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こちらも“セダン時代”最終戦はトヨタ陣営が予選から躍動。ロッシが最後の勝者に/TC2000最終戦

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こちらも“セダン時代”最終戦はトヨタ陣営が予選から躍動。ロッシが最後の勝者に/TC2000最終戦

 すでに第10戦の段階で2024年のタイトル争いが決しているアルゼンチン最高峰のFFツーリングカー選手権、TC2000の最終第12戦『Gran Premio Coronación(コロネーション・グランプリ)』が、12月14~15日に同国エントレ・リオス州のシウダード・デ・コンコルディア・アウトドローモで開催され、予選からTOYOTA GAZOO Racing YPFインフィニアのトヨタ・カローラTC2000が躍動。

 決勝レース1こそYPFホンダRVレーシングのベルナルド・ラヴァー(ホンダ・シビックTC2000)に勝利を譲ったものの、これが“セダン時代”の最終ヒートとなる歴史的転換点のレース2では、シリーズ5冠の絶対エースであるマティアス・ロッシ(トヨタ・カローラTC2000)が、キャリア通算43勝目でカローラとの有終の美を飾っている。

トヨタ・カローラGRS TCRが有終の美。前戦終了後に“勝利剥奪”の旧型プジョーが初戴冠/TCR南米最終戦

 隣国ブラジルのSCBストックカー・ブラジル“プロシリーズ”と同様、南米が誇るハイテクFFツーリングカー選手権を標榜するTC2000も、従来より段階的な次世代モデルへの移行を表明しており、すでに新型SUVモデルの開発テストが進行。

 小型クーペSUV『VW Nivus SUV(フォルクスワーゲン・ニーヴァス)』をベースとした先行開発車両“プロトタイプ001”に続き、シボレー陣営のYPFエライオン・オーロ・プロ・レーシングが走らせる『シボレー・トラッカー』や『ホンダZR-V』、そしてTGR陣営はまだ正式な車種発表がないものの、テストに姿を現した『カローラクロス』の投入が確実視されており、ともに来季より500PS級の“直列5気筒”直噴ターボエンジンを搭載したSUVツーリングカーを投入する。

「2025年も引き続きトヨタとともにTC2000に出場する。このカテゴリーにおけるチームとの提携は2011年に始まり、それ以来、僕がブラジル(SCB)で武者修行した時期を除いて、ほぼ毎シーズンレースに出場してきた。来季のTC2000はSUVとともに再編されるシーズンとなり、素晴らしいサウンドと強力なエンジンを搭載した新しいセグメントのマシンをドライブすることに興奮しており、やる気も出ている。僕自身、来季のTC2000に賭けているよ」と語るのは、ダリオ・ラモンダが代表を務めるTOYOTA GAZOO Racing YPFインフィニアへの残留を発表したロッシ。

「(最終戦の)コンコルディアは僕が本当に好きなサーキットで、高速コーナーと低速セクターが混在するサーキットであり、優れたトラクションを備えたクルマが必要だ。要求が高く、舗装が非常に平坦で起伏がないため、周回を通して集中力を発揮しなければならないトラックだよ」

 そう語った5冠王者の言葉どおり、フリープラクティス(FP)1回目こそシボレー陣営のYPFエライオン・オーロ・プロ・レーシングのダミアン・フィネンチ(シボレーYPFクルーズ)が最速発進を決めたものの、続くFP2ではトヨタ陣営のマルセロ・チャロッキ(トヨタ・カローラTC2000)がトップタイムを記録。太陽と多くの観衆に恵まれた土曜の予選も、ディフェンディングチャンピオンのリオネル・ペーニャ(ルノー・フルーエンスGT)を抑え、チャロッキが初のポールポジションを奪取した。

■ホンダ・モーター・アルゼンティーナが2025年の『ZR-V』投入を宣言
 明けた日曜午前9時35分にスタートが切られた20分+1周のレース1は、ポールシッターが蹴り出しで遅れ、4番手発進だったラヴァーのシビックがレースを支配することに。さらにその僚友、フランコ・ヴィヴィアン(ホンダ・シビックTC2000)との交錯でポジションを落としたチャロッキに対し、先輩のロッシが2位を死守し、3位には中南米ルーキーカップ登録で戦うディレクTV・オカサ・レーシングの85号車、ティアゴ・ペーニャ(ルノー・フルーエンスGT)が続く表彰台となった。

 そして迎えた今季最終ヒートは、フロントロウに並んだホンダのラヴァーとトヨタのロッシが直接対決を繰り広げ、スタート勝負でカローラに軍配が上がることに。続くラップではファクンド・アルドリゲッティ(ルノー・フルーエンスGT)のミスによりセーフティカー(SC)が出動し、そのリスタート直後には王者ペーニャがシケインでレースを終え、ふたたびSC出動の波乱も巻き起こる。

 そのままリードを堅持したロッシの背後には、シリーズ3冠経験者として現在はサテライトのトヨタに乗るガブリエル・ポンセ・デ・レオン(トヨタ・カローラTC2000)が続き、TOYOTA GAZOO Racing YPFインフィニアとコルシ・スポーツのトヨタ勢がワン・ツーフィニッシュでセダン時代の掉尾を飾ることに。

 最後は3位チェッカーを受けたシボレーのフィネンチがペナルティ裁定で5位に降格し、代わってホンダのラヴァーが連続表彰台となる3位に返り咲いた。

 そんな節目となるレースウイークを終え、ホンダ・モーター・アルゼンティーナのコマーシャルマネージャー兼公式競技チームマネージャーも務めるビクトル・プルヴォストは、来季よりホンダのファクトリー指定チームを担う組織として、日本でもドライバーとして活動した経歴を持つセバスチャン・マルティノ率いるYPFホンダRVレーシングを公式に指定。改めて2025年シーズンの『ホンダZR-V』投入を宣言した。

「今週末、我々は多くの努力を成し遂げた。ベルニ(ベルナルド・ラヴァーの愛称)と最初のレースで勝利し、TC2000の1年を締め括るという前向きな結果を残せた。改めて来季もYPFと協力し、2025年の代表チームにセバスチャン・マルティノの組織を指名することを発表したいと思う」とプルヴォスト。

「作業に関しては、チームは今週よりこのプロジェクトのためにメキシコ工場から輸入した、2台の『ZR-V』の製造を開始する予定だ。我々はTC2000と2年間SUVプロジェクトに取り組んできたが、ホンダとしても非常に存在感を示しているカテゴリー(SUV)であるため、とても興味を持っていたよ」

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