現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > マッサ、“クラッシュゲート”事件発生の2008年F1シンガポールGPをめぐりFIAとFOM、エクレストン元F1支配人を提訴

ここから本文です

マッサ、“クラッシュゲート”事件発生の2008年F1シンガポールGPをめぐりFIAとFOM、エクレストン元F1支配人を提訴

掲載
マッサ、“クラッシュゲート”事件発生の2008年F1シンガポールGPをめぐりFIAとFOM、エクレストン元F1支配人を提訴

 フェリペ・マッサは、FIAとフォーミュラ・ワン・マネジメント(FOM)、そして元F1支配人のバーニー・エクレストンを相手取り、2008年シンガポールGPで発生した“クラッシュゲート”事件に関してロンドン高等裁判所に提訴。この年のドライバーズタイトルを当時マクラーレンのルイス・ハミルトンに1ポイント差で逃した当時フェラーリドライバーのマッサは、このシンガポールGPでのレース結果が無効とされるべきだと考えている。

 2008年シンガポールGPでは、ルノーF1上層部の指示により同チームのネルソン・ピケJr.がレース中故意にクラッシュ。セーフティカー出動を誘発することで、当時チームメイトであったフェルナンド・アロンソの優勝をアシストした。

■2008年中に”クラッシュゲート”の存在を知っていたFIA……しかし行動を起こせなかった理由

 当時はハミルトンが3位でフィニッシュ。マッサは首位を走行していたが、セーフティカー出動時のピットストップで作業ミスを犯し、給油ホースを引きちぎって発進……ピットロード出口で停止することを強いられて大きくタイムを失い、ポイント獲得を逃した。つまりもしピケJr.の故意によるクラッシュがなく、セーフティカーが出動しなければ、マッサはポイントを獲得していた可能性があり、それがチャンピオン争いの行方を大きく左右していた可能性がある。

 のちにクラッシュゲートと呼ばれるこの事件が公になったのは、2008年のタイトルが確定した後の2009年になってからだった。しかし昨年のインタビューでエクレストンは、当時エクレストン自身とFIAはこの件を調査するのに十分な情報があったが「何もしないことを決めた」と明かした。

 エクレストンはその後、インタビューで答えたことを覚えていないと発言を否定したが、マッサは昨年4月から2008年シーズンの結果に異議を訴えるために法的手段に訴えることを検討した。

 ブラジルの法律事務所ヴィエイラ・レゼンデ・アドヴォガドスの声明によると、「マッサ氏はFIAが2008年シンガポールGPでネルソン・ピケJr.のクラッシュを迅速に調査しなかったことでFIAは規定に違反し、適切な対処が行なわれていればマッサ氏はその年のドライバーズタイトルを獲得していたはずだとの判断を求めている」

「マッサ氏はまた、エクレストン氏とFOMも加担したFIAの失態によって被った多大な金銭的損失に対する損害賠償も求めている」

 マッサの弁護団はFIAとFOMに質問状を提出したが、2023年シーズンの夏休みで主要スタッフが不在だったため、回答が遅れた。

 声明はこう続く。

「有効的な解決策を見出そうとしても上手くいかず、マッサ氏には法的手続きを開始する以外の選択肢が残されていない」

 なお直近、FIAは2023年サウジアラビアGPのリザルトに介入したとの疑いが浮上している。

 同レースではアストンマーティンのフェルナンド・アロンソが、スタート時に正しいグリッド位置についていなかったとして、5秒のタイム加算ペナルティを受けた。チームはこれをピットストップの時に消化しようとしたが、スチュワードは5秒が経過する前にメカニックがマシンに触れたとしてこれを認めず、結局レース結果に10秒が加算されることとなり、3番手でフィニッシュしたアロンソは4位に降着とされた。しかしチームはこの裁定に抗議し、追加のペナルティが撤回。結局3位を取り戻す結果となったわけだが、この過程でFIAのモハメド・ベン・スレイエム会長が口添えしたとの内部告発が行なわれたのだ。

 その他にも、ベン・スレイエム会長はF1肝いりで開催された昨年のラスベガスGPで、舞台となる市街地サーキットのホモロゲーション獲得を妨害したとも言われている。

「最近の出来事は当然ながら、F1における透明性と完全性の問題が依然として存在していることが示されている。F1の信頼性と長期的な未来を修復するために真剣な取り組みが必要であることは明らかだ」と声明は締めくくられている。

 報道によれば、マッサは6000万ポンド(約119億円)から1億5000万ポンド(約282億円)相当の賠償を求めているという。

 FOMはmotorsport.comの取材に対し、本件に対するコメントを拒否している。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

[15秒でニュース]メルセデスAMG、初の電動SUVを市販化へ
[15秒でニュース]メルセデスAMG、初の電動SUVを市販化へ
レスポンス
軽自動車の6MT!! 2020年登場ホンダ[N-ONE RS]の中古ってどうなん
軽自動車の6MT!! 2020年登場ホンダ[N-ONE RS]の中古ってどうなん
ベストカーWeb
車両火災対策で「消火器」を積むなら「種類」に注意! 場合によっては人体に有害なものも存在する!!
車両火災対策で「消火器」を積むなら「種類」に注意! 場合によっては人体に有害なものも存在する!!
WEB CARTOP
エンツォフェラーリへ通じる「DNA」 マセラティMC20 長期テスト(2) 車重を測ったら1710kg
エンツォフェラーリへ通じる「DNA」 マセラティMC20 長期テスト(2) 車重を測ったら1710kg
AUTOCAR JAPAN
アプリリアの新型スポーツバイク『RS 457』、日本上陸 85万8000円
アプリリアの新型スポーツバイク『RS 457』、日本上陸 85万8000円
レスポンス
100kg軽い車重580kgのベーシック軽[新型アルト]が2026年に登場!? 軽量化と48Vスーパーエネチャージで勝負!!! 燃費は30km/L到達か!?
100kg軽い車重580kgのベーシック軽[新型アルト]が2026年に登場!? 軽量化と48Vスーパーエネチャージで勝負!!! 燃費は30km/L到達か!?
ベストカーWeb
レクサス新型「小型スポーツカー」がスゴい! “テンロクターボ”×初の6速MTを搭載! 最小SUV「LBX MORIZO RR」どんなモデル?
レクサス新型「小型スポーツカー」がスゴい! “テンロクターボ”×初の6速MTを搭載! 最小SUV「LBX MORIZO RR」どんなモデル?
くるまのニュース
ルーミーって…なんでこんなに売れてるの? どこがいいの???
ルーミーって…なんでこんなに売れてるの? どこがいいの???
ベストカーWeb
間違えると最悪車両火災の原因に! クルマのヒューズが切れたら「同色=同数値」のものに交換が必須!!
間違えると最悪車両火災の原因に! クルマのヒューズが切れたら「同色=同数値」のものに交換が必須!!
WEB CARTOP
トヨタWRC代表、勝田貴元にいよいよ“攻撃命令”。同点で並ぶヒョンデとのメーカー対決に向けて「攻めに転じる時がやってきた」
トヨタWRC代表、勝田貴元にいよいよ“攻撃命令”。同点で並ぶヒョンデとのメーカー対決に向けて「攻めに転じる時がやってきた」
motorsport.com 日本版
ローソン、ラスベガス予選はQ2敗退15番手「大きくスライドしてしまった。まあそれがなくてもQ3は無理だったけど……」
ローソン、ラスベガス予選はQ2敗退15番手「大きくスライドしてしまった。まあそれがなくてもQ3は無理だったけど……」
motorsport.com 日本版
新東名「最後の区間」どこまでできた? 過去最大規模の「トンネル湧水」発生も…どんどん造ってます!
新東名「最後の区間」どこまでできた? 過去最大規模の「トンネル湧水」発生も…どんどん造ってます!
乗りものニュース
オーナーは桐島ローランドさん 葉山町にオープンした新スポット『Felicity Cafe』とは
オーナーは桐島ローランドさん 葉山町にオープンした新スポット『Felicity Cafe』とは
バイクのニュース
マジか…? 新制度導入で「車検」通らないかも!? 10月から始まった“新たな車検”何が変わった? 覚えておきたい「OBD検査」の正体とは
マジか…? 新制度導入で「車検」通らないかも!? 10月から始まった“新たな車検”何が変わった? 覚えておきたい「OBD検査」の正体とは
くるまのニュース
70年代の“GTカー”が令和に復活!? 限定100台のミツオカ「M55ゼロエディション」ついに登場
70年代の“GTカー”が令和に復活!? 限定100台のミツオカ「M55ゼロエディション」ついに登場
VAGUE
新スタイルの洗車場、個室ブースで心置きなく洗車が可能…土曜ニュースランキング
新スタイルの洗車場、個室ブースで心置きなく洗車が可能…土曜ニュースランキング
レスポンス
マンホールの”大打撃”から1年……今度こそフロントロウからラスベガス決勝に挑むサインツJr.、混戦を予想「分からないことが多すぎる」
マンホールの”大打撃”から1年……今度こそフロントロウからラスベガス決勝に挑むサインツJr.、混戦を予想「分からないことが多すぎる」
motorsport.com 日本版
【悲報】マジかよ!? ホンダ二輪スポンサーのレプソルが2024年限りで契約解消へ
【悲報】マジかよ!? ホンダ二輪スポンサーのレプソルが2024年限りで契約解消へ
ベストカーWeb

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村