらに一段引き上げられた。一般に普及するまで、多少時間を要する流れとなったが1980年代にはほぼ主流の方式になっていた。

 そして、1990年代中盤に登場したHIDランプによってヘッドライトの概念は大きく変わった。それまでのライトは、フィラメントに通電して発光させる構造だったが、HIDランプ(High Intenity Discharge lamp=高輝度放電ランプ)は発光管を設けてその両端に電極を設置。この両極間で発生する放電作用によって発光させる方式で、発光物質として水銀、ナトリウム、スカンジウムなど金属ハロゲン化物(メタルハライド)を使用。この方式により、フィラメント式のランプから一気に明るさが向上。白昼のように明るく白い照射光が特徴となっていた。

 HIDランプの登場は、まさにヘッドライトの革命と呼んで差し支えないほど劇的な進化だったが、さらにそれから10年、2000年代中盤にLEDヘッドライトが登場した。

 LED(Light Emitting Diode)とは、文字どおり発光ダイオードのことで、それまでのライトは発光システム(電球、発光管など)が必要だったが、LEDライトの場合はLED自体が発光体となるため、ライトシステムを軽量、小型化でき省電力化を1歩推し進めた。HIDよりさらに高性能、高効率であることから、HIDに代わるヘッドライトとして現在普及が進んでいる方式だ。

 BMWのレーザーヘッドライトの真価

 そして、このLED方式の発展型としてレーザーヘッドライト方式が登場した。開発したのはBMW。半導体レーザーを用いる方式で、レーザーダイオード(LD)と表記される素材だ。ちなみに、半導体レーザーとは、レーザー発振の条件を満たしたLEDのことで、ほかのLEDと比べて発光の波長や振幅のバラつきが少なく、LEDが光の出力方向にある程度の幅をもつことに対し、LDの場合は直進性が強く、1点に集中して照射することができるという特徴を備えている。

 その照射距離は、通常のLEDの場合は300m前後とされているが、レーザーダイオード方式の場合はその倍の600m先まで照射でき、LEDより30%ほどエネルギー効率に優れるとされている。より明るく、より省エネルギーでという、時代の要請に見事に応えるもので、区間によってまだ速度制限のないアウトバーンをもつ、いかにもドイツのメーカーらしい新たなヘッドライトの方式ということができるだろう。

 ちなみに、日本のヘッドライトは、ロービームが40m、ハイビームが100mとその照射距離が法律で定められ、また、道路照明のない長い直線区間もそれほどなく、直接的にレーザーヘッドライトの恩恵を被るケースは少ないかもしれないが、より遠くまで明るく照射してくれるヘッドライトの存在は、ドライバーの立場からはやはりありがたいものだ。

関連タグ

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

欧州 CO2規制を緩和、自動運転開発にテコ入れ 「今こそ行動起こすとき」
欧州 CO2規制を緩和、自動運転開発にテコ入れ 「今こそ行動起こすとき」
AUTOCAR JAPAN
【サウジアラビア】トヨタ最新型「クラウン“マジェスタ”」がスゴイ! 約840万円の334馬力「ハイパワーモデル」! 5年ぶり復活の「高性能仕様」どんなモデル?
【サウジアラビア】トヨタ最新型「クラウン“マジェスタ”」がスゴイ! 約840万円の334馬力「ハイパワーモデル」! 5年ぶり復活の「高性能仕様」どんなモデル?
くるまのニュース
新東名‐市街間の「ボトルネック」7日ついに解消! 大井川を渡る“静岡の大動脈”に橋を追加
新東名‐市街間の「ボトルネック」7日ついに解消! 大井川を渡る“静岡の大動脈”に橋を追加
乗りものニュース
標準装備を厳選して戦略的な価格を実現したメルセデス・ベンツGLC/GLCクーペのエントリーモデルが日本デビュー
標準装備を厳選して戦略的な価格を実現したメルセデス・ベンツGLC/GLCクーペのエントリーモデルが日本デビュー
カー・アンド・ドライバー
【2025年F1チーム別プレビュー/ウイリアムズ】2026年に集中も、サインツという資産を得て上昇は必至
【2025年F1チーム別プレビュー/ウイリアムズ】2026年に集中も、サインツという資産を得て上昇は必至
AUTOSPORT web
VW、小型EV『ID. EVERY1』を2027年に市販へ…価格は2万ユーロから
VW、小型EV『ID. EVERY1』を2027年に市販へ…価格は2万ユーロから
レスポンス
サイバートラックが異次元カスタムで覚醒!? ドイツのチューニングメーカー“マンソリー”が手がけた「イーロンゲーション」とは
サイバートラックが異次元カスタムで覚醒!? ドイツのチューニングメーカー“マンソリー”が手がけた「イーロンゲーション」とは
VAGUE
外装のアクセントカラーは460億通り! 「ベントレー・コンチネンタルGT」オプションの無限の可能性
外装のアクセントカラーは460億通り! 「ベントレー・コンチネンタルGT」オプションの無限の可能性
LE VOLANT CARSMEET WEB
日産「崖っぷち」からの大逆転なるか? 800億円赤字、工場閉鎖…「技術の日産」再興でスバル化戦略? e-Powerの未来どうなる
日産「崖っぷち」からの大逆転なるか? 800億円赤字、工場閉鎖…「技術の日産」再興でスバル化戦略? e-Powerの未来どうなる
Merkmal
東京ガス、EV充電サービス「EVrest」に新料金メニュー…充電器ごとの柔軟な設定が可能に
東京ガス、EV充電サービス「EVrest」に新料金メニュー…充電器ごとの柔軟な設定が可能に
レスポンス
【RQ決定情報2025】スーパーフォーミュラの新チームをサポートする『KDDIレースアンバサダー』のメンバーが発表
【RQ決定情報2025】スーパーフォーミュラの新チームをサポートする『KDDIレースアンバサダー』のメンバーが発表
AUTOSPORT web
ホンダe:HEVと日産e-POWER 元エンジニアが判定「長所」と「短所」をガチで比べるとどっちがいいの?
ホンダe:HEVと日産e-POWER 元エンジニアが判定「長所」と「短所」をガチで比べるとどっちがいいの?
ベストカーWeb
「マイクロバス」はトヨタの商品名だと知ってた? 60年以上むかしのトラック「ダイナ」ベースのバスがとってもおしゃれ! 昭和懐かしのクルマを紹介します
「マイクロバス」はトヨタの商品名だと知ってた? 60年以上むかしのトラック「ダイナ」ベースのバスがとってもおしゃれ! 昭和懐かしのクルマを紹介します
Auto Messe Web
ユーザーがクルマの「リコール」を放置すると車検に通らない場合も! そもそも「リコール」ってどんな場合に出されるもの?
ユーザーがクルマの「リコール」を放置すると車検に通らない場合も! そもそも「リコール」ってどんな場合に出されるもの?
WEB CARTOP
ホンダ「WR-V」一部改良! 高級インテリア採用&精悍すぎる「ブラックスタイル」登場! 値上げ実施も“全車250万円台以下”をキープ!
ホンダ「WR-V」一部改良! 高級インテリア採用&精悍すぎる「ブラックスタイル」登場! 値上げ実施も“全車250万円台以下”をキープ!
くるまのニュース
2025年2月の新車販売ランキング、スペーシアが2位浮上 N-BOXはトップ変わらず
2025年2月の新車販売ランキング、スペーシアが2位浮上 N-BOXはトップ変わらず
日刊自動車新聞
ママチャリとロードバイクが合体!? トップチューブレス設計のスポーツバイク「ママチャリロード2」発売
ママチャリとロードバイクが合体!? トップチューブレス設計のスポーツバイク「ママチャリロード2」発売
バイクのニュース
テストでは最多周回を走り込んだメルセデス。弱点の克服を実感「開幕戦には完全な準備ができたマシンを持ち込む」
テストでは最多周回を走り込んだメルセデス。弱点の克服を実感「開幕戦には完全な準備ができたマシンを持ち込む」
AUTOSPORT web

みんなのコメント

36件
  • a10********
    単独で走っている分には明るくなるのはいいと思うが、HIDでも十分すぎる明るさ。今はLEDの普及で明るくなりすぎて他車が前や後ろにいると逆に見えない。
    更に眩しくなる前に明るさの規制をしてほしい。
  • cor********
    先日すれ違ったポルシェのledヘッドがすごく眩しくて、しばらく目がおかしくなった
    レーザーなんかあり得ない
    欧州では法的規制はないのか?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村