筑波50秒台も射程距離に捉えたランエボIX
ビレットブロック仕様の4G63にブースト2.8キロをかけて1000馬力を絞り出す!
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各地のサーキットでコースレコードを塗り替え、日本が誇るタイムアタックマシンの1台として注目される存在にまでなったエスコート&安藤佳樹選手のランエボ(CT9A)。昨年のWTAC(ワールドタイムアタックチャレンジ)ではさらに大幅な軽量化やエアロパーツの一新によって、トラブルを抱えて満足のいくアタックが叶わずもクラス3位の好成績を収めたことは記憶にも新しい。
そんなランエボIXが、2019シーズンもさらに進化した形となって筑波アタックに挑んできた。
エンジンは4G63ベースで腰下にビレットブロックを使用した2.3L+GTX3584Rタービン仕様。E85アルコール燃料を使用して最高出力は1000psに達している。NOSも噴射するが、あくまでタービンの立ち上がりをアシストする補助的な使い方に限定している。
足回りはマグナス社製のサブフレームをベースにオリジナルのカスタムアームを組み合わせて構築。ブレーキはWTAC時とは違い、筑波に合わせたローター&パッドを使用する。
重要なエアロパーツは、昨シーズンまで使用していたボルテックスから独自デバイスを追加して進化。特に大型の門型リアウイングは、翼端板とボディをつなぐ形状を採用し縦方向の安定性を増している。ウイングセンターのたわみを抑える役目も兼ねたシャークフィンなど、しっかりテストし効果のあったパーツを残す形で現在に至っている。
センター出しレイアウトのマフラーにはスーパーGTなどでも採用される整流板を組み合わせる。排気の流速を高める効果も見られ、使ってみてはじめてそのアイデアを理解できた装備なのだという。
そして、今シーズンに向けアップデートされた機能のハイライトはシフトだ。ミッションはホリンジャーだが、これまでのIパターンから新たにパドルシフトを採用し、それに伴い制御系をモーテックM800からM150に変更。処理能力が大幅に向上したことから、従来のデータをそのまま使用せず、新たなプログラムを構築している。
ただし、パドルシフトに関してはまだまだプログラムがベストとはいえず、さらにパドル化に合わせた乗り方も必要となる。正直言って、このあったAttack筑波の時点では、シフト後に挙動が乱れるなど、まだまだ使いこなせていないとのことだった。そうは言っても、車両特性にドライビングを合わせ込む能力も備えた安藤選手、マージンのあるライン取りをして思い切り攻めたというアタックの結果は51秒119!! 見事に自己ベストを更新。
マシンの熟成が進んでいけば、アンダー鈴木の持つチューニングカー最速の50秒366も遠くない。すでに射程距離に捉えていると言えそうだ。
スペック
■エンジン:4G63改2.3L(最大ブースト圧2.8キロ) ギャレットGTX3584Rタービン/ドライサンプ/エンジン内部強化/点火系強化/ナイトロシステム/カスタムハーネス (キャノンコネクター) ■使用燃料:E85レーシングアルコール ■ドライブトレイン:ホリンジャー シーケンシャルミッション/エクセディ クラッチ/クスコLSD/カーボンプロペラシャフト/マグナス 前後サブメンバー ■フットワーク:カスタムサスペンションアーム一式/ブレンボキャリパー/アドバンA050(295/35-18)/エンケイNT03RR ■エクステリア:オリジナルボディキット/エアロデバイス一式
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